東西の軍事バランスは、崩れてしまったのではないか。
とても心配だ。
ロシアは、ウクライナに侵攻して、通常兵器での本格的な戦争を行っている。
北朝鮮は、ICBMまで保有し、核弾頭装備に向けて邁進している。
中国は、世界の工場として、強大な軍事産業を持つ、経済大国となった。
中国の鉄鋼生産量は、アメリカの14倍、フランスの97倍、イギリスの152倍。
ちなみにロシアの鉄鋼生産量は、アメリカとほぼ同じ。
中国の船舶建造量は、アメリカの100倍以上、フランスの65倍、イギリスは論外。
中国の産業用ロボットの稼働台数は、アメリカの3倍、フランスの21倍、イギリスは論外。
ハッキリ言って、NATO急先鋒のイギリス、工業の分野では、最早、先進国とは呼べない。
NATOのボスのアメリカも、lTやメタバース、サービスや金融の国であって、物量とは無縁の国になった。
アマゾンのような宅配や、グーグル、フェイスブックのようなインターネット、金融、メディアや遊興娯楽などがメジャー産業。
頭がいい若者は、投資と起業に明け暮れている。
そんなこんなで、アメリカの軍事産業は衰退。
通常兵器の生産力では、ロシアにすら敵わないだろう。
かと言って、西側諸国のイギリスやフランスの通常兵器の生産力なんて、途上国以下。
最近のアメリカ。
宇宙に出る力も失って、ロケット打ち上げは民間任せ。
日本のロケットも、打ち上げを延期したが。
とにかく、今のアメリカは、仮想現実の中の戦争なら世界最強かもしれないが、実戦はテロリスト相手くらい。
だから日本は、そんなアメリカに過度な期待をしてはいけない。
経済は「資本主義」、政治は「人権と自由と民主主義」、キリスト教国家のアメリカ。
国内では、格差が拡大して、政治的対立が激化している。
アメリカは、最早、西側諸国の守護神ではない。
そんなアメリカが、今さらこの21世紀に、昔、戦った日本人のために、アメリカ国民を犠牲にするような戦争をすることは絶対にないだろう。
日本人は、忘れているようだが。
アメリカ人は、ナチスと手を組んで、世界征服を目論んだ独裁国家日本と、「自由と民主主義」を守るために戦ったことを忘れてはいない。
そんなことを考えていたら、ようやく分かってきた。
今この世界で、ロシアと戦えるのは、ウクライナだけだということが。
金儲けと自由と民主主義と人権と環境問題しか頭にないNATO諸国の国民では、到底、ロシアとは戦えない。
日本なんて論外だろう。
今、この世界を見渡したとき、明日にでも戦争ができる国は。
現在戦争中のロシアと北朝鮮、それに中国の3カ国。
それに比べ、西側諸国には、1カ国もない。
おそらくアメリカは、最早、西側諸国に戦争は無理だと認識しているのだろう。
だから、経済制裁と後方支援しか選択肢が無いと分かっている。
そんなアメリカだから、西側諸国のために軍事介入はしない。
ロシアや中国や北朝鮮なんて、大したことはないと言って、なんとか西側諸国を束ねている。
日本人の多くは、それを真に受けている。
現実世界は、西側陣営の楽観論とは全く違うのに、困ったことだ。
ハッキリ言って、このままでは、西側諸国は相当に危ない。
アメリカを除く西側諸国の軍事力なんて大したことはないとバレたら。
西側諸国に対して積年の怨みを持つ世界から、袋叩きにあうかもしれないからだ。
