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思いつ記

私的関心事の足跡

『三人の騎士』主題歌とか

2006-11-11 21:07:33 | ドナルドダック
図書館に頼んでおいた資料が届きました。西村秀人氏の『第二次大戦中に制作されたディズニー映画とラテンアメリカ音楽の北米における普及』というもの。タイトルだけでわくわくしてきやしませんか?(私だけ?)
この方はディズニー研究家ではなく、ラテンアメリカ音楽の研究をされているようですが、作中に使用された楽曲をリストアップ・さらに一つ一つ非常にくわしい解説を書かれています。「えっ、そうなの!?」と思えることもいっぱいで、思わず鼻息が荒くなりました(笑)
「South of the Border with Disney」(※ディズニー一行が南米旅行から帰ってすぐに作った短編映画)についても取り上げられていて感激。

一番びっくりしたのは、『三人の騎士』主題歌は映画のための書き下ろしではなく、もとは『Ay! Jalisco No Te Rajes(美わしのハリスコ)』というメキシコのヒットソングだったこと。映画で使用するに際してほとんどまるごと英語の歌詞に差し替え、歌の後半にだけオリジナルの歌詞を残してあるんだとか。スペイン語パートと、英語パートの意味が合致してないのはそんな経緯があったのですね。

・ちなみに、オリジナル曲はこんな感じです(アマゾン)→確かに同じメロディ。
・ディズニー版はこちら(YouTube)何回見ても飽きない名シーンです。

Don through the years

2006-10-25 08:31:28 | ドナルドダック
一部はからの受け売り、一部は私の勝手な見解です。こういう感じで合ってるかな?くらいのノリだと思ってください。

1934年にドナルドダックは『かしこいめんどり』にてデビュー。そのわめきちらす態度が観客の心を捉えた。ドナルドはミッキーマウス・シリーズに活躍の場を移す。初期のドナルドは、まるで周囲の状況が面白くないと途端に騒ぎ出す幼児のようだった。(大きさはミッキーより背が低く描かれていた)ドナルドの役目は怒鳴り散らして周囲を混乱させることで、ドナルドの引き起こす騒動をうまくとりなして全体の進行を進めるのが先輩・ミッキーの役割だった。

しかしミッキーマウス・シリーズからの独立を果たし、恋人も甥っ子も登場するとドナルドもハチャメチャのままではいられなってくる。いくらなんでも後先考えずに彼らの前で暴れるわけにはいかないからだ。ドナルドは徐々に常識と責任感を備えたアヒルに成長していった。

ただ、すぐカッとなる性質は相変わらずなので、ドナルドは次第に自分の性格(怒りたい欲求)と、怒りを抑えなくてはいけないという良識の間で苦悩するようになる。ドナルドは作中で幾度となく性格を矯正しようと試みている(『ドナルドの昼寝騒動』『気短かドナルド』など)が、すぐに思ったような自己変革ができるはずはなく、頑張るドナルドに周囲は冷たい。とうとう堪忍袋の緒が切れてわめきだすドナルドを観客は笑うが、その笑いは観客自身への笑いでもある。欠点を直そうとして無駄骨を折るドナルドの姿は、誰しも身に覚えのあることだからだ。だから観客は「自分に近い存在」としてドナルドダックに共感し、その欠点までも愛した。

おんぼろボートに住んでいたドナルドは、今や俳優として収入があり一戸建てを構え、三人の甥っ子を扶養する義務がある。また可愛い恋人のいる青年でもある。1940年代半ばは、ドナルドがキャラクターとして円熟した時期といっていいだろう。

戦後は、、、ちょっとデザイン的に年齢が後退したような気も。

Donald's Happy Birthday

2006-06-09 12:13:29 | ドナルドダック
ドナルドダック・72回目の誕生日orスクリーンデビュー日おめでとう記念。

『ドナルドの誕生日』1949年。
(あらすじ)
13日の金曜日はドナルドの誕生日。三人の甥っ子はドナルドおじさんにプレゼントを買うために力を合わせておこづかいを稼ぐ。自分の誕生日も忘れきっているドナルドは甥っ子が何か企んでいるのを怪しみ、葉巻を買ってくるのを見て「子供がタバコを買うとは」と激怒する。

(ネタバレの感想とか)
誕生日ネタだけど、割と救いようのないラスト。ドナルドが嫌がる甥っ子に無理やり葉巻を吸わせたりなんかして、ちょっとせっかんくさいです。それが後になって真実を知った時の反省ぶりと対比になってるんですが、それでもやりすぎた感があります。
気の毒な話だからか、テレビ版ではこの続きとしてドナルドが甥っ子のためにパーティーを開いてあげるという設定の話があるそうです。

「こづかいは貯金しろ!」と保護者らしいことを言うなど、それなりにドナルドは面倒を見ているようです。甥っ子もそんなおじさんが好きなんでしょうね。たとえおじさんに尻尾の先を面白半分にハサミでカットされようと。

・参考

A Good Time for a Dime

2006-03-27 14:04:46 | ドナルドダック
『ドナルドのゲームは楽し』1941年。監督はDick Lundy。
(あらすじ)カーニバルのゲームコーナーに遊びに来たドナルドの話。

(非常にネタばれの感想とか)
ゲーム機が古くていいですね。ディズニーランドのワールドバザールに同じものがあるので、行くと必ずこの映画を思い出します。

まずドナルドが夢中になるのが、コインを入れて中を覗くとパラパラ漫画の要領で動画が見れるマシン。一回1セント。見るのは『七枚のベールの踊り』。どういうのかというと、デイジー似のかわいこちゃんがアラビア風の踊りを踊りながら一枚一枚ベールを脱いでいく、というものです。一枚、二枚とカウントしながらゲヘヘ笑いをするドナルド。君ってやつぁ…。まあ見た目は何枚脱ごうと変わらないんですが。おしまいはドナルドがコーフンのあまり踏み台からコケてしまって肝心の七枚目は見逃すというおまけつき。

お次はクレーン(この頃からあったんだ!)。景品はカメラ。よっしゃ!と肩に力が入って我知らず妙なポーズを取るドナルドが良し。それにしてもドナルドのくしゃみはいつ見ても愛らしくて癒されますね。

クレーンで骨折り損してもまだまだ遊びます。次は飛行機です。コインを入れると機体が天井まで持ち上がって、ちょっとだけ「飛んだ気になる」マシン。
私もあんなに大掛かりな仕掛けだったら乗ってみたいです(故障しなければ)。


・ToonZone

Donald's Dilemma

2006-02-08 09:34:33 | ドナルドダック
バレンタインも近いことなので、こんな短編。

『ドナルドのジレンマ』1947年作品。
(あらすじ)デイジーと散歩中、上から落ちてきた植木鉢がドナルドの頭を直撃する。そのショックでドナルドは美声の持ち主となると同時にデイジーのことを忘れてしまう。一躍スターダムにのし上がるドナルドとは対照的に、デイジーはさびしい思いをする。

(感想とか)
 数少ないデイジーが主役の話。
 デイジーがカウンセラーに相談に行くところから始まります。今やドナルドにとってデイジーは赤の他人なので、あたしを思い出して!泣いてと懇願するデイジーに憐れみの視線。小銭を施して去っていきます。取り付く島なさすぎ。ドナルド恋しさに心身消耗し、やりきれなくなったのでカウンセラーの元へ…。
 カウンセラーから「彼を元に戻すことは簡単です。でも彼は今や世界的大スターだ。彼を世界のものにしておきますか?それともあなただけのものにしますか?」と訊かれ、「もちろんあたしよ!」と拳で机上の地球儀を叩き壊すデイジーにグッときます。普段は言い寄るドナルドを余裕であしらったりじらしたりしていることが多いので余計に。

参考ページ
・ToonZone
監督はジャック・キニーかぁ。おっと、ストーリーはロイ・ウィリアムスだった。デイジーが出てくる話ってこの人多いような。
・Disney OnlineDaisy Duckのページ

The Clock Watcher

2005-12-21 13:35:18 | ドナルドダック
『ドナルドのモダン・タイムス』1945年。ジャック・キング監督。
(あらすじ)ドナルドはデパートの包装兼配送係。上司に怒られつつ、今日も仕事に励む。

(感想とか)「Clock Watcher」は、「時計ばかり見て仕事に身の入らない社員」のことだそうで、なるほどやる気ないです。職場はドナルドだけ。時折上司が社内放送で怠けてないかチェックしますが、現場にこないので、タイムカード誤魔化したり早弁したりサボったり売り物で遊んだりして適当に過ごしています。(8時-17時のシフトらしい)時計の針を進めて、「時間が経った」気になって喜んでるのもまた・・・。

器用なのでサボっても、そこそこ仕事が出来ているのがお見事です。クビになったけど。


(おまけ)
早弁を邪魔されたので放送機器に八つ当たりするドナルドに、

上司:ドナルド君、こんなことしてると減棒だぞ。

(本当は「恥ずかしくないのかね?」とかだけど、バンダイのこの訳好き。)

Three for Breakfast

2005-12-02 09:49:07 | ドナルドダック
『リスの朝ごはん』1948年作品。
(あらすじ)ドナルドは朝からご機嫌でホットケーキを焼く。それを狙うチップ&デールとの攻防戦。

(感想とか)ホットケーキの描写がバターたっぷり・シロップたっぷりでいかにもアメリカンでおいしそう。チップ&デールの顔がまだぽっちゃりしててあんまり可愛くないかも。窓に顔が挟まった瞬間のリスの表情がキャプチャーしたいくらいいいね!

ディズニーチャンネルで見てたら、ラストのシーンがカットされてました。最後、勝利を収めたチップとデールが傘のようにホットケーキを被って目を細めてチャイニーズ・ダンスを踊っておしまいなんですけど、描写がアレなんでしょう。

「三人の騎士」:メキシコ

2005-06-09 13:05:21 | ドナルドダック
6/9はドナルドダックがスクリーンデビューした日。去年似たような記事を書いたのですが、折角なので記念としてドナルドがホスト役をつとめた「三人の騎士」を紹介。今回はその中でもメキシコパート・西語版に焦点を絞ってみます。(ネタがマンネリで恐縮です)


北米版DVDを買うと仏・西語トラックがおまけについてきますが、今回はこの吹き替えがなんと当時のもの。(昔はオリジナルキャストが何ヶ国語も吹き替えていたそう。)ナッシュさん(ドナルド)の仏語もかわいい!
この映画は南米親善が目的でもあったので、特にスペイン語版は南米公開を意識してか、オリジナルと色々違う点があって面白いです。当時のコマーシャルが特典映像として見られるのも、ファンはうれしいですね。(日本版には無かったくせに)以下、ネタバレです。

ドナルドに届けられた大きな荷物。それはドナルドの13日の金曜日の誕生日プレゼントとしてラテンアメリカの友だちから届けられたものでした。下がメッセージ付きの荷札。スペイン語なのでアメリカンのドナルドは「読めない」と文句。するとアラ不思議、メッセージが英語に変わります。


プレゼントから出てきたのは友達のホセ。
リオっ子のオウム・ホセと一緒にブラジル観光のあとは、メキシコのガンマン・パンチート登場です。パンチート役のホアキンさん、ノリノリ。英語喋ってる時よりダミ声なんですけど、地声はこっちなのか・・・?ドナルドが大して嬉しそうでないのが気になります。ホセと再会した時は、それはそれは喜んでいるのですが、ここでは喋んないし。ホセとは前作「ラテン・アメリカの旅」で知り合ってますが、パンチートとはこれが初対面なんじゃ?

ドナルドはお誕生日のプレゼントにピニャータをもらいます。ピニャータを知らないドナルドのために、パンチートが説明。ピニャータと関係の深いクリスマスの行事『ラス・ポサーダス(Las Posadas)』が、紙芝居のように展開されます。使用されているメアリー・ブレア(「It's a Small World」のコンセプトを手がけたことで有名)の絵が最高にかわいい。

英語版ではパンチートの説明のみでしたが、西語版は児童少年合唱団みたいな「ラス・ポサーダス」の歌つき。メキシコの皆さんにはおなじみだからなんでしょうか。

お楽しみのピニャータタイム。パンチートとホセはドナルドで遊びます。

無事ピニャータも割れたので、一行はサラーぺに乗ってメキシコ観光へ旅出ちます。
ここも、原語版では口は動いているものの、音楽のみで台詞は聞こえないシーンなのですが、西語ではしっかり眼下に広がるタスコの街の説明をしてます。やっぱり西語版はパンチートが饒舌な気がする。


※参考までに、現在のタスコ
次に通過していくのはパツクアロ湖です。

一行はコアフラ州のハラベ・パテーニョのダンスを見物。これ、「アヒルのハラーべ」という意味なんだそうな。
情報元

ベラクルスでは見物だけでは飽きたらず、ダンスに参加。ジャズ(アメリカ)・サンバ(ブラジル)・そしてベラクルスの音楽が交錯する楽しいシーン。


続いて訪れたのはリゾート地のアカプルコ。水着美女(もちろん実写)を見て大興奮の三人。
バカ三人を諌める者が誰もいないので、ビーチでやりたい放題です。

そしてフィナーレ。家の中で花火打ち上げるわ、闘牛ごっこするわの大騒ぎでしたが、終わり良ければすべて良し。ドナルド、お誕生日おめでとう!

Soups on

2005-05-20 10:05:40 | ドナルドダック
『ドナルドのスープ騒動』1948年作品。
今週の「クラシック短編集」で放送。原語で見られて嬉しい記念。
(あらすじ)ごきげんで夕食を作るドナルド。食事の前に甥っ子たちに手を洗ってくることを命ずる。しかし甥っ子たちは素直に洗うはずもないのだった。
(感想など)やっぱりジャック・ハンナ(※監督)最高。スピード感といい、話の盛り込み方といい、今どきのカートゥーンにも引けをとりません。(いや、ほんとうに。)ドナルドの短編にこの人ありき。他のスタッフも常連ばかりなので、キャラクターの喜怒哀楽も心得たものです。最近作(特にテレビ)のドナルドは怒り方が短絡的でどうも納得がいかないことが多いのですが。ドナルドはそんなにすぐに怒らないよなー・・・。

甥っ子に手料理を作ってやったり、山小屋に来てるのも、ひょっとしてわざわざ甥っ子達のために連れてきてあげたのかも。こうしてみると、ドナルドって世話好きのいい叔父さんだよなーと思います。甥っ子からすると、からかい甲斐のある格好のイタズラの標的以上の何者でもないのですが。

・参考ページ

Clown of the Jungle

2005-01-05 10:05:46 | ドナルドダック
『ジャングルのおどけ者』1947年。
(あらすじ)ドナルドは南アメリカのジャングルへ、野鳥の写真を撮りにやってきた。しかしそこに住んでいるアラクアン・バード(Aracuan Bird)の邪魔が入っていまくいかない。とうとうドナルドの堪忍袋の緒が切れる。

(感想など)『三人の騎士』で登場したアラクアン再登場。物理的法則も常識もなにもかも無視したアラクアンにドナルドが振り回されます。ディズニーにしてはちょっと過激なシーンも多いですが、そこがこの作品の見所でもあります。
スタッフが南米に飛んだことがあるためか、時々短編に南米ネタが出てきますね。
アラクアンが自殺する真似をしたり、ドナルドがマシンガン撃ちまくるシーンはどうやらアメリカではカットされているらしいのですが、日本ではノーカットでした。現在ビデオも発売中。
アラクアンはこの後も1948年公開の長編『メロディ・タイム』に登場。最近では、『ハウス・オブ・マウス』にもゲスト出演してましたが、一言も鳴かなかったのが気になりました。あの声が出来る人いないのかなー?
見られるのは
・「ドナルドのにぎやかバースデー」
・参考ページ