(葬式アーティスト)フュネラルアーティスト

森本由美:欧米で葬儀装飾習得のフュネラル(葬式)アーティスト第一人者。アート葬式はサンケイ大阪賞受賞・商標登録済。

遺族自身が行う「手作り」お葬式

2007-02-25 | アート

写真はイギリスの「アート棺」である。

可愛いつばさを持ったエンジェル達の絵が、描かれた「アートペイント棺」。

イギリスでは、葬儀社に頼まず遺族自身が、「手作り」感覚で葬儀式を執り行う事も多い。勿論、死亡診断書は医師に病院などで作成してもらい、火葬許可書を(イギリスは島国で土地が少なく、70%が火葬である)日本で言う、「市」などの公共の場に提出し、寝台車のハイヤーを頼み、故人がいつも行っている教会などのホールを借りる手続きを遺族自らしなくてはいけない。

「棺」はこの写真のように、アート棺作成の作家や棺メーカーに遺族達が自らオーダーし、(病気などで、故人となるであろう未来が予測できる場合)また、とっさの死の場合、無地の棺を購入し、棺に故人らしい「絵」を遺族達自ら描いてあげることもある。

例えば、祖父の葬儀におじいちゃんの生前の趣味であった絵画やガーデニングを「チューリップの花やイギリス人が大好きなハートの絵」をクレヨンで描いて表した、小さなお孫さんなど、とても心温まる、あったかい「手作り」 のお葬式などが、海外では存在するのだ。

日本でもこの様に、遺族自身で「手作り葬儀」を行っている人も最近は増えてきていると聞く。

私のところに頼みに来られた遺族も、「市」の葬儀場を使い、寝台車のハイヤーを頼み、家族だけでの葬儀には、司会者もお茶だしの女性も宗教者もいらない、だが、葬儀の装飾は「故人らしく」してあげたいと「手作りの葬儀」を申し出される方が多い。棺も個人に直接販売している業者がいるのでそれを利用している。

(棺、直買のご紹介)

(一般消費者への直売での棺を、私共でご紹介しています。色もピンク、パープル、ゴールド、アイボリーXゴールドなど可愛いデザインで、価格は¥70000円~、日本全国何処でも発送可で、送料は約1000円~2000円くらい。オーダー後約1日で配達。)

病院で亡くなった場合、大抵故人に衣服などを着せ、体などを看護師さんが拭いてくれたりする。納棺は遺族みんながしてあげる。遺族自身が故人のために「手作り」の葬儀をすることは故人にとっても嬉しい事ではないだろうか?

「手作り」葬儀は故人に遺族がする最後のサービスではないだろうか?

また、「市」が経営する「市営葬儀」(市の職員が自ら葬儀を行ってくれる)という制度を利用する遺族も多く、私が知る限り、大阪では、高槻市や池田市などが、行っている。

「市」によっては、行っていない場合もあるので、事前に確かめる事が大事である。

この「市営葬儀」では、故人が市に在住、または、喪主が市在住であることなど、ルールもあるが、(市外の人でもしてくれる場合もあり、確かめたほうが良い)一般的な祭壇やご遺体の納棺、棺や霊柩車の用意などが含まれているが、要らない部分ははずして、葬儀を執り行う事が出来る。

例えば、私にご依頼があったケースで言えば、葬儀装飾だけを「モダンな故人らしい」フュネラルアート(アート葬儀装飾)でしてほしい。なので、①祭壇は要らない。

家族葬なので、②故人が好きだった、ジャズの音楽を流したい。③宗教者はなし。

④通夜や火葬の間は、葬儀場近くのレストランに行って親族だけで、食事するのでケータリングはいらない。

あるいは、遺族自身でちょっとしたスナック類や、故人が好きだったお酒や、オードブルを持ち込む。

⑤火葬許可証や火葬場の予約手続きは「市職員」に頼む。

⑥納棺や、ご遺体の処理は市職員に頼む。

など、とても簡素ではあるが、「故人らしい」好きだった真っ赤な薔薇の花の棺装飾や、ワイン、ジャズ音楽など遺族だけのゆったりとした、「故人の最後の別れ」の時間を心残すことなくたっぷりと取れた「手作りのお葬式」であった。

また、最近は葬儀場と火葬場が同じ場所にある市営葬儀ホールが多く。霊柩車で移動する事が少なくなってきている。

私がロンドンの大手葬儀社で学んだ「故人らしい」葬儀装飾と遺族が行う「遺族が主役」の手作り感覚の「お別れの式」は、欧米、特にイギリスでは珍しい事ではなく、日常的に行われている。

日本でも私達のジェネレーション(世代)では、お仕着せのパックになった海外旅行や、結婚式は人気がないが、逆に「個性的な自分で組み立てる海外旅行」がネットで大人気であったり、手作りのレストランウェディングが人気であるのと、同じ流れで、葬儀も「お仕着せ」ではなく、「故人」や「遺族」が主役になってきていることは確かであるように感じるのは、私だけではないようだ。

年配の親族が亡くなった時、今の若いジェネレーションたちが葬儀を司り、お金を払うことになるだろう。その時、若いジェネレーションたちに、どのような葬儀のあり方が望まれていくかは、明白である。

 

まどが、葬式

 

 

 


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