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「私たちにほかに道はない」 消費税率8%に引き上げ発表

2013年10月01日 21時17分00秒 | 保管記事


 

  記事の紹介です。

 
「私たちにほかに道はない」 消費税率 8% に引き上げ発表

 2013.10.1 21:17  


記者会見で来年4月から消費税率を8%へ
引き上げることを表明する安倍首相=1日夕、首相官邸

 安倍晋三首相が就任以来最大の「断」を下した。「経済再生と財政健全化は両立し得る。これが熟慮した上での私の結論だ。同時に達成するほかに私たちに道はない」。首相は1日夕の記者会見で、平成26年4月から消費税率を8%に引き上げることを表明し、その理由をこう説明した。

  同時に「増税しながら他方で経済対策をするのには、批判もあるかもしれない」「最後の最後まで考え抜いた」とも述べ、“苦渋の決断”であることもにじませた。

  確かに難しい判断だった。アベノミクス第1の矢である大胆な金融緩和の知恵袋の本田悦朗、浜田宏一両内閣官房参与らはもともと増税慎重・反対派。今回も、電子メールなどで増税の先送りを首相に強く進言していた。首相自身も、もともとは財政再建より経済成長を重視する「上げ潮派」に近く、消費税増税には慎重だった。

  その首相が、増税へと傾き始めたのは7月30日のことだった。

  参院選で勝利して衆参のねじれ解消を実現した後、首相は、アベノミクスを動かす麻生太郎財務相と甘利明経済再生担当相を官邸に呼び寄せた。

  「消費税を上げれば景気が落ち込んでしまう…」

  首相が懸念を伝えると、麻生氏はこう切り返した。

  「増税による消費の落ち込みは、補正予算でカバーできます」

  麻生氏は、増税による消費の落ち込み予測を説明するペーパーを持参し、消費の落ち込みを補う補正予算の規模も説明した。甘利氏も「経済対策によって景気の落ち込みは回避できる」と増税への理解を求めた。 首相は一定の理解は示したものの、すぐに増税を持ち出す財務省サイドへの警戒心は崩さなかった。この場で3者は8月の中期財政計画に増税を盛り込まないことや、増税の是非を聴く有識者へのヒアリング実施、水面下で経済対策の準備-など最終判断までの段取りを確認した

 

それでもなお、首相は慎重だった。首相を支える菅義偉官房長官は、財務省が「9月中に増税を表明する」との日程案を持ち込むと一蹴した。

  「財務省主導の増税には絶対させない」

  菅氏は周囲にこう漏らしたが、これは首相自身の強い思いでもあった。菅氏のあまりのけんまくに以後、財務省幹部は首相官邸に消費税増税に関する日程を提案できなかったほどだ。

  ただ、政府内には別の見方もあった。高官の1人は首相にこう耳打ちした。  「世の中で『上げない』という期待が高まると、実際に上げる判断をした場合に市場が混乱します」

   × × ×

  「15年間も凍り付いていたデフレマインドを払拭するのは、そう簡単なことではない」

  安倍晋三首相は1日の記者会見で、デフレ脱却の難しさを改めて指摘した。そう考えるだけに、消費税増税法で定められているとはいえ、今回の増税は安易には決められなかった。

  「デフレ脱却の鬼」-。

  菅義偉官房長官が首相をこう評したことがある。首相自身も7月4日、産経新聞のインタビューで、「今はデフレ脱却の最初で最後のチャンスであり、絶対に失敗したくない」と訴えている。

  首相は、昨年12月の就任時の記者会見で「強い経済力は国力の源」と強調していた。経済を強くすることこそが日本の国際的地位、影響力を高め、外交・安全保障上の安定につながるという信念がある。

  デフレ脱却と消費税増税という「二兎」を追うことは可能なのか。首相は最後の最後まで悩んだ。

  首相はこれまで、増税の是非を問う報道陣からの質問には口をつぐんでヒントは与えず、あらゆる経済指標を見極めて判断する考えを重ねて強調してきた。

  その首相が動いたのが9月10日。閣僚懇談会で麻生太郎財務相と甘利明経済再生担当相に対し、増税を想定した経済対策を同月中にまとめるよう指示した。

  「まだ消費税を上げるかどうかは決めていないが、もし上げる場合は相当の対策をとる」

  首相はこの頃、周囲にこう決意を示していた。麻生、甘利両氏には「増税後も順調な成長軌道を維持できる対策を」という注文も付けた。景気の腰折れを防ぐだけの対策では、デフレ脱却の実現には不足だと考えたからだ。

  あらかじめ首相の意向を汲んでいた甘利氏は、8月中から財務省との勝負に出ていた。内々に財務省幹部を自室に呼び、繰り返し企業の設備投資や賃上げを促す優遇税制の拡充を強く要求し続けた。

  政府が今年6月に発表した成長戦略は企業の投資減税を打ち出したものの、首相側が3千億円規模と見積もっていた予算規模が、財務省の査定で数百億円に減額された苦い経験があったからだ。

  「首相はデフレ脱却の後退を心配している。経済対策を渋って増税が先送りになったら、(増税したい)お前たちはどうするんだ」

  甘利氏はこんなロジックを駆使して財務省幹部を説得し、1兆円を超える減税措置をまとめた。財務省サイドの主張を代弁する立場の麻生氏も、新たな経済対策として5兆円を計上し、首相の意向を尊重した。

  消費税増税や経済対策で微妙に温度差のあった3氏だが、最後には結束力を見せた。この結果を踏まえ、首相は「断」を下した。

  ただ、首相がデフレ脱却のキーワードとした「法人税減税」実現のための復興特別法人税の1年前倒しての廃止に関しては、与党との調整不足を露呈した。

  官邸側は自民党の反発を予想できていなかった。そのため菅氏が、高村正彦副総裁に「『政高党低』で進め、党を説得できずに国民を説得できるのか」と苦言を呈される場面もあった。

  一方、首相は1日の記者会見で、厳しい表情でこう強調した。

  「自民党はさまざまな重要課題について相当激しい議論を行う。しかし、決まればみんなまとまって一つの方向に進んでいく。これが責任与党の矜恃だろう」

 首相の念願であるデフレ脱却はまだ緒に就いたばかり。27年10月には、消費税の10%への再引き上げが予定されている。首相が難しい判断を迫られる局面はまだまだ続く
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131001/plc13100121180022-n1.htm

 

  記事の紹介終わりです。

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