goo blog サービス終了のお知らせ 

こんな本ありました!

社労士みょうみょうが自分目線で好きな本を選んでみなさんにご紹介します。役に立ちそうな本があったら、ぜひ読んでみてください

パワハラの被害者にも加害者にもならないために

2015-06-05 16:16:08 | 日記
 パワハラに負けない!労働安全衛生法指南』
弁護士の笹山尚人さんが書いています。岩波ジュニア新書ですので、中高生向けで読みやすいです。

小説形式になっており、労働事件を専門に扱う佐々木弁護士事務所で働く若手弁護士の阿久津君が主人公となっています。

パワハラのいろんなケースがでてきて、労働者にも経営者にも役立つ内容です。阿久津君がパワハラの加害者となる場面もあります。

えっ?これもパワハラなの…って思います。

法律面から見たパワハラとは?

実際のパワハラをどう解決するか?

自分自身がパワハラの被害者や加害者にならないにはどうすればいいのか、ということがわかります。自分はベテランではないから、上司という立場じゃないからパワハラの加害者にはならない…というわけではないのです。

労働安全衛生法という聞きなれない法律についてもこの本で勉強できます。

アスベストなどの有害な物質に接する仕事や、建設業などの危険な作業に従事する人だけに関係する法律…ではないのですよ。

パワハラが労働安全衛生法のカテゴリーであるというのも意外なかんじです。

笹山弁護士はマクドナルドの名ばかり管理職裁判で、労働者側の弁護士でした。

『労働法はぼくらの味方!』という本も同じ岩波ジュニア新書から出ています。

こちらもヨロシク。

探そう、仕事の、歓びを

2014-12-02 14:22:46 | 日記
人材派遣会社テンプスタッフの創業者で現在ホールディングス取締役会長:篠原欣子さんの本です。2007年の出版です。

 探そう、仕事の、歓びを

アメリカ『フォーチューン』誌による「世界最強の女性経営者」に、2000年より12年連続で選出されているそうです。


今あることを夢中でやろう
何かに夢中になることもなく、漠然と日々を過ごしている人には、絶対にチャンスは訪れない

何の成果も上げていないのに出世したり、ろくに働きもしないでビジネスが大成功してお金が転がり込んだり、なんてことはあり得ない

最近はお手軽な成功を夢見ている人が増えている

きっと結果を求めすぎて、目の前にある仕事の重要性に気づかないのでしょう

チャンスをつかみたかったら、今あることを夢中でやること

そしたら、パチンとチャンスがくる


これからの企業経営は女性の感性を取り入れていかなければならない、などと言われるが現状はまだまだ

派遣という仕組みは、女性の働き方、生き方の選択肢を広げるというう意味でも、とても大切な分野
女性ばかりの職場には限界がある…という貴重な体験も書かれています

派遣という仕事の是非は賛否の分かれるところですが、派遣法ができる前から人材派遣の仕事をしていた人の考えも参考にしてみてください

天国へ行ったママがこの世で戦い抜いたはなしです

2014-10-06 16:02:53 | 日記
天国のママから届いた最後の贈り物

フランスでの実話を基にした本です。

11歳、9歳、5歳、2歳の子どもたちの母親であるマリーはがんになってしまいました。化学療法の治療を始めますが、結果はよくなく転移してしまい、余命2か月となります。

こんなとき頼りになるはずの夫は、育児には全くの無関心で、マリーの病気に対してさえ、化学療法のため吐き気に苦しむ妻を見て、「オレじゃなくてほんとによかったよ。神様に感謝だ」とか言うひどいゲスヤローなのです。仕事以外は自分の趣味(自転車ヤローです)に没頭していて、4人もの子供を作っておきながら、子どもはうるさいからとかいうしょうもない理由で実の子どもを疎んじています。

なんかマリーって、すっごく不幸な女なんじゃないかと思ってしまうかもしれませんが、夫が最低なヤローだという以外は、悪くない人間関係を周囲の人たちと築いていて、なかなかの幸せ者です。日本人妻とこの辺がちょっと違うかも。夫以外に話す相手もいなく、その夫からも疎まれている妻が多いのが日本人ではないかと思うので…そんなことない!!という人、すみません。

マリーには子供の世話を引き受けてくれる友人がちゃんといます。マリーにはすでに両親はいなく、最低の夫しかいませんが、友人には恵まれているんです。マリーは自分が亡くなった後の里親を自分で決めるために行政相手に戦います。いくらフランスでも、行政は甘くありません。自分で里親を選ぶなんて前例がない、認められないと当然却下されますが、最後にはサルコジ大統領(当時)からパーティーに招待されたりして、有名になり、自分が望んだ友人を里親にすることができました。子供たち4人は母親を亡くした悲しみばかりか、兄弟がばらばらになるという悲しみも味わうことなくすみました。そうです。4人いっしょに里子ってのは、行政がやったんじゃ絶対無理なんです。本人にしかできないことなのです。
ゲスヤローの夫は養育能力ゼロですから、さっさと離婚して養育者候補から外しています。

この本のレビューはいろいろあります。感動!とか、泣ける!とか。そのとおりなんですが、それよか、たとえ命が今尽きようとしていても、自分の意思を通すとか、子供のためにあきらめないといった、不屈の精神がこの本の神髄です。がんになって子供を置いて死ななければいけないからかわいそう、不幸なのではないのです。最後の最後まで、友人や子供たちに支えられながら戦い抜いたからマリーは幸せの絶頂で死んだのです。

グッドイヤーの看板を見る目が変わった『賃金差別を許さない~巨大企業に挑んだ私の闘い』

2014-07-11 15:32:01 | 日記

『賃金差別を許さない~巨大企業に挑んだ私の闘い』
原題:GRACE and GRIT(気品と気概)
~My Fight For Equal Pay and Fairness at GoodYear and Beyond~
著者 リリー・レッドベター


40代でマネジャーとして就職した会社(タイヤ会社のグッドイヤー)には
性差別が蔓延していた。筆舌に尽くしがたい労働環境、セクハラ、たびたびのレイオフ

60歳を迎えようとするある日、自分の報酬が男性社員よりも格段に少ないことが発覚
10年以上闘い続け、勝利を得る

この本で伝えたいのは次の言葉である


不正義を目にしたときに
何もせずに座視するのか
挫折を経験したときに
甘んじて受け入れるだけなのか
それとも失敗から学んで
次はよりよくがんばるのか
ノックアウトされたときに
倒れたままでいるのか
それともまた立ち上がるのか


副題にマイ・ファイトの文字があるが
今の日本でこれほど流行らない言葉はないだろう
有事を平時と勘違いし、危機を危機と捉えることができない
そんな人間には鬱陶しく暑苦しいだけの内容かもしれない
いまどき文章が上と下の2段もあるし







保険の仕事に関心がもてるかも

2014-05-09 05:34:38 | 日記
背が高いだけが取り柄のさえない男子中学生・花岡勇気が
保険代理店でのジョブトレーニングを通して成長する物語…
って書くと、小説もさえないかんじがしてしまう
のですが!面白かったです!!
中学生向けの小説です。高校生や20代の若者に
ちょうどいいんじゃないかと思いました。
私は40代のおばちゃんですが、夜中の1時過ぎに目が覚めて
1時間半ほどで読み終えました。
気に入った個所がいくつかありました。
(ひとつもない本だってあるんですよ)

ジョブトレーニングの一環として、保険代理店の人が
中学校にやってきます。グループごとにライフプランニングを
するのですが、女子と男子の温度差がすごいのです。
女子はみな目を輝かせて

夫:27歳の医者、勤務医で年収1200万、40前に開業予定
妻:23歳専業主婦、趣味はケーキ作り、妊娠3か月
現在家賃10万円のマンションだが、子供が二人になる前に、戸建て建設予定
車は外車が2台、飼い犬はシェットランド・シープドック
子どもは慶応の医学部に入学予定

ってなかんじでエスカレートしていくのです。
男子が、「もっと現実的になったほうがいい」と
遠慮がちにアドバイスしようものなら
「つまんない男と結婚して、一生貧乏暮らしなんて、サイアクの人生じゃん!」
と反撃されます。
医者になれないことがわかりきっている男子は
うなだれるばかりです。

このライフプラン、当然ながら保険屋さんから
「40代で赤字に転落です。設定し直してください」
と言われます。

日頃から何事にも自信のない花岡君は
この授業で女子の怖さを知り、どっと疲れます。

この後の実践ジョブトレーニングに花岡君は成り行きで
保険代理店を選ぶのですが、40代の保険屋今井さんを
通して、保険代理店の仕事がわかりやすく描かれています。

今井さんは、人間相手の「人間くさい」保険という仕事が
好きでたまりません。
『生命保険犯罪・歴史・事件・対策』という本を手に取り
本来、相互扶助の精神に基づいて、福祉に深く関わるはずの生命保険が
なぜ、ときに凶暴な事件の誘因になってしまうのか
といったようなことを、花岡君に説明してくれます。

古代ローマ時代から、扶養者が死んだ遺族を支える仕組みがすでにあったこと
16世紀のオランダでは、年金の不正受給(親が亡くなってもそれを隠している)
が社会問題となっていたこと
18世紀のイギリスでは、連続保険金殺人が頻発していたこと
19世紀には、イギリスの貧しい労働者が、埋葬金目当てに自分の幼い子供を
毒殺していたこと(得られるお金は二十日分の食費程度)

わずかな掛け金で、いざというときには大金を手にすることができるという
保険の性質上、人間の負の側面を刺激してしまうことが、どうしてもある…

今井さんは熱く語ります。

3日間という短い期間ですが、花岡君は今井さんに付いて、
お客さんの家に行ったり、事故現場の後片付けをしたり
けっこうハードなトレーニングを経験します。

保育士をしている姉の自動車事故もからんで、ちょっとハラハラドキドキ
もします。

保険の仕事がどういうものなのか、その一端がわかります。

『オレたちの明日に向かって Life is Beautiful!』font>