5月13日の「情報とコミュニケーションの法整備を求める全国集会」
~東日本大震災からの復興、聴覚障害者がより暮らしやすい社会の再生~
のアピール文案が中央本部で確定しました。
一人も多くの参加者を募ります。
(高岡)
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We Love コミュニケーション
情報とコミュニケーションの法整備を求める全国集会アピール(要望書)案
日本における聴覚障害者、盲ろう者の状況は、障害の程度や種類を問わず、社会参加や日常生活の場面における情報アクセスとコミュニケーションの保障、その他の必要な支援が極めて不十分なため、社会参加が制限され、日常生活をおくる上でも様々な困難を強いられています。
3月11日に勃発した東日本大震災においても、聴覚障害のため、津波警報が分からない、福島第一原発に関する情報が分からない、災害関係のニュースや報道番組への字幕付与は極めて不十分であり、手話は付いていません。復旧・復興への取り組みにおいても、聴覚障害者に対する情報、コミュニケーションの保障がないままでは、孤立してしまい、取り残される懸念が大きいのです。
このような状況の中、私たちは、情報・コミュニケーションの保障を求める運動を広げ、多くの障害者の共感を頂き、情報・コミュニケーションの法整備の重要性について理解を広げてきました。国民的な運動としての全国120万部署名とパンフレット30万部普及運動は、着実に前進し、東日本大震災大震災においては、官邸記者会見への手話通訳配置、字幕放送の拡大、厚生労働省の手話通訳者・要約筆記者等の公的派遣要請文書通知などにつながっています。
そして、2011年4月22日に「障害者基本法改正法案」が閣議決定され国会に送られました。この改正法案は、障害者権利条約、及び第一次意見書、第二次意見書の内容を十分に反映している内容ではありません。「可能な限り」という文言が入っていること、差別や合理的配慮の定義が明記されていないことなど、多くの問題が残されていますが、一方で、第3条に「言語(手話を含む)」の文言が入り、司法手続きにおける配慮、勧告や応答義務を盛り込んだ推進体制の規定など、一定の前進もあります。国会で論議を尽くされ、私たちにとって有益な障害者基本法改正法案として成立すること、そして今後の障害者自立支援法に代わる新法の制定、差別禁止法の制定へと確実に繋げていくことが重要です。
今こそ、情報・コミュニケーション保障と支援制度の確立に向けたロードマップが検討されなければなりません。聴覚障害者が社会生活のあらゆる場面で、音声の他に手話・文字・触覚的手段により情報が保障され、さらに、直接、手話や筆談、触覚的コミュニケーションで日常会話ができる地域社会になることが当たり前になる社会づくりが必要です。
私たちは、昨年の夏から取り組んできた「ウイ・ラブ・コミュニケーション」運動の浸透、積み重ねを中断することなく、東日本大震災の救援活動、そして障がい者制度改革推進会議とともに、情報・コミュニケーションの法整備を実現させ、わが国の社会保障全体をより良いものにしていく決意です。
We Love コミュニケーション!「情報とコミュニケーションの法整備を求める全国集会」参加者一同は、今日この全国集会に参加できなかった全国の多くの仲間と連帯し、以下のことをアピールします。
記
1.障害者基本法改正法案をぜひ今国会で成立させて下さい。
また、下記の点の修正について 十分に論議をお願いします。
①障害者の権利保障を明記して下さい。
障害者基本法の改正は、障害者が福祉施策の客体ではなく、権利の主体であること、かつ社会モデルの視点を明確にし、障害の種類と程度を問わず障害者の権利を保障するための施策を実施する規定として下さい。
②差別の定義及び合理的配慮の欠如が差別であることを第2条の定義に明記して下さい。
障害者権利条約の規定に基づいて、差別の定義及び合理的配慮の定義を行い、合理的配慮を行わないことが差別であることを明記して下さい。
③情報アクセス・コミュニケーション保障を明記して下さい。
「改正法案」にある「可能な限り」という文言は、「障害のない人と同等に」に変えて下さい。
2.手話を「言語」として定義することをはじめ、障害者基本法や障害者差別禁止法において「言語」、「コミュニケーション」、「情報」についての定義、権利規定を明記し、社会のあらゆる場面で聴覚障害者の情報アクセスとコミュニケーションを権利として保障する法整備をおこなってください。
3.法整備にあたっては、障害者の情報・コミュニケーション施策の基本となる「情報・コミュニケーション法(仮称)」を創設してください。
4.障害者自立支援法に代わる新しい「総合福祉法(仮称)」の制定において、障害の程度によらず、すべての聴覚障害者が必要とする福祉サービス、相談支援、障害当事者活動支援事業をコミュニケーションのバリアなく受けられる環境を整備してください。
手話、要約筆記、盲ろう者向け通訳・介助などのコミュニケーション保障は、権利であることを明確にし、利用者負担のない制度として下さい。
2011年5月13日
障害者制度改革推進中央本部
情報とコミュニケーションの法整備を求める全国集会 参加者一同
聴覚障害者制度改革推進中央本部構成団体
財団法人全日本ろうあ連盟
社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
社会福祉法人全国盲ろう者協会
一般社団法人全国手話通訳問題研究会
一般社団法人日本手話通訳士協会
特定非営利活動法人全国要約筆記問題研究会
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