tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

men's 都紫川 <朝比奈編>

2017-04-12 07:54:05 | men's 都紫川
『また歓迎会の季節か・・・』
面倒だと笑って誤魔化す彼に皆が またかと笑う・・・

遊びの好きな者が集まり、幅広く遊べる仲間が集う・・・
<遊部>は・・・新人が好きな事を皆で騒ぐだけのサークル・・・それは遠出もする。

新人が体験した事もないと知ると、行こうと予定を組む・・・いたって真面目?なサークル活動をしてもいた。

人手が足りなければ、ボランティアさえ出向く・・・お金もかからず楽しめる場所と知る・・・それが街中の掃除でも・・・。

声がかかると翌日には返事さえ入るので、助っ人部でもあった。
テニスの部員が足りずに参加出来ないと知ると遊部のメンバーから出る・・・本気の腕はないが滅多に足も引かずに出来る者がいるからだ。

それはバスケさえ…だいたいが、助っ人で出向けるサークルメンバーだった。
発足して2年・・・当然、人集めの催しに参加はすれど目立った広報はしない・・・自由参加だから。

ただサークル活動として部長は必要で、それは報告義務があるので言い出した朝比奈がなった。
入会は朝比奈まで届を出すだけだ。
活動があれば参加自由のサークルだけに、中味を聞いて自分の意思で出向く。

参加したら本気と取り組む・・・それだけのルールだった。
連絡はメールだけ・・・回されて会議と云う飲み会をして先が決まる。


そして今回は・・・
『しない?』
『(笑)しねーよ、面倒くせー。会員は居るし絶対参加も20は越えんだろ(笑)』
だからしないと笑って飲む朝比奈に皆も笑って納得した。

『あー居ねーかな(笑)面白いヤツ』
『何がしたい(笑)』
『んー(笑)』
酔って頭は回らずに、楽しいだけの友人に笑った。


門から入ると数多くの勧誘が賑わいをみせた・・・
『暇そうだな(笑)』
『朝比(笑)おめーが言う?』
『(笑)朝もしてなかったか?』
『足りねーんだよ(笑)。腕に覚えのあるヤツが居たのに断られた(笑)』
『残念だな(笑)』

『興味はないとさ(笑)、お前んとこ入れとけよ借りるから』
『ん?1年?』
『そうだ(笑)。大会に余裕で入賞してんのに続けねーんだとさ』
『誰だ?』
『都紫川ってヤツ(笑)頼むから捕まえといてくれよな』
ビラを配りながら話す友人に笑って、了解と校舎へ足を向けた。

とはいえ知らねーなと思いつつ、いいかと講義を受けに行く。


図書室で・・・あらゆる本を目の前に置き静かに見ていた人を眺め驚いた・・・それは家屋に関してだろう書物・・・
今昔の差を比べたいのか、取り出しては眺めてと繰り返していた。

自分の興味と同じだったので、余計に目が向いたのだ・・・
『どの時代を探す?』
『はい?』
『伝統家屋のだと、年代で変わるだろ(笑)・・・年号とか歴史から調べた方が早くねーか?』

『あ・・・・(笑)そうですね、確かに』
笑って呟く人に笑み、手にした本を眺め・・・スッと棚から引き出した朝比奈・・・

『ありがとうございます(笑)』
『いーや(笑)。見ない顔だな、もしかして1年か?』
『はい(笑)、貴方は・・・』
『3年(笑)、朝比奈と言う』
『(笑)都紫川です』
『ん?(笑)テコンドーで入賞したか?』

『 ・・・・あーはい高校で一度(笑)』
この一言で本当に興味がないのだと思え驚いた・・・それでもと話を続ける。
『友達が勧誘して断られたと聞いた(笑)続けないのか?』
『はい(笑)、体験はすんだので』
『 ・・・興味は』

『(笑)ありません。してみろと言われて始めた事で・・・区切りもいいので止めました』
『それで腕が向くって凄いな(笑)』
『運も良かったと思えますよ(笑)、どんなに練習をしても上はもっと居ますし』

『(笑)俺らのサークルに入るか?』
『 ・・・どんな』
そう聞かれ、どう言おうか考えてしまったが 先ずはと声にする。

『気分で(笑)何でもするぞ。
最近は駅の清掃と・・・残雪があったからスキーにも行った(笑)
何でも手を出す遊部サークルってヤツだな(笑)』
暇潰しという思い・・・何となくだが、そう過り自分を笑った。

『(笑)そうなんですね』
『入っとけ(笑)楽しいぞ』
『考えときます、そんなに参加も出来ないかもしれないので・・・』
『(笑)自由参加だ。無理なら話だけ聞いて終わり。暇で、やって見たい時だけ参加する』

『それでいいと(笑)』
『そうだ(笑)。金はない・・・他のサークルの助っ人もするし、ただで暇な奴はボランティアに参加する』
『凄いですね(笑)自分から出来て』

『自分の気持ちで楽しめるんだぞ(笑)、楽しければ参加して遊ぶだけだ。
・・・勉強だけの頭にすんな(笑)・・・社会に出たら・・・早々遊べそうにないしな・・・』
自分が思う気持ちが出そうになった事に焦り、苦笑いしながら。

『 ・・・・辛いですか?』
『 ・・・いいや』
『(笑)少し考えます』
そう言うと礼をして離れて行った都紫川を眺めた・・・


驚いた・・・深い底を覗かれた気がした・・・会話をしていた数分でだ。
一瞬過った事を気づかれたのかと・・・何より笑みの優しさに目を奪われた気がした・・・


少し離れた場所へ腰を下ろした・・・楽し気に本を見ていた彼を眺める。
真っ直ぐな瞳だった・・・

自分の事に気付いたのは高校の時だった・・・回りの友達に彼女が出来初めても羨ましさは無かった。
時間があいて一緒に遊ぶ友達は数多く皆で和気あいあいと遊んでいた。

バイトにも明け暮れ遊ぶ資金まで貯める・・・仲のいい友人と騒ぐ。
小遣いはあったが、いちいち聞かれる事が面倒だったから始めた。

彼に似た友達だった・・・彼女が出来て初めて自分の中が揺れた。
何をしても苛立ち、何をしても目が追った・・・話したくて電話をするが、決まって彼女の電話で邪魔が入る。

クラスにも同じ者は居た・・・からかわれ真っ赤な顔と悲し気な顔・・・今の自分とダブるのかもしれないと気づき項垂れた。
何より・・・あれは嫌だと自分を押し殺した。

進学すると、堂々とカミングする人も居たが影では違うのだと・・・囁かれる怖さを覚え、自分さえ呪った。
それでも先の為と成人を期に、バーでバイトを始めてみた。

違和感のない場所もあるのだと・・・友達に言われたがバイト料の良さにも引かれていた事で辞める事はしなかった。

そして体験して・・・自分の性を知った・・・働く場所を変えてみた。
するか、しないかで人も代わる・・・その中味さえ丁寧に施す優しい人と出逢えた事にホッとした。

危険もあると知ると、紹介して貰い比較的安全なバーで時々だがバイトをするようにした。
その衝動さえ、休日前で約束されて翌日の夕方に会う・・・後腐れもなく終わる関係に止めた。

似た気配が呼ぶのか・・・小耳にカミングアウトする友達もいた。
危なく会員が手を出されそうになり、それに気づいて先に手を打った。
友達も納得するまで話し込み無理なら辞めろと頼み込んだ。

思いの外いるのだと・・・何故かホッとした自分がいた・・・
安らぎはない・・・想う人が現れても公に出来ず想いは一方通行だった。
全てに諦められる自分が出来上がったのに・・・それは息をする事さえ辛い事でもあった。

想いはひたすら奥底へ沈め日々を過ごしてきた・・・
項垂れる・・・一瞬で気づかれたのだ。
遊部が出来た理由・・・楽しさで埋め込めばいいと始めた・・・なのに。

目が合い笑み返された・・・嘲る笑いではない事はホッとした・・・苦笑いしかない・・・本へ目を落とした・・・
本心を知られた訳じゃない・・・そう思いこむ。
優しい笑みだった・・・不意に思った自分にも呆れた・・・


ボランティアに誘う・・・時間が合えば参加するがサークル自体は入らない都紫川だった。
無理強いもなく友達さえ、気にもしなかった。


誘う回数が増えたある日・・・
『波木?』
一つ上で4年の彼・・・気さくで人懐こい波木を呼び捨てるのは、3年では数人しか居なかった。

活動が終わり慰労会という飲み会の帰りに呼ばれ一緒に帰る事にした。
話があると二人で歩く帰り道・・・迷うのか話を切り出さない波木に苦笑いをして道端のベンチへ腰を落ち着かせた。

夜も遅く人通りもない・・・時おり車の往来があるだけの道だった。
『波木? 就活(笑)それに疲れたか?』
『 ・・・』
久しぶりの参加でもない・・・就活に忙がしい間をぬって息抜きだと参加していると聞いていた。

『お前さ・・・』
不意に声にして・・・また黙った事に何だと考えた・・・まずは聞こうと口を閉ざした。

『家・・・行っていいか?』
『飲み足りねーか?』
飲んで言いにくい事を吐き出したいのだと思えて言ってみた・・・静かに頷くと笑って、いいぞとコンビニを目指した。

『飲み込むなら泊まれ(笑)。明日、大丈夫ならな』
『ん・・・』
部屋に入り苦笑いをした波木は、勝手知る朝比奈の部屋に入り込んだ。

飲める準備をした朝比奈・・・黙ったままバスルームから出た波木を観察した。
話し込む様子に思え、飲み始めた波木に声をかけ悪いとバスルームに入った。

出て驚いた・・・波木は着替えもせずに飲み込んでいたのだ・・・既に数本も空になっていた・・・髪を拭きながら様子を眺める・・・

『ごめん・・・』
『構わねーけど・・・』
何があったと声に出来なかった・・・自分を嘲るように笑み酒を口にしていたからだ。

互いにタオルを腰に巻いたまま・・・朝比奈はいいかとソファーに座りビールを飲み込んだ。
『朝比・・・』
『ん?』
『朝比・・・は・・・』
戸惑う声音だった

『何だよ(笑)、酔ったついでに言えよ』
『 ・・・引くよな』
『ん?何がだ?』
『 ・・・俺さ、お前が好きだ』
ドキリとした・・・それは波木もだったのかと・・・そんな素振りはなかったと思い起こした。

『 俺さ・・・都紫川に、お前を取られるって気がして・・・怖くなった・・・
お前・・・朝比は・・・都紫川が好きだろ・・・』
『 ・・・そう見えるか?』
見えると頷く波木だった事に驚いた・・・

『ごめん(笑)、でも違う・・・羨ましくて・・・あとは俺と似てて・・・何となく辛くなって目が向く・・・』
『それが恋愛だろ!』
『そうかな・・・好きだと言うハッキリした感情はないと思えるが・・・』

『抱きたいと思えるか?そこ、疼かないのか?』
『見てか?』
そう言った朝比奈に苦笑いをしてタオルの下へ手を差し入れた波木に驚いた・・・

『触れば誰でも立つぞ(笑) っ!』
唸り優しく波木の手を外し隣へ座らせた。
『確かに体を求めるのは男だと自分でも気づいた・・・だけど、それは波木にじゃないとも思う。
本当に互いに寝たい相手としろよ』

『それは俺にはお前だった・・・
し・・・した事はある・・・出したいだけでの行為にガッカリだった・・・
都紫川の笑みで笑う朝比を見ると辛くて・・・だから・・・』

今度は本格的に触れ出した・・・伸びていく波木の手に苦笑いだけだった。
体へ触れていく波木・・・震え戸惑うような触れが加わり・・・

『波木・・・溺れる気もないぞ・・・その手が女でも立つ事もある』
『女でも出来るのか?』
『(笑)間違いかと知りたくて抱いた・・・自分はどっちかを知りたくてな・・・
もっと調べたくてバーでもバイトをしてる・・・ただの解消に寝る・・・吐き出したくてな・・・。

(笑)それは誰でも出来ると知った・・・好きな気持ちがなくても、sexは出来る・・・だけど気持ち良さは自分が好きにならないと無理だった・・・
気持ちもないのに したいか?』

それでも続けるのかと波木を見返した。
触れた手が震える・・・泣きそうな顔を隠すように抱きついた波木。

『波木・・・ごめんな・・・遊びで吐き出したいなら抱けた・・・
だけど・・・波木の気持ちを知ったから・・・出来ねーよ・・・応える事も・・・』
『都紫川を?』

『(笑)波木、それはないと言ったろ。抱きたいという気持ちも・・・』
『今はだろ・・・』
自分に触れたままに離さない波木・・・戸惑いの手に震え、それでも優しく扱うままに呟いた。

『俺は・・・互いに想える関係の中でsexしたい・・・楽な自分で居れる関係の繋がりが欲しいから・・・っ!』
『ご、ごめん』
『いいけど(笑)、握んなよ・・・大事なんだぞ』
『俺は・・・それでも・・・』
『外せ(笑)それだけでいい・・・』

呟く朝比に項垂れて、そっと凭れた波木だった・・・辛さが蘇り・・・溢れたろう涙に気づいた。
クビにかけていたタオルを挟み自分へ埋もれさせた。

朝比奈の手を運ぶ・・・
『繋がりを切りたいのか?』
一瞬・・・戸惑う手が止まったが・・・それでも波木は自分へと運んでしまった事に辛く・・・波木を押さえた手が強くなった。

自分へ伸びた手を剥ぎ取り波木へと迷いなく触れた・・・身を捩るが離さずに押さえた。
漏れていく声さえタオルで押し消した・・・それでも優しく丁寧に触れてやった。

有無はなく撫で上げ触れていく・・・漏れる声はタオルが塞いでいた・・・身が震え体は強ばる・・・昂りは一瞬で増し・・・震え弾く身さえ構わずに朝比奈は波木へ遠慮なく触れた。

タオルの上からも分かる状態に構わずに中で処理するような行為だった・・・捕まれた波木の手が強くなる。

愛しさもない・・・それが恋愛でもない・・・それでも触れて貰いたい波木に・・・自分と似た辛さが重なった。

愛しさはない行為なのだと、分かれと手へ力を込めた・・・震え弾かれた体さえ押さえつけられ・・・果てた波木。

力なく凭れた波木を抱きあげてバスルームへと連れ出すと静かに朝比奈は出て寝室へ閉じ籠った。

暫くして波木の声がしたが、構わずに布団を被った・・・
鍵をしていたので開く事はない・・・謝る声・・・そして静かに出て行った音だけがした。