大統領選挙が、今年の11月29日に行われる。5月に、バグボ大統領がそう発表した。そして、6月末には身分登録作業が締め切られ、650万人が登録を終えた。ところが、それ以来、なんだかさっぱり音沙汰がない。動いているのかいないのか、7月に入って夏休みの季節になったとはいえ、いったいどうなったのだろう、と各国外交官たちは皆やきもきしている。昨年は11月末に予定しながら、やっぱり出来ませんでした、と延期してしまった「前科」があるから、今年もどうなるのか、大いに心配がある。
大統領選挙が、いつどうやって行われる予定なのか。そういう話は、普通の国だと純粋に内政問題なのだが、ことコートジボワールについては、国際問題になっている。舞台は、ニューヨークの国連安全保障理事会、コートジボワールの動静は、ここで定期的に取り上げられ、議論される。大統領選挙は、コートジボワールでの武力衝突の最終的な解決を意味するのであり、また「国連コートジボワール活動」(UNOCI)という国連平和維持活動が派遣されているからである。
7月23日に、その会合が予定されているということもあって、UNOCIのチョイ代表の周囲は騒がしかった。チョイ代表は、16日にアビジャンで記者会見を行い、大いに心配だ、と述べた。6月末に身分登録作業が終了し、650万人を越える人々が登録を終えたのは、大きな進展であった。ところが、これから11月29日の投票予定日まで、作業が順調に進むのかは全く覚束ない。いろいろやらなければいけない段階が多いのに、それをどういう日程でこなしていくのか、「工程表」が必要だ。
とくに、集まってきた身分登録の膨大なデータを、これからコンピューターで処理しなければならない。重複登録や死亡者などを排除して、選挙権のある人を確定する作業がある。ところがそのコンピューターが、ソフトの問題もあってまともに動いていない。ほんとうに所与の作業が進んでいくのか、日にちが迫りつつあるのに「工程表」が出てこないことは、大いに懸念される、とチョイ代表は、その記者会見で述べた。
ニューヨークに飛んで、安全保障理事会に臨んだチョイ代表は、23日の会合で、この懸念を繰り返して表明した。昨年も、6週間で終える予定だった身分登録作業が、結局その期間ではとても終わらず、今年の6月末まで、9カ月以上を要した。このように、各作業に技術的な問題があり得るので、11月29日に選挙が出来るのか心配だ、ともかく今になっても「工程表」が出てこないのが問題だ、そのように安保理の理事国を前にして述べた。
引き続いてコートジボワールの側から、ジェジェ国連代表が発言を行い、その後なんとその「工程表」が出てきたのである。
8月29日 「暫定選挙人名簿」の公示、翌日より異議申し立ての受付
10月8日 意義申し立ての裁定終了
10月16日 立候補締め切り、翌日より立候補資格審査開始
10月22日 「確定版の選挙人名簿」の公示
10月28日 立候補者の公示
10月30日 選挙人証の配布
11月13日 選挙活動開始
11月29日 投票日
12月19日 選挙活動開始(決選投票)
12月27日 投票日(決選)
となっている。
なんだ、「工程表」はちゃんと出来ているじゃないか。手元にあったのなら、なぜ安全保障理事会が開催される前に発表しておかなかったのか。皆から「いったいどうなっているのだ」と急かされてからでなく、その前に日にちを決めて堂々と発表していれば、格好がいいのに、これだと、まるで国際社会の圧力に屈して、渋々出してきたようだ。商売でも、督促状が来てから支払いをする人は、資金繰りが悪いのではと疑われてしまうものである。コートジボワールの話とはいえ、どうにも見た目で損をしているようで、いかにも残念である。
ともかくも、「工程表」つまり大統領選挙に向けての日程が公表された。そして、この日程が出てきたことを踏まえて、7月29日に新しい安全保障理事会決議(決議1880)が採択された。新しい決議により、UNOCIの任期は、2010年1月末まで延長されることになった。
今後は、この日程通りに作業が進んでいくことを期待しよう。まずは、今月(8月)末の「暫定選挙人名簿」の公表がすんなりと行われるかどうか。そのあたりで、チョイ代表が心配している「技術的問題」が、ほんとうにあるのか、あるいは杞憂なのかどうかが、明らかになる。ちょうど夏のバカンスの期間が終わって9月にはいるころに、大統領選挙に向けて、次の動きがあるということである。
大統領選挙が、いつどうやって行われる予定なのか。そういう話は、普通の国だと純粋に内政問題なのだが、ことコートジボワールについては、国際問題になっている。舞台は、ニューヨークの国連安全保障理事会、コートジボワールの動静は、ここで定期的に取り上げられ、議論される。大統領選挙は、コートジボワールでの武力衝突の最終的な解決を意味するのであり、また「国連コートジボワール活動」(UNOCI)という国連平和維持活動が派遣されているからである。
7月23日に、その会合が予定されているということもあって、UNOCIのチョイ代表の周囲は騒がしかった。チョイ代表は、16日にアビジャンで記者会見を行い、大いに心配だ、と述べた。6月末に身分登録作業が終了し、650万人を越える人々が登録を終えたのは、大きな進展であった。ところが、これから11月29日の投票予定日まで、作業が順調に進むのかは全く覚束ない。いろいろやらなければいけない段階が多いのに、それをどういう日程でこなしていくのか、「工程表」が必要だ。
とくに、集まってきた身分登録の膨大なデータを、これからコンピューターで処理しなければならない。重複登録や死亡者などを排除して、選挙権のある人を確定する作業がある。ところがそのコンピューターが、ソフトの問題もあってまともに動いていない。ほんとうに所与の作業が進んでいくのか、日にちが迫りつつあるのに「工程表」が出てこないことは、大いに懸念される、とチョイ代表は、その記者会見で述べた。
ニューヨークに飛んで、安全保障理事会に臨んだチョイ代表は、23日の会合で、この懸念を繰り返して表明した。昨年も、6週間で終える予定だった身分登録作業が、結局その期間ではとても終わらず、今年の6月末まで、9カ月以上を要した。このように、各作業に技術的な問題があり得るので、11月29日に選挙が出来るのか心配だ、ともかく今になっても「工程表」が出てこないのが問題だ、そのように安保理の理事国を前にして述べた。
引き続いてコートジボワールの側から、ジェジェ国連代表が発言を行い、その後なんとその「工程表」が出てきたのである。
8月29日 「暫定選挙人名簿」の公示、翌日より異議申し立ての受付
10月8日 意義申し立ての裁定終了
10月16日 立候補締め切り、翌日より立候補資格審査開始
10月22日 「確定版の選挙人名簿」の公示
10月28日 立候補者の公示
10月30日 選挙人証の配布
11月13日 選挙活動開始
11月29日 投票日
12月19日 選挙活動開始(決選投票)
12月27日 投票日(決選)
となっている。
なんだ、「工程表」はちゃんと出来ているじゃないか。手元にあったのなら、なぜ安全保障理事会が開催される前に発表しておかなかったのか。皆から「いったいどうなっているのだ」と急かされてからでなく、その前に日にちを決めて堂々と発表していれば、格好がいいのに、これだと、まるで国際社会の圧力に屈して、渋々出してきたようだ。商売でも、督促状が来てから支払いをする人は、資金繰りが悪いのではと疑われてしまうものである。コートジボワールの話とはいえ、どうにも見た目で損をしているようで、いかにも残念である。
ともかくも、「工程表」つまり大統領選挙に向けての日程が公表された。そして、この日程が出てきたことを踏まえて、7月29日に新しい安全保障理事会決議(決議1880)が採択された。新しい決議により、UNOCIの任期は、2010年1月末まで延長されることになった。
今後は、この日程通りに作業が進んでいくことを期待しよう。まずは、今月(8月)末の「暫定選挙人名簿」の公表がすんなりと行われるかどうか。そのあたりで、チョイ代表が心配している「技術的問題」が、ほんとうにあるのか、あるいは杞憂なのかどうかが、明らかになる。ちょうど夏のバカンスの期間が終わって9月にはいるころに、大統領選挙に向けて、次の動きがあるということである。