翌日車で朝日に向かって運転していた私は
「ああ、もうこの世界にあの人はいないんだな」
と思っていた
この朝日の眩しさを感じることもないんだな
そう強く思いながら、車を走らせていた
そこまで親しかったわけでもないおじいさんだったけれど
初めてそのような感情になったことを
よく覚えている
それから何人かの親族や知人を見送って
何度かそういう思いになったけれど
一番最初はこの時だったので
強い朝日の黄色く焼けた眩しさと海に架かる大きな橋の情景と共に
強烈に心に刻まれている
先日親戚のおじいちゃんが旅立った
顔を見に行くととても綺麗で
少し笑っているようにも見えて
今にも喋り出しそうだ
間近で顔を見ていると
涙が出てきた
朗らかなおじいちゃんだった
安らかに眠れ
いつか私も旅立つ彼の地で
少しばかり先に行って
待っていてね