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お・な・か ぽんぽこりんのチロちゃん

ヨーキーのチロとの読書生活。

「SQ 魂の知能指数」ダナー・ゾーハー&イアン・マーシャル著 〜2

2019年02月27日 | 


「あなたが何で生計を立てていようと、私には興味はない

 知りたいのはむしろ、あなたが何で胸を痛めているか、

 そしてあこがれとの出会いを夢見る勇気を持っているかどうかだ


 あなたが何歳だろうと、私には興味はない

 知りたいのはむしろ、あなたが愚か者に見えるのも覚悟のうえで、

 あえて愛を、夢を、生きるという冒険をもとめるかどうかだ


 あなたの星座が何座だろうと、私には興味はない

 知りたいのはむしろ、あなたがあなた自身の悲しみの中心に触れたかどうか、

 そして人生の裏切りによって心を開かれたのか、

 それとも縮みあがり、さらなる苦痛を恐れて心を閉ざしてしまったのかだ


 わたしの苦痛だろうと、あなたの苦痛だろうとかまわない。あなたが苦痛に耐えられるかどうか、

 そして苦痛を隠したり、薄めたり、とりつくろったりするためにじたばたせずに居られるかどうか知りたい


 私の喜びだろうと、あなたの喜びだろうとかまわない。あなたが喜びとともにいられるのかどうか知りたい

 あなたが野生とともに踊り、手足の先まで歓喜に満ちて、

 わたしたちに用心せよとか、現実的になれとか、人間の限界を思い出せなどと警告せずに居られるのかどうか知りたい


 あなたの話していることがほんとうかどうか、わたしには興味はない

 知りたいのはむしろ、あなたが他人を落胆させることを恐れずに、自分に正直になれるのかどうか、

 そして裏切ったと非難されても耐え、自分自身の魂を裏切らずにいられるのかどうかだ


 あなたが誠実で、それゆえに信頼できる人間なのかどうか知りたい

 きれいでない日常的なもののなかに美を見出すことができるのかどうか、
 
 そして自分の生の源は神の存在にあると言えるのかどうか知りたい


 あなたが失敗に耐え、湖の縁に立って銀色の月の呼びかけに答えることができるのかどうか知りたい


 あなたがどこに住んでいようと、どのくらい金を持っていようと、わたしには興味はない

 知りたいのはむしろ、悲嘆と絶望の夜のあと、疲れ果て、骨の髄まで打ちのめされて、それでも起き上がり、

 子供たちのためにせねばならぬことをなしうるかどうかだ

 
 あなたが何者なのか、どうやってここに来たのか、私には興味はない

 知りたいのはむしろ、わたしといっしょに炎の中心に立ち、しりごみしないかどうかだ


 どこで、誰といっしょに、何をあなたが学んだか、わたしには興味はない

 知りたいのはむしろ、ほかのすべてが崩壊したとき、何があなたを内から支えるかだ

 ひとりぼっちでも平気かどうか、そして孤独なときの自分をほんとうに好きかどうか知りたい

 ー『誘い(いざない)』
 
 ネイティブアメリカンの古老、オリア・マウンテン・ドリーマーの言葉より」

 SQ 魂の知能指数 ダナー・ゾーハー&イアン・マーシャル著 古賀弥生訳 徳間書店

 








「SQ 魂の知能指数」ダナー・ゾーハー&イアン・マーシャル著 〜1

2019年02月27日 | 


「すさんだ心、刹那的な生き方、社会全体を覆う無力感、あまりに非人間的な凶悪事件、

 そこに示されているものこそ、まさにSQの欠如した社会の姿なのだ。

 SQとは、現代人の<引き裂かれた自己>をつなぎ合わせ、

 失われた<本当のわたし>を取り戻すための、<究極の知能>である。

 わたしのSQはどのくらいなのだろう?

 どうすればSQを高めることができるのか?」

 SQ 魂の知能指数 ダナー・ゾーハー&イアン・マーシャル著 古賀弥生訳 徳間書店

「山月記」中島敦著

2019年02月26日 | 



「人間は誰でも猛獣使いであり、その猛獣に当たるのが、各人の性情だという。

 己の場合、この尊大な羞恥心が猛獣だった。

 虎だったのだ。

 これが己を損い、妻子を苦しめ、友人を傷つけ、果ては、己の外形をかくのごとく、

 内心にふさわしいものに変えてしまったのだ。(中略)

 虎と成り果てた今、己はようやくそれに気がついた。」

 「山月記」中島敦著 角川文庫

宇宙はグリーンドラゴン ブライアン・スウィム著 〜3

2019年02月24日 | 



「なぜわれわれに死を知らしめたのか?

 それは生命の冒険を深めるためだ。

 一瞬一瞬のドラマを強調するためだ。

 宇宙はみずからを示したいと願っているのだ!

 宇宙は、存在が輝きいずる名伏しがたい神秘を表示しているのだ。

 だとすれば、ほかにどうやって宇宙は、それ自身の驚くべき価値を感じ取ることができたかね?

 個々の死を知っている人間空間をとおして以外、ほかにどうやってそれが可能だったかね?

 人間の自己反射的意識のなかで、存在という至上の価値がかすかに感じ取られるのであり、

 もしわれわれに死の意識がなかったら、われわれにはそれを感じることはできない。」

 田中三彦訳 TBSブリタニカ