イギリスの素敵な墓石作り

黒地の墓石にお花の模様の彫刻が施されてあるのは、イギリスの墓石である。

故人の生前の趣味などを考えて、遺族達がセミオーダーできるこの墓石は、先ず墓石の色を選び（黒以外に、グリーン、赤い石、白、グレーなどがある。）

次に、墓石の形を選ぶ。（イギリスでは、以前にもこのブログ内でご紹介済みだが、ハート型、クローバー型、ダブルハート型、楕円形型、十字架型、四角、エンジェルが付いた物など様々な形の墓石のデザインがある。）

そして、墓石に彫刻する模様を選ぶ。

例えば、この写真のような宗教的な十字架やら、イギリス人の好きな薔薇などの植物、マリア様の絵、エンジェルの絵、ピアノの絵、ゴルフの絵など人様々に故人の好きだったアイテムを選ぶことが出来る。

その後、故人に手向ける言葉などを刻み、例えば、「メアリー。よき母にして、よき妻であり、、、、。」などの文言や、「何年に生まれ、何年に没す、、、、。」といった具合である。

こういった、文言の書体などもゴシック体、ローマン文字、オールドイングリッシュ文字、、、などの好きな書体から選べるし、
また、文字の色もゴールド、シルバー、レッド、グリーン、黒、ブルーなどから選ぶことが出来る。

このようにイギリスでは、遺族達が故人の好きそうなお墓を、また、故人が生前に自分の好きなお墓をチョイスし、素敵に、そして、個性的に、自身の墓石をまるで一種の芸術作品であるかのように選ぶことが、日常的なのである。

アートを取り入れ、素敵な墓石を作ることで、遺族や故人の「人がこの世から姿を消す」と言う、どうにも出来ない現実で傷ついた心を癒す、こんな墓石作りは、やはりソーシャル・インクルージョン（アートは人を癒す）とされるイギリス発祥の概念から来るのであろう。

ゴールドＸピンクの薔薇の欧米骨壷

ゴールドの地にピンクの薔薇の花が装飾された、この美しい「壷」は欧米の「骨壷」である。
欧米では「遺骨」と言う概念より、「遺灰」を入れる壷である。欧米では遺骨はパウダー状になるまで焼却されるからである。

このように美しいゴールドＸピンクの薔薇の花が散りばめられた、骨壷が、イギリスなどのヨーロッパやアメリカには存在し、生前美しかった人はもちろんのこと、美しい生き方をした人や、ピンクの薔薇が大好きだった人、、、など、

「故人」の趣味や生前の希望にあわせて、このような装飾壷とも呼べる「遺灰入れ」に入るのである。

この世に肉体が存在しなくなったからと言って、地味な、個性のあまりない、暗い骨壷に入らなくても、欧米ではこのように綺麗で、華やかな「骨壷」が存在するのである。

欧米、特に私が葬儀装飾を学んで来た、イギリスでは、ソーシャル・インクルージョン（アートは人を癒す）とされる、概念の元、様々なアートの力を借りた、芸術的な葬儀関連グッズが多々あるのだ。

大切な「故人」を偲ぶ時、このように綺麗で美しい「骨壷」なら、傷ついた遺族の心も癒す事ができるであろう。

華やかでピンクのお花の付いた素敵な「骨壷」が、存在してもいいはずである。