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背中のいちょうが泣いている

2014年11月19日 | 瘋癲語録

         写真は Yahoo Japan からの転載です

 「とめてくれるなおっかさん/背中のいちょうが泣いている/男東大どこへ行く」というキャッチコピーは、瘋癲老人よりもやや遅れて大学生活を送ることになったいわゆる全共闘世代には、忘れることのできない言葉であろう。映画「昭和残侠伝・唐獅子牡丹」の主題歌にある「…親の意見を承知ですねて/何と詫びよかおふくろに/背中で泣いてる唐獅子牡丹」のもじりである。

 だが、どのような理由からか瘋癲老人は高倉健の番外地シリーズや任侠物は1本もみたことがないのだ。とはいっても、高倉健のやくざ映画がオールナイトで上映されていたことぐらいは知っており、高倉映画の人気の高さは社会現象にまでなった。

 そうはいいながら高倉健が出演した別のジャンルの映画はあんがい観ていて、数えると十本の指では間に合わないのに気付いた。順不同にあげると「遥かなる山の呼び声」「新幹線大爆破」「飢餓海峡」「動乱」「幸福の黄色いハンカチ」「夜叉」「野生の証明」「宮本武蔵巌流島の決闘」「居酒屋兆治」「駅」「四十七人の刺客」「鉄道員」「ブラックレイン」「あ・うん」「八甲田山」「ホタル」「あなたへ」…全17作品である。

 瘋癲老人は渥美清の寅さんシリーズDVD全48作をセットで持っているから、渥美清の作品は他のものも含め少なくとも60作ぐらいは観ており、高倉健はこれに次ぐことになる。

 銀幕という仮想世界の中ではあっても、高倉健の出た映画には血の通った凄絶なまでの人間くささを感じないわけにはいかない。これに比べると11月18日のテレビを視ていて思ったのだが、自己保身としか映らない透け透けの解散表明を、これでもかと必死になって演じてみせる安倍晋三首相からは、まるで人間味が伝わってこないのはなぜなのだろうか。

 その高倉健が逝った。83歳、悪性リンパ腫だったという。…安らかにお眠りください、合掌。

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