冬が来る 2020-11-01 09:32:25 | 今日子詩集 どんな年でも 誰にでも 同じように 暦は巡る 家を失い 家族を失い 仕事を失い そして 希望を失った人達 それでも 平等に 其々の 生活と心に 真っ白い 雪が降り積もる あの日のように あの夜のように・・・ それでも 凍えた掌 凍てついた胸のうち 暖める灯をともそう 最後のマッチ 一本になっても 冷たい北風にかき消されても 未来を信じて 明日を見つめ そして あなたと手を繋いで
秋雨 2020-11-01 09:16:55 | 自遊人マサル 春雨は 降る事に暖かくなり 秋雨は 降る事に寒くなる 夏の焼ける 陽射しを浴びた草木に 日焼けをいたわるように 降る雨 ある時は強く ある時は優しく降り 日を重ね 草木の葉を紅や黄色に 色鮮やかに 染め上げる 実も膨らみ 枝を下げ色づき 秋咲きの花に 香り高く色美しく 空気は澄み 空は何処までも青く 大きく息を吸い込み 深呼吸 秋雨煙る 早朝の遊歩道
父の色 2020-11-01 08:50:15 | 佐藤もも詩集 新幹線で 子供と田舎に行く車窓 走馬燈のように 浮かんでくるのは 幼い日に縁戚家族との 河原でのバーベキュー 従姉妹達と 会えたことが嬉しくて 初めての水着で 浅瀬ではしゃぎすぎていたら 水流に足をすくわれて 流されて溺れかけた 誰かが 溺れていると声をかけたのだろう その時父が 韋駄天の如く駆けつけてきた 水をたらふく飲んだ 川の中で抱きかけられ 恐怖で大泣きした 父の腕の中は 小舟のようだった そしてその夜 夜更かしして 遠い花火を みんなで見に行った 満天の星空の下で 大きく花開いていた 車窓から振り返る 幸せの意味を 時が過ぎた 今 私の心の中に 忍び込んで来るのが分かった
トルコ行進曲 2020-11-01 08:40:28 | のりひと詩集 ドキドキホームという ドライブインの開店祝いに 併設レストランで オカリナアンサンブルの演奏会 軽快な曲を精一杯吹いて 息が切れた わずか30分あまりの ショウだったけれど 曲が終わると ライトを浴びて 開店に駆けつけた買い物客が 大きな拍手でお出迎えしてくれた アンコールにはもちろん答えて上げた トルコ行進曲