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トランプ「新大統領令」の真の狙いは何なのか

2017年03月20日 08時02分21秒 | 保管記事

 

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トランプ「新大統領令」の真の狙いは何なのか

 秘められた高度な法律テクニック

     20170320日  湯浅 卓 :米国弁護士

2017 03 20 トランプ「新大統領令」の真の狙いは何なのか【岩淸水・保管記事】

 3月15日、ドナルド・トランプ米大統領による新たな入国禁止令に対して、ハワイのホノルル連邦地裁が発効の一時差し止めを命じる仮処分を出した。その決定は全米で適用される。トランプ大統領が新大統領令に署名したのは3月6日だった。

 発効までに10日間の猶予をもたせ、16日発効の予定だったが、その前日の15日に執行差し止めとなった。この決定に対して、トランプ大統領は同日の南部テネシー州ナッシュビルでの演説で「前例のない司法の行き過ぎだ。米国を弱くみせる」と反発、必要なら最高裁まで争うという徹底抗戦の強い姿勢をみせている。

 2度も差し止め命令を食らう

 今回の新大統領令は、1月27日に署名、同日に発効させて混乱を招いた旧大統領令を一部修正したものだ。中東・アフリカ7カ国のうちイラクを対象国から除外して6カ国とし、米国の永住権(グリーンカード)や入国査証(ビザ)を持つ人は入国できると明記した。6カ国からの入国は90日間禁止され、難民の受け入れは120日間停止するというもの。

 旧大統領令に対しては、ワシントン州のボブ・ファーガソン司法長官が直ちに無効にするよう提訴し、2月3日、シアトル連邦地裁が執行停止の仮処分を出した。その決定は全米で有効となり、サンフランシスコ連邦控訴裁もその決定を支持した。トランプ大統領は激怒し、最高裁に上告すると息巻いたが、結局、上告せず、一部修正した新大統領令を差し替える形で、新たに出すことにした。ところが、その新大統領令に対して、今度はホノルル連邦地裁が、またしても全米における執行停止を命じる仮処分を決定した。

 こうした二度の差し止め命令を受けたことは、トランプ大統領にとって「痛烈な一撃」(ニューヨークタイムズ紙)であり、トランプ政権にとって大きな打撃となるという見方がリベラル派のメディアには多い。つまり、内容を少し変えたからといって、同じような中味の大統領令を連発するというのは、何とガサツで、手際の悪いことか、まるで法律テクニックのない、ほとんど無策に等しい内容と批判されても仕方ない。そんな大統領令をなぜ出したのか。

 

 1月20日に大統領に就任し、その1週間後に署名した大統領令に差し止め命令が下ったとき、トランプ大統領は激怒し、執行停止の仮処分を出したシアトル連邦地裁の判事のことを“いわゆる裁判官”と軽蔑的な発言をして揶揄した。口の悪いのはトランプ氏の本性のようなものだが、行政トップの大統領が裁判官を見下すような発言は、三権分立の精神に反しているから好ましくない。憲法違反の圧力行為とのそしりさえ免れない。最高裁に上告して勝負するどころの話ではない。

 折しも最高裁判事は定員9人のところ1人空席で8人。リベラル派、保守派が4人ずつの拮抗状態となっている。トランプ大統領令の法的正当性が最高裁で認められるためには、空席を1人埋めて9人定員制に戻し、そのうち判事5人以上の票を確保する必要がある。1月31日、トランプ大統領は空席となっている判事に保守派のニール・ゴーサッチ氏を指名した。同氏は49歳と若く、保守派でありながら、リベラルなメディアにも一定の評価がある。

 最高裁判事に就任するには議会上院の承認を必要とする。民主党は保守的に過ぎるとみられる候補については承認を拒否する構えだ。いずれにしても難航しそうだ。そんな難航が予想される指名承認を控えてとんでもない事態が起こった。トランプ大統領の“いわゆる裁判官”発言について民主党の上院議員との会談において問われたゴーサッチ氏は、「がっかりした」とか「やる気を失わせる」と言ってトランプ氏を批判するような発言をし、メディアで全米に大きく報じられた。

 それは、指名候補者でありながら、恩のある大統領に対して政治的に牙をむくようなことだ。指名されてまだ承認を得ていない段階で、恩を仇で返すような、マスコミをも当然意識した批判をするというのは、アメリカの歴史を振り返っても、よほどのことでない限りあり得ない、極めて珍しいことだ。いったい、なぜそんなおかしなことになったのか。

 

秘められた高度な法律テクニック

 この事態は、トランプ大統領の“いわゆる裁判官”という侮辱的な発言によって、トランプ大統領の法的立場が不利になっていることを示している。大統領令に対して憲法違反の判断はまだ下っていないが、その一方でシアトル連邦地裁の差し止め命令の仮処分が正しいのかどうか。

 シアトル連邦地裁では、実は旧入国禁止令に関する違憲審査の本裁判の開始が秒読み段階に入っていた。原告のファーガソン・ワシントン州司法長官が被告の大統領と司法省に対して、司法の独立、三権分立の保障を盾にして違憲裁判に訴える。裁判官を侮辱したこと、ないし司法妨害の嫌疑で大統領に対して召喚状での出頭を要請する、という驚愕すべき筋書きがあったのだ。

 ファーガソン長官は今回の大統領令に対して原告としてトランプ大統領と司法省を訴え、大統領を法廷に喚問するかどうかを問われて「わからない」と答えている。否定はしていない。もし、そんなことになったらトランプ大統領のメンツはまるつぶれだ。

 

 そこで、すべてをやり直す狙いで考え出されたのが新大統領令だったのではないか。それには極めて高度な法律テクニックが秘められている。

 第一に、最初から差し止め命令が下るのを承知したうえでやった。旧大統領令と骨組みが似ているのは、そのほうが作りやすいからだ。攻撃する側もやりやすい。現に、ホノルル連邦地裁は執行停止命令を下した。トランプ政権側としては、それを待っていたようなものだ。

 第二に、新大統領令では“いわゆる裁判官”など悪口はいっさい言わなかった。旧大統領令のままだと、裁判官蔑視、司法妨害などを理由に、トランプ大統領が連邦地裁に召喚されたり、尋問されたり、呼び出されたりする可能性も皆無ではない。ところが、新大統領令を発令し、悪口を封じたことを既成事実化することによって、その可能性をゼロにしたのだ。

 第三に、ゴーサッチ氏が最高裁判事に承認されれば、今後も増えかねない連邦地裁や控訴裁による新大統領令の執行停止命令をひっくり返すことができる。三権分立という憲法に違反することなく、大統領府の行政権をフルに発揮することができるようになる。実は、この行政権の拡大、肥大化をトランプ大統領は狙っているとみていい。

 

 絶妙な法律テクニックを指導したのは誰か

 その意味で、今回の新大統領令はトランプ大統領の最大の危機を救い、なおかつ行政権の肥大化に一歩踏み出したことになる。この絶妙な法律テクニックをトランプ大統領にアドバイスしたのは誰か。スティーブン・バノン戦略官・上級官か、それとも姉のマリアン・トランプ・バリーか。おそらく控訴裁(高裁)判事のマリアンではないか。

 トランプ政権はバノン氏が主導する「行政国家の解体」を推進している。もともと共和党保守派が推進しているディレギュレーション(規制緩和)政策と気脈を通じる。トランプ大統領もバノン氏の政治思想を支持している。むしろそれを利用していると言っていい。トランプ大統領はオバマケア撤廃など行政のスリム化を図る一方で行政権の肥大化をめざしている。大統領令の連発はその表れでもある。

 アメリカは徹底した「法律国家」であることを忘れてはいけない。旧大統領令によって混乱が生じたことで、メディアはトランプ政権による政策運営のお粗末さをしきりに批判している。にもかかわらず、ニューヨーク株式市場は最高値を更新するなど活況を呈している。アメリカの法律を熟知しているウォール街は、このトランプ大統領の高度な法律テクニックにもしっかり目を光らせている。そうでなければ、ウォール街の連日の高値更新などあり得ない。
http://toyokeizai.net/articles/-/163789

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