昨年のTV番組等で話題になった木曽の名産品『お六櫛』。まだまだ人気で品薄状態といわれていますが、お六さんが願いを込めて造ったミネバリの「お六櫛」。奈良井宿から藪原宿へと探してきました。
【お六両歯(梳き櫛)】櫛の中央にシノギと呼ぶ稜線を境に、両側に細かい歯のある櫛である。手で持つ峰の部分が無いため、櫛歯を保護するために鞘をつけている。両歯は寛政から文政にかけて出現した。(信州木祖村HP)
まず1か月ほどそのままで髪をとかします。毎日とかしていると櫛が自分の髪に馴染んできます。その後は椿油をタッパー等に入れ、最低でも3か月間、櫛を浸して保管しながら使用していきます。櫛の汚れは毛糸をデンタルフロスのように使い、歯間を丁寧にお掃除します。木櫛は椿油との相乗効果で髪への潤いを補給するといいます。親子三代に渡って使えるといわれる「お六ぐし」。大事にメンテナンスいていきましょう。
その昔、妻籠の旅籠屋の娘に美人で評判のお六という娘がありました。合憎頭痛の持病になやまされていました。思案にあまった彼女は、ある日のこと霊験あらたかな御嶽神社に祈願の参籠を決心して白装束に身をかため、金剛杖をたよりに、六根清浄を唱えながら露をあび藪をわけ、熊笹をふみ岩場を匐って、ようようにして遂に頂上にたどりつき、御嶽本宮に三、七、二十一日の参籠となりました。いよいよ満願の夜、夢うつゝに忽然と老翁が現れ、われは御嶽大権現なり、汝の難病はこの御嶽のミネバリの木を伐りて、すき櫛を造り髪をとけば忽ち治るべし、と告げると老翁の姿は霧とともに消え去りました。
お六は一生懸命ミネバリの櫛を造り、お告げ通りにすると、いつか病はすっかり快りました。それからというものは同病の婦人に御嶽山の神秘な霊験を語り伝え、ミネバリの木櫛をすゝめましたのでいつしか"お六ぐし"と名付けられ軌跡はたちまち村へと伝わり行き交う御嶽詣での信者達や旅人はまたとないお土産として珍重され、原料のミネバリは藪原に多く産した処からいつしか藪原の特産品として幾星霜名声を博しております。
(木祖村藪原宿 宮川漆器店)
:『お六櫛 つくる夜なべや 月もよく』 奈良井宿「楢川歴史民族資料館」前には、月夜の晩に櫛つくりの夜業を見て詠んだという山口青邨の句碑が置かれています。
>森の中の恍惚:つらつら椿つらつらに
>森の中の恍惚:お六ぐし その後
■奈良井宿へ行こう! 2017
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