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[君が代判決]処分の乱発に歯止めを2012年1月19日 09時43分
学校行事で君が代を歌わなかった教職員を懲戒処分するのは憲法に照らして妥当といえるかどうか―。
最高裁は「戒告を超える減給以上の処分には慎重な考慮が必要」との初めての判断を示した。過大な処分を戒める判決だ。
東京都の公立学校の現・元教職員171人が処分取り消しなどを求めていた訴訟の上告審判決が16日、あった。
地方公務員法は懲戒処分として、軽い順に戒告、減給、停職、免職の規定を設けている。168人に対する戒告処分について判決は、いずれも適法、だと判断。停職2人のうち1人と、減給1人の処分については「裁量権の乱用で違法」だと断じた。
どの程度の処分が妥当か、最高裁は今度の判決で、具体的に判断基準を示した。
不起立による過去1回の処分歴だけで減給としたケースや、過去1、2年に数回の処分歴で停職にした事例は、不適当、だと例示している。
最高裁判決によって、職務命令違反の厳罰化に一定の歯止めがかかるのは間違いない。その点では評価したいが、判決は戒告処分の正当化に利用される恐れもある。
最高裁は昨年5月、日の丸に向かって起立し、君が代を斉唱するよう指示した校長の職務命令に対して合憲の判断を下した。
職務命令の合憲判決に続いて、今度は戒告処分の適法判決。「最高裁のお墨付きを得た」と戒告処分を乱発するようなことがあれば、一連の判決の趣旨を逸脱するものだと言わざるを得ない。
昨年5月の判決で、最高裁は、起立斉唱を求める職務命令が「思想・良心の自由を間接的に制約する面がある」ことを認めている。須藤正彦裁判長は、同判決の補足意見の中で「命令に踏み切る前に、寛容の精神の下に可能な限りの工夫と慎重な配慮をするべきだ」と指摘した。
今回の最高裁判決で桜井龍子裁判官は、不起立1回目は戒告、2、3回目は減給、4回目は停職、とする東京都教育委員会の処分方針を補足意見で取り上げ、「懲戒権を逸脱している」と厳しく批判した。
宮川光治裁判官の反対意見は、職務命令そのものを違憲だと指摘し、処分の「違法性は顕著」だと断じた。
日の丸・君が代の起立斉唱命令に従わなかったからといって、懲戒処分を乱発するのは、国旗国歌法制定の際に国が強調した「強制はしない」という方針にも反する。
積極的に式典を妨害し、進行を妨げ、実害を与えたわけではなく、憲法19条が保障する思想信条に照らして起立をしなかっただけの行為に対して、懲戒処分を下す。そのような処分重視の姿勢は、教育現場に暗い空気を持ち込むだけである。
桜井龍子裁判官は補足意見で「自由で闊達(かったつ)な教育が実施されることが切に望まれる」と強調しているが、まったく同感だ。不起立を理由とした懲戒処分が実施されると、教育現場に対立感情が生まれ、「自由闊達な雰囲気」がまず犠牲になる。
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2012-01-19_28697/
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■ 2009年7月9日
「我が郷は足日木の垂水のほとり」 はじめました。
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■ 2010年3月2日
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