二つの震災【東日本、熊本】が背景にある。東日本大震災で人生を狂わされた青年と、ダメな男に翻弄され罪を犯した女の前に現れた迷い犬。
出会ってきた人々を癒した犬の目はいつも遠くを見つめ、東北から熊本までの旅をする。その先には更なる不幸が待っているが、犬の遺した愛は強く限りなく尊い。
スピリチュアルな要素も大きい作品で、ハチ公的な話ではない。
物語の肝となるこの犬【2つの名前を持っていて本名は多聞】が主人よりたまたま出会った幼児とソリが合って、震災で離れ離れになってからも忘れる事がなかった。犬と人でもソウルメイトってあるのかな。私も昔飼っていたワンコの事がずっと忘れられなくて、いつもそばにいるような感覚が消えないから、そういう意味で共感できる映画でした。