八正道

お釈迦様の言葉とのことですが、常に、これら八つの言葉で
示される正しい道を進むように心がけたいと思います。

「善勇猛般若経」を読む (1) 〔はじめに〕 

2008-01-05 04:11:37 | Weblog

        

新年明けましておめでとうございます。

本年も何卒よろしくお願いします。

 ・ 平成20年・私のブログ投稿予定

  1月から8月末頃までの予定で、「善勇猛般若経」(戸崎宏正訳 中公文庫・ 大乗仏典1 p84~p320)を読み、学んだことや考えたことを記事にし、9月頃から年末までは 『凡夫が読む「般若心経」』と題して、私の解釈文をブログ記事として投稿する予定です。

 私にとりましては、読者の皆様からのコメントを頂くことがなによりも励みになります。 何卒よろしくお願い申し上げます。

・ 「善勇猛般若経」について

 1.はじめに 

     訳者の戸崎宏正氏は次ぎのように解説されています。

  「数多い般若経典のなかで、この経典は比較的後期に属し、その内容も般若思想の最も完成した段階にほぼ達していると思われる。その成立年は、

 ・・・・・・(省略)

五世紀後半あるいは六世紀前半をくだることはないであろう。」 (p334の解説)

 ちなみに、「般若心経」(「摩訶般若波羅蜜多心経」)は2~3世紀頃に編纂されたものとされています。(「岩波 仏教辞典」から)

  2.「善勇猛般若経」を読む

  この仏典は世尊が幾百千人の大集会のなかで説法をしておられた席に、座を占めていた善勇猛(ゼンユウミョウ)と呼ばれる偉大な菩薩の質問に対して、世尊が答えるという構成になっています。(p83による)

 まず、最初に善勇猛の質問事項のすべてが挙げられています。

 一 序 

 偉大な菩薩、善勇猛は世尊にお尋ねした。

 「世尊よ、知恵の完成(般若波羅蜜)、知恵の完成といわれますが、世尊よ偉大な菩薩たちの知恵の完成、知恵の完成とは、どんなものをいわれるのですか。

世尊よ、どのようようにして偉大な菩薩は知恵の完成を実践するのですか。

世尊よ、知恵の完成を実践するとき、偉大な菩薩の知恵の完成の修行(修習)は、どのようにして完全になるのですか。

世尊よ、知恵の完成を修行している偉大な菩薩には、悪魔(天魔波旬・ハジュン)のつけこむ隙間がなく、(彼の)悪だくみがすべて見破られるのはなぜですか。

世尊よ、偉大な菩薩は、どのようなかたちの知恵の完成を住まいとすることによって、すべてを知るものの教え(一切智法)をすみやかにそなえることになるのですか」

(「善勇猛般若経」(戸崎宏正訳 中公文庫・ 大乗仏典1 p84)

・ 

  上記のように善勇猛菩薩が世尊に質問します。これに対して世尊は、これらの質問の一つ一つを確認しながら答えます。

 このとき世尊の説教を拝聴するのは、深遠な修行を続けながら知恵の完成への道を進んでいる多くの菩薩大士です。このため、私たち凡人には理解できないような教えも随処に出てきます。しかし、その内容は人間の心の問題についての教説ですから、私たちは自らの心の修養レベルに応じた解釈をすることにより、その教えを役立てることができる、と私は考えています。

  私は以上のような考え方で、この仏典を読み、次回以降で紹介していこうと思います。


2 コメント

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Unknown (kounit)
2008-02-03 19:09:12
「自らの心の修養レベルに応じた解釈」確かにそのとおりですね。漱石が禅寺を訪れたときに、釜戸の火明かりで碧巌録を読んでいた若い僧にこれと同意味の言葉でたしなめられています。私は、それは読書の神髄であると信じて来ました。そうであればこそ読書の醍醐味もあると言えるでしょう。次に続く「その教えを役立てることができる」という貴兄の言葉は非常に大切だと思います。そこからが修行というものであるように自分には思われます。でないと思考の遊びに終わってしまうように思います。今の自分がそのいい例であります。
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感謝します (zazen256)
2008-02-05 04:59:38
 コメントをありがとうございました。
 人生経験豊かなkounit先生が私と同じ考え方をしておられることは、非常に力づけられました。ありがとうございます。
 私はこれからも私自身の修養レベルに応じた解釈をしながら仏典を読み進め、ブログ記事に記録していきたいと思います。後で復習できるように事例を多くすることを心がけています。読んでくださる皆様には読み難いことも多々あると思いますが、お許しください。
 真にありがとうございました。
 心から感謝しています。
 今後ともご批判を頂くことも含めて何卒よろしくお願い申し上げます。

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