フィンランドの映画なんだってね。もしかして初体験。女性監督がメガホンを取った事でも話題。
うう〜ん!さすが女性監督。きめ細やかな視点と映像もきれいです。
一見幸せそのものの四人家族。母は娘に夢を託し、体操の試合で優勝させる事を期待している。
母はSNSで動画を生配信。それは母が書いたシナリオで展開されるしあわせ芝居。
思春期の娘は母が喜ぶからと自らの気持ちに蓋をして、過酷な練習に耐える。練習場にも母は現れスマホのビデオカメラを回し続けている。
夫婦関係は冷めており、母は愛人を作り、娘に紹介する。そして、これは内緒だと秘密を持たす。ありえないモラハラ。
ある日、家の中にカラスが侵入。暴れまくり、ガラスやシャンデリアを壊しまくる。娘がバスタオルをかけて捕まえると、母はにこやかな笑顔でカラスの首を折る。そして、娘に捨てさせる。
その後、娘は森の中でカラスの卵を発見し何気に部屋へ持ち帰る。枕元に置いたぬいぐるみの腹の中で孵化させ、やがて卵は予想以上に大きくなり、ある日、孵化した卵は、娘の前でメキメキと割れ、グロテスクな鳥が現れる。
その化け物は日に日に娘に似て行く。そして、母の愛人の別荘にも現れ、悪事を働く。
娘に化した化け物は、娘の抑圧された自己。娘は化け物を拒みながらも自分に成り代わり意思を表現した姿に偽りの自分を意識する。
最後はかなり辛辣で、問題提起するような意味深な終わり方。
ホラー特有のグロい場面も多かったが、一卵性双生児のような母と娘の関係を通し、改めて家族の在り方を考えさせられた作品だった。