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なぜバッテリーは「燃え」るのか

2016年10月04日 07時26分41秒 | 保管記事


 

  記事の紹介です。

 なぜバッテリーは「燃え」るのか

 政治・社会 2016.10.4

 Samsung「Galaxy Note 7」のリコールが問題となっている。バッテリーの過熱、発火というトラブルによるものだが、スマートフォンやノートPC、デジカメにバッテリーは欠かせない。バッテリーの事故はなぜ起きるのか、また安全に使う方法にはどうしたらいいかを考える。

 海外で、SamsungのGalaxy Note 7のリコールが大きな問題となっている。バッテリーが異常加熱し、場合によっては発火に至る、というもので、スマートフォンとしてはこれまでで最も深刻なトラブルである。Samsungは同機種のバッテリーの全数交換を発表しており、アメリカ消費者製品安全委員会も約百万台のリコールを発令した。航空各社は、Galaxy Note 7を通電状態のまま航空機に乗らないよう警告を発している。ここでいう「通電状態」は、いわゆるスリープ状態を含むので、「完全に電源を切った」状態でなければいけない、ということだ。

 当該製品は日本ではまだ発売されておらず、直接的な問題ではない。しかし、これを「海の向こうで起きたこと」「特定のメーカーが悪いだけ」と考えるべきではない。ここまで深刻な例ではないが、いわゆるモバイルバッテリーやノートPCまで含めれば、発火事故は日常的に起きており、消費者庁は年に数件、バッテリー関連のリコールを発表している。

 我々は、日々スマートフォンやノートPCを使って暮らしている。もはやこれらの機器なしに仕事をすることも、なにかを楽しむのも難しい。今回は、なぜバッテリーは爆発するのか、そして、日常的にそれを避けるにはどうすべきかを考えてみたい。

 100万個に数個でも許されない「バッテリーの不良」

 Galaxy Note 7

 Galaxy Note 7がトラブルを起こした原因を、Samsungは「バッテリーにある」と説明している。詳細はまだ不明だが、Galaxy Note 7に採用されたバッテリーのうち、ある一定数に、「通電中、異常発熱を伴い、最悪の場合発火に至る」ものがあった、とされている。

 そのため、Samsungはバッテリーを全数交換して、事態の収拾に努めている。いくつかの報道も合わせて考えると、問題があるバッテリーでは、通電中になんらかの理由から、内部で「異常な短絡(ショート)」が起きて、それが原因で異常発熱が起き、バッテリー内部の可燃性が高い有機材が発火した、と考えるのが妥当と思える。こうしたトラブルは、バッテリーの製造段階の不良で金属片が混入したり、内部を分割する「セパレーター」と呼ばれる部材に不良があったりした場合などに起きやすい。

 では、Galaxy Note 7のトラブルはどのくらいの頻度で起きたのか? 9月2日に同社が発表した段階では、出荷した製品の「0.0024%」が該当する、と発表された。

 この数字は、一見少ないように見える。実際、いくつかのニュースには「わずか」という形容詞を使ったものもあった。だが、「0.0024%」は、バッテリー関連業界の水準でいえば「信じられないくらい大きい値」である。バッテリーに関しては、通常「数ppm」でリコールが決まる。ppmとは「パーツ・パー・ミリオン」。100万分のいくらかを表すもので、1ppmは0.0001%にあたる。だから、0.0024%とは24ppmであり、他のリコール例に比べても1桁多い

 

ここまで厳しい基準で作られているのは、バッテリーのトラブルが「燃える」という大きな問題につながるからである。「1000万個作っても数個しか重篤な問題が起きない」というのは厳しい水準だが、それが「モノ作りの日常」でもある。その中で、どこかでボタンを掛け違うと、大きなリコールに発生する。筆者の知るバッテリー関連の技術者は「直接の原因や状況は知らないので、詳しいコメントは避けるが」とした上で、次のように話す。

 「特に生産速度と品質の関係は大きい。技術的な配慮をした上で、急ぎすぎないこと・慎重に生産することを日々心がけている。とはいうものの、Samsungのトラブルも他人事とは思えない」

 なぜ、飛行機に乗るときにモバイルバッテリーを預け入れ荷物にできないのか

 
 国土交通省の「機内持ち込み・お預け手荷物における危険物の代表例」より抜粋。現在、モバイルバッテリーは預け入れ荷物ではなく、機内持ち込みを義務づけられている。

 では、バッテリーはどうして燃えるのだろうか? 根本的に言えば、リチウムイオン充電池は熱くなりやすい。万が一の事態になると燃える可能性が高く、容量が大きいほどトラブルは大きくなる。

 現在、旅客機に乗る場合、モバイルバッテリーなどを預け入れ荷物に入れておくことはできず、必ず手荷物として持ち込む必要がある。その理由は、万が一発火事故が起きた時に、預け入れ荷物だと、火の手が大きくなるまで気付きにくいためだ。中国などでは、持ち込めるバッテリーの容量にも厳しい制限が課せられているほどである。また、リチウムイオン充電池は、火中に投じれば激しく燃える。だから、使い終わったリチウムイオン充電池は必ず回収に出す必要がある。

 とはいえ、リチウムイオン充電池には様々な「トラブルが深刻なものに至らない」ようにする仕組みが採用されていて、普通に使っていれば問題が起きないように作ってある。以下に紹介するようなトラブルがあっても、それが即発火事故につながるわけではない。とはいえ、やはりなにが危険かを知っておき、トラブルを避けるべきであることに違いはない。

 「破損」「社外品」「異常発熱」に注意

 まず危険なのは「物理的な損傷を受けた」時。折れ曲がったり、なにかが突き刺さったりするとショートが起き、異常発熱に至る可能性がある。スマートフォンの場合、本体が曲がったりした場合には損傷の危険もあるので、すぐに使用を止め、メーカーに相談した方が良い。

 次に「充電の異常」。リチウムイオン充電池は過充電に弱く、発火事故につながりやすい。そのため、充電器・充電池の両方に保護回路を入れ、過充電を防止する仕組みが必ず採られている。

 とはいえ、トラブルも起きる。特に多いのが、スマートフォン純正でない充電器とケーブルを使う場合だ。粗雑なものを使うと、適正な状態で充電が行えず、事故が起きやすい。信頼できるメーカーのものであれば大きな問題につながることはないと思うが、購入時には自分の使うスマートフォンが対象機種に含まれているかどうかくらいは、確認しておいた方がいい。意外に多いのが、デジカメのバッテリーでのトラブルだ。安価な「互換品」の中には粗雑な環境で作られたものもある。中には「純正」を謳ったニセモノもあるようだ。大抵は「バッテリーが想定より短い時間で切れる」といったトラブルで済むが、最悪の場合には発火に至る。最近のスマートフォンはバッテリーを交換できないものが増えたため減少傾向にあるが、スマートフォン・携帯電話での発火事故のうち、ある程度の比率が、純正でないバッテリーを使ったものであった、と聞いている。

 なお、充電の異常に伴って発熱が起きたり、バッテリーをストーブの近くや直射日光のあたる夏場の自動車の中などに放置して異常な熱を周りから受けたりした場合には、バッテリー内部で化学反応が促進されてガスが発生し、その結果、異常な放電状態となり、最悪の場合発火事故につながる。ケーブルが傷んでいたり、コネクタに異物が詰まっていたりした結果、そこでショートが起きて発熱し、そこからバッテリーの事故につながる可能性もある。ケーブルやコネクタも、常に正常を保ちたい。

 

  充電中の「熱」はバッテリーの寿命を縮める

 なお、発火に至る事故にならなくとも、充電時の発熱は、バッテリー劣化の大きな原因になる。スマートフォンやノートPCを長く使うと、バッテリーの最大充電容量が減ったように感じる場合があるが、これは典型的なバッテリーの劣化に伴う現象だ。

 現在、多くのバッテリーは、一気に100%には充電せず、8割ないしは9割まで充電すると、あとはゆっくり100%に近づけていく仕組みになっている。理由は、過充電の防止に加え、急速な発電に伴う発熱を防止する、という意味合いがある。「スマホに電源をつないだまま使うのは良くない」と言われるのはこのためである。熱や不要な繰り返しの充電に伴う負荷が劣化を進めることは間違いないので、特にモバイルバッテリーなどは、充電が終わっているのであれば、使わなくとも、電源からは外しておくのが望ましい。

 ちなみに、ノートPCの場合には、バッテリーをあえて「8割から9割の充電で抑える」ことで、バッテリーの劣化を防ぎ、より長くその製品が使えるようにする、という機能を用意している製品も多い。ノートPCの場合、バッテリーでの連続動作時間が十分長くなってきて、満充電でなくても問題ないシーンが増えたこと、オフィスや自宅内など、電源が使える場所で使うことも多いため、こうした機能が用意されている。

 

バッテリーの寿命を長持ちさせる技術

 


クアルコムの「Quick Charge」は急速充電の有名な規格の1つ。最新のQuick Charge 3.0では、35分でバッテリーの80%まで充電でき、残りはゆっくりと充電していく。

 またソニーモバイルは、今秋より発売するフラッグシップ・スマートフォン「Xperia XZ」に「Battery Care」という機能を搭載する。これは、就寝時間・起床時間などを学習し、「起きる時にあわせて充電が100%になる」ようにあえて充電速度をゆっくり自動調整することで、バッテリーの劣化を抑えるものだ。

 我々はなんとなく不安になって、スマホのバッテリーを「できるだけ100%にしよう」と考えがちである。だが最近は、満充電にするには時間がかかるが、その手前までは急速充電できる、という機種が増えている。Qualcomm(クアルコム)社の開発した「Quick Charge」は、そのうちもっとも有名な規格の一つ。スマートフォン側と充電器側が両方対応していれば、容量の80%程度までは、充電時間が2倍もしくは4倍速くなる(対応する世代により充電時間は変化)。iPhoneはカタログには謳っていないものの、純正充電器やMacとつないだ場合などは、同様に容量の80%程度までは急速充電を行う。

 だから、バッテリーを良い状態で使いたいと思うのであれば、帰宅後などをのぞいて無理に100%を目指そうとせず、「ある一定よりも減ったらこまめに、短時間でも充電して、容量を戻す」「6~7割程度残っているなら気にせずそのまま使う」ような使い方が望ましい。

 「バッテリーに異常な熱は禁物」。これだけは覚えておいてほしい。
http://president.jp/articles/-/20323

  記事の紹介終わりです。

 2016 10 13 炎上する、サムスン。【わが郷・経済】 炎上する、サムスン。 わが郷

 

 

 

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■ 2009年7月9日
  「我が郷は足日木の垂水のほとり」 はじめました。
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