写真は Yahoo Japan からの転載です
第2次安倍改造内閣の金看板であった5人の女性閣僚のうち、わずか1カ月で二人の閣僚が辞任することになった。
小渕優子氏は「安倍内閣の一員として何一つ貢献できなかったことを心から申し訳なく、おわび申し上げたい」、松島みどり氏は「法に触れることをしたとは考えていないが、ともかく私の問題で国政を停滞させてはならないという思い」と辞任後の記者会見で語った。
賢明な読者ならご理解いただけると思うが、二人とも安倍晋三首相への気遣いは示しているものの、国務大臣またと政治家して国民の信託に応えることができなかったという認識はなく、国民への陳謝の言葉は最後まで聞けなかった。要するに二人とも、責任を感じるのは安倍晋三首相に対してであって、主権者である国民一般に対してではないということだ。
将来の宰相候補と期待された小渕氏と才女の誉れ高かった松島氏。小渕氏はTBS、松島氏は朝日新聞といずれもマスコミ出身で、メディアには人一倍敏感であったはずなのに、今回の辞任劇は上手の手から水が漏れたとでもいうべきか。
国会議員の過半数が当選回数2回以下というなかで、ふたりとも当選回数こそ4回以上を数えるものの政治家としてはまだまだ中堅クラスで、とてもじゃないが大臣を拝命するほどのキャリアもないし実績も残していない。それなのに第2次安倍改造内閣で閣僚に抜擢された理由は、安倍晋三首相が女性の活用や女性の社会進出といった耳あたりのよい言葉を用い、大衆受けとくに女性からの支持を意図したからで、いわば「当て馬」の役割を担わされたからにほかならない。
今回、第2次安倍内閣認証後の官邸での記念撮影では、安倍首相を中央に向かって右には高市早苗総務大臣、左に小渕優子経産大臣、第二列目の高市氏の後ろには山谷えり子国家公安委員長、小渕氏の後ろには有村治子女性活躍担当大臣、三列目安倍首相の真後ろに松島みどり法務大臣が、安倍首相をぐるり取り囲むように位置しガードしている。首相経験者で、しかも内閣法第九条でいう第一順位指定大臣(副総理)の麻生太郎氏を端に押しのけての配置である。
これは偶然ではなく、安倍晋三という目立ちたがり屋が意識して自らに侍らせるようなこのような位置取りを命じたからだ。これからも分かるように、5人の女性閣僚はその能力や適性のゆえに任じられたのではなく、あくまでも安倍晋三というshow-offの添え物にすぎないのは明らかだ、
したがって安倍首相は、今回の問題でふたりが自身の延命の障害になるとみるや、情け容赦なくバッサリと切り捨てることになる。不祥事をおこして首相に申し訳ない、などと謝罪する小渕・松島両氏こそいい面の皮というべきか。
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