「帆布は、帆船の帆にするくらいだから、とっても丈夫なのニャ。帆船が主流ではなくなった現代社会では、帆布は、キャンバスのほかに、カバンなんかによく利用されてるニャ」
「あ。そういえば京都に、『一●帆布製』や『●●郎帆布』ってタグに書いてある有名なかばん屋さんがあるさ そうかー あそこの、超丈夫って噂のカバンも帆布製なんさね」
「わー ものすごい数の糸管さね」
「うむ。機械に説明が書いてニャいので間違えてたらゴメンなのニャが、これは多分、縦糸をセットする工程ニャ。鶴の恩返しで、つるさんが、ぎっこんばったん音をたてながら機織機の縦糸を動かして、横糸を織り込んで行くシーンがあるニャろ? あの、ぎっこんばったんの前にする作業ニャな」
「へー」
「ホント分厚い生地さねー …ってゆうか…この布の感じ、どこかで見たような…… あ。油絵のキャンバスに似てる気がするさ」
「お。鋭いニャ、ラビっこ。最近全然出番がニャいのですっかり忘れていたニャが、流石、一度見たものは忘れないブックマン設定だけのことはあるニャ」
「出番がないだけ余計さーーーー」
「俺は絵を描かないので今はどーかわからニャいけど、美術館で見るような絵の大半は、この帆布を使ったキャンバスに描かれてるはずニャ。油絵は、もともとは帆船の帆の布を使用したキャンバスに描かれていたからニャ。中世から近世にかけて、ヨーロッパのオサレの中心はイタリアニャが、ベネチアとか、あのあたりは貿易で栄えたから、キャンバスの材料になる帆布はたくさんあったのニャよ」