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合言葉はヒュッゲ

映画 「おかえり寅さん」

見終えた後に胸が熱くなる。それは良い映画の特徴だけど、この男はつらいよ第50作もその域に入る作品だと感じた。

1996年に渥美二郎さんが逝去し、寅さんは1995年の48作で実質終了。1997年にはマドンナの代表リリィとのエピソードを中心にした追悼作が公開されたが、私としてはこれには感情移入出来なかった。

そして、寅さん公開50周年を記念として、2019年に公開されたのが本作品。

満男と泉は結局一緒になっていなかったんだね。48作で、泉の結婚式をぶち壊しにしたほどの情熱家だった満男なのにね。

時が過ぎて満男は50歳、くるまやのおいちゃん、おばちゃんも逝去し、さくら夫婦が【自宅売ったのかな?】くるまやの跡取りとして家に入っています。高齢者となり、土間から座敷へ上がるのが辛いのでしょうね。手すりが設置したあるのを見て、なんとも苦笑しました。

お勝手場もちょっとしたシステムキッチンに変わり、座敷にもソファや高さのある座椅子が。
それでもこの家の作りはあまりに昭和初期過ぎて、高齢者にはきついですよね。
おいちゃん、おばちゃんも生前は大変だったと思います。
好きだったなあ、おいちゃんとおばちゃん。ほんとに人情と風情のあるステキなご夫婦でしたもん。

満男は靴屋のサラリーマンから小説家に転向したのですね。ちと飛躍し過ぎでは?満男って学生時代からチャラさと愚直さが混同して、特に取り柄や才覚もなかったけど。

飛躍さは、満男の奥さんが結婚わずか10年そこそこで病死し、高校生の娘と二人暮らしをしているシチュエーション。は?マジすか?って感じ。

満男のマドンナ泉は、別の男性と結婚し海外で生活。実父が老人ホームに入所した事で、母から呼び出され帰国。人気作家となった満男のサイン会に現れる。

そりゃあまた火がつきますよね。若い頃の純愛は永遠の輝き。寅さん似でお節介でお
人好しの満男は、泉のアッシーとなり老人ホームヘ同行。その場所で泉の母と合流し父との面会を果たすのですが、なんと父は寺尾聰から橋爪功に変身。寺尾聰オファー断ったか?母は夏木マリで未だ健在のわがままで魅力的なキャラにて登場していましたけどね。

満男はお人好しなので、泉の父にこっそりたかられ二万もぶん取られる。ひどいわね。認知症でお金の執着が強まったのかしら。寺尾聰バージョンの頃は、若い女のところへ転がり込むクズながら、誠実そうな父だったけど。

今回の作品は、さくら夫婦や満男の今と寅さんの過去作品みどころを過去と現在を上手く絡ませながら展開していて、とても面白かったです。

歴代マドンナも走馬灯のように登場。
売れ作からややスランプ気味だった満男が
最大のテーマに掲げていたアウトローの伯父、寅さんの人生を書き上げようと決意します。なるほど、満男にとって、寅さんは人生の師ですからね。

思い起こしながら満男の瞳が潤みます。
もちろん、私の瞳も潤みましたよ。

私的に好みの源ちゃんも出て来て、くじつきお菓子で当たりが出た時のようなワクワク感もいただきました。

寅さんって、ほんとに人の心の痛みを汲み取ることのできる、ある意味神様ですよね。
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