遠藤秀紀著 リトルモア刊
著者は東京大学総合研究博物館教授。専門は遺体解剖学。難しいことは何も書いていない。多少専門的な部分もあるが、素人にもわかり易い説明が付されているから大丈夫。その部分は、それなりに初めて聞く話なので面白く、私としてはもう少し書き込んで欲しかったとさえ思っている。
むしろ、本文はユーモアに満ちており、話も専門分野だけでなく、著者が鉄道マニアであり、第二次世界大戦中の日本の戦闘機マニアであり、映画・アニメのマニアであることもあって、話の展開は目まぐるしくとても楽しい。
ただ、この饒舌な文章に託された著者の真意を読み取るのが、読者の務めであろう。
大学はどうあるべきなのか、博物館は本来どういう存在であればいいのか(最近読んだ大英博物館の話を思い出してしまった)、教師とは本来どういう態度で学生に接するべきなのか、学生は大学にどんな目的で入学したのか。腰巻のコピー「拝金の大学も洟垂れの学生も、知の鉄槌を食らうがよい!」こそ、著者の本音に違いない。
今の大学が法人になった悪影響が、諧謔を交えてつぶさに紹介され、読んでいて腹が立つ。かつての大学の良さを沁々と有り難く思えた次第。
著者の饒舌は照れ隠しなのだ。というか、こういう書き方しか真意を表す手段がなかったのだろう。著者は最近の大学の先生に比べて、恐らく真面目で誠実な先生なのだろう。研究室に所属する大学院生は幸せだと思う。どうか、自棄を起こさず踏み止まってほしいと心から思う。
著者は東京大学総合研究博物館教授。専門は遺体解剖学。難しいことは何も書いていない。多少専門的な部分もあるが、素人にもわかり易い説明が付されているから大丈夫。その部分は、それなりに初めて聞く話なので面白く、私としてはもう少し書き込んで欲しかったとさえ思っている。
むしろ、本文はユーモアに満ちており、話も専門分野だけでなく、著者が鉄道マニアであり、第二次世界大戦中の日本の戦闘機マニアであり、映画・アニメのマニアであることもあって、話の展開は目まぐるしくとても楽しい。
ただ、この饒舌な文章に託された著者の真意を読み取るのが、読者の務めであろう。
大学はどうあるべきなのか、博物館は本来どういう存在であればいいのか(最近読んだ大英博物館の話を思い出してしまった)、教師とは本来どういう態度で学生に接するべきなのか、学生は大学にどんな目的で入学したのか。腰巻のコピー「拝金の大学も洟垂れの学生も、知の鉄槌を食らうがよい!」こそ、著者の本音に違いない。
今の大学が法人になった悪影響が、諧謔を交えてつぶさに紹介され、読んでいて腹が立つ。かつての大学の良さを沁々と有り難く思えた次第。
著者の饒舌は照れ隠しなのだ。というか、こういう書き方しか真意を表す手段がなかったのだろう。著者は最近の大学の先生に比べて、恐らく真面目で誠実な先生なのだろう。研究室に所属する大学院生は幸せだと思う。どうか、自棄を起こさず踏み止まってほしいと心から思う。
http://www.littlemore.co.jp/news/books-magazines/20110723287.html
http://photozou.jp/photo/show/836115/91095107
http://twitpic.com/5xzss3
独り合点で筆が走った所もあると思いますが、ご容赦を。
仰るとおり、今大学で起こっている様々な矛盾は、そのまま今の日本の社会の縮図でしかないというご指摘は、私も同意できます。
論理的に言えば「何故、こういう情況が出現してしまったのか」を最初に検討するべきなのでしょうが、(私は、おそらく戦後の教育制度に起因しているのではないかと思っていますが)これを追求するのは余りにも迂遠です。
現実に我々が出来るのは「何処まで抵抗出来るか」「取り合えず出来ることから始める」を模索することくらいですが、これも孤軍奮闘を強いられそうですね。
どうしましょうか。今は、先生に「頑張って」とエールを送るよりほかないのですが。