食事や栄養素がパーキンソン病の発症に対し、効果があるかどうか、栄養や医学関係の研究者は模索しています。Mohammad Alizadeh博士らの研究では、パーキンソン病患者は、リコピン、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンB12、パントテン酸、マグネシウム、亜鉛、マンガン、セレン、クロムなどの栄養素の食事での摂取量がより低いが、αートコフェロールの摂取量はより高いと報告しています。また、、ビタミンA、αーカロテン、βークリプトキサンチン、などの食事性高摂取は、パーキンソン病の発症確率(オッズ指数)を高め、リコピン、ビタミンB1、ビタミンB6、パントテン酸、マグネシウム、亜鉛、マンガン、クロムの食事性高摂取は、パーキンソン病の発症確率の低下と関係していました。αートコフェロールは、パーキンソン病リスクの予測では、他のビタミン類に比べてより強いようでした。また、パントテン酸は、パーキンソン病の重症度、運動能力試験と運動の困難度に対し、関連は見られませんでした。パーキンソン病の重症度と運動機能症状は、βーカロテン、ビタミンB2、ビタミンB6、それにビオチンの食事性摂取とやはり関連は見られませんでした。パーキンソン病患者の統一されたパーキンソン病評価スコアと運動の困難症状は、リン、マグネシウム、亜鉛、マンガン、クロムと関連なく、カリウム摂取とは、ぜんぜん関連が見られませんでした。なお、食事や栄養素とパーキンソン病の関係の研究において、それを疫学的に調査することは大変難しいですが、研究手法の改善により、この難題が解決されることを期待しています。
これらの研究から言えることは、ある種のビタミンと必須ミネラルの適切量の食事性摂取は、進行性パーキンソン病とその運動能力の低下の進行に予防効果を有する可能性があると、この研究は示しています。
References
Mohammad Alizadeh, et al. What dietary vitamins and minerals might be protective against parkinson's disease? Brain Sci. 2023 Jul 24;13(7):1119
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