その県外の神社には大きな御神木があった。神社の杜の中に注連縄をはってその御神木を祀っていた。
ふとみるとその杜の側溝にある石段の下にカマキリが1匹いるのをみつけた。
御神木がある神社の杜があるところから石段の下におちたのだと思う。杜に還りたそうに前脚をあげてチャレンジしていたけど石段が高すぎてなかなかもどれない。
少しの間、何もせずみていたけどカマキリが自力で戻るのは難しくて私はそっとお手伝いをすることにした。
カマキリに手を差し伸べると最初は寄ってこなかったけれど少しして、大きく頭を斜めに向け綺麗な眼でじっと私をみて手に乗ってきてくれたので、そっと神社の杜に還してあげることができた。
実はこの1ヶ月何度もカマキリをみた。市内に住んでるからこんなことは未だかつてない。地元の氏神様でも母がカマキリをみたという。あまりに見かけるのでネットで調べるとカマキリは神の遣いとあった。謝りに行って良い人かどうか何回も面接があったのかなと後に母と話した。
県外の神社でカマキリを杜に還してあげた時、私の心にあった何かがストンと落ち、お山の神様に今の私の中にある最高の誠の心で謝ろうと誓った。実の所不安でいっぱいだったけれど、いよいよ明日だと思うと私の中で覚悟が決まった。