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主に理工学系の専門書、大学受験参考書の紹介。
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備忘録です。

すぐわかる代数学

2022-01-21 11:58:04 | 日記
 
本屋で見つけ, このような本も出しているんだなぁと思い購入.
 石村園子さんの『すぐわかる代数』 
 石村園子さんは, もとは千葉工業大学で数学を教えておられ,工業系の数学の本を数多く執筆, 出版されている.
 今では,マセマ出版でも出ている大学生向けの参考書に当たる.
 まだ, 2000年代初期ではマセマ出版は高校生用の参考書のほうが多く, 大学生向けの参考書はほとんどなかったと記憶している.
 石村園子さんの書かれる本は大学数学初学者向けのものが多く, やわらかい文章で,穴埋め式の参考書兼問題集で使われた方も多いのではないのだろうか.
 内容は, 石村園子さんの本全般に言えることだが, 具体的な具体例(数学書などではいろいろな都合でよく「自明」で終わってしまうことがある.) 例題や演習を通して理解を深めていくというものである.  この流れは, 初学者にとってはとても助かる. 新しい抽象的な概念であっても具体例を交え「定義」「定理」を理解していける.
 なぜこの本を紹介したかというと, もともと工学部向けの参考書を多く執筆されている方ですが, 「線形代数」ではなく「代数」(工学部よりは理学部寄りの内容)の本を書かれているのかと驚いて購入した次第である(「線形代数」と「代数」は似て異なるもの)
 「代数学」の入門書はなかなかないのでお勧めの1冊に上げたい.


内容
第1章 集合と写像
§1.1 集合
§1.2 写像
§1.3 集合の濃度

第2章 同値関係と類別
§2.1 同値関係
§2.2 類別
§2.3 整数における剰余類

第3章 群
§3.1 2項演算
§3.2 群の定義
§3.3 対称群
§3.4 巡回群
§3.5 加法群
§3.6 部分群
§3.7 剰余類
§3.8 正規部分群
§3.9 準同型定理

この本では,群における準同型定理(基礎的な群論での1つの到達点,または出発点)までになる.
過不足なく書かれているかといわれるとそうではないが,群の大事な部分は抑えられていて,この抽象代数学の最初の1冊目としては非常におすすめできる.


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