社労士みょうみょうのちょこっとセミナー

社会保険労務士の仕事を通して思ったことや考えたことを書いています。また制度や法律について、自分なりの解釈でお伝えします。

措置から契約へ!華々しくデビューした介護保険ですが…

2015-07-12 06:07:10 | 介護保険制度
措置から契約へ!

保育士養成校時代、保育界もそれまでの措置入所から「市町村」との契約によって、希望する保育園に子どもを入れることができるようなりました。

教員が興奮気味に「措置から契約の時代になったんですよ」と言うのを聞き、いっしょになって興奮していましたが、意味するところはさっぱりわかっていませんでした。

子どもを産んで育てたことがないので保育所を利用する苦労など知らないのです。教員が話す苦労話を聞いても実感はいまひとつ。カリキュラムの中には保育行政があったのかなかったのか、それさえも忘れました。あったとしてもさら~っと流す程度だったのではないかと思います。(興味のないことは忘れるクセがあるのでなんですが)

介護においてもやはり「契約」という言葉が使われましたが、どちらかというと「介護の社会化」のほうが大々的に宣伝されていたように思います。

介護保険の場合、保育よりも「契約」がより重要となってきます。在宅サービスを受ける場合、例えば訪問介護とデイサービス(通所介護)、福祉用具販売、福祉用具のレンタル、住宅改修を使うとなると、まずケアマネと契約して、そのあとそれぞれのサービス事業所と契約するわけですから、6通もの契約書にサインサインハンコハンコです。書類だっていっぱい読まなきゃいけません。しかも契約締結者は本人です。できない場合が多いので、家族が代わりにやります。

あれ?契約行為って、家族が勝手にできるんだっけ?

介護保険の数々の契約は、本人の心身の状態にかかわらず、本人が関わっていることはきわめて少ないと思います。契約という法律行為でありながら、家族と事業所で勝手にやって、本人は何もわからないまま、少ない年金からカネだけ持っていかれるのです。

介護が「契約」を前面に出すとちょっとまずいのですね。

介護保険制度に合わせて、それまでの禁治産・準禁治産制度に代わる成年後見人制度というのが創設されたわけですが…

本来であれば、判断能力が低下したり、なくなってしまった本人の代わりに、この成年後見人が契約締結などをするわけですが…

私は介護の仕事をしている間、成年後見人がついている高齢者というのはほとんどいなかったです。

聞いたことはあるが、あんまり見たことのない成年後見人。

さて、どんな人たちが具体的にどのようなことをしているのでしょうか?

次回はこの「成年後見人」についてみてみたいと思います。