良きスピリチュアリストになるためには、まず何から始めたらよいのか
霊的人生の第一歩を、どのように出発すべきか
スピリチュアリスト人生に、たどり着くことができた幸運
地上においてスピリチュアリズムと出会える人は、きわめて限られています。その中でスピリチュアリズムの霊的真理、特にシルバーバーチの霊訓を最高のものと実感できる人は、ごく一握りにすぎません。
スピリチュアリズムやシルバーバーチの霊訓と出会いながら、その価値を実感できない人達も大勢います。シルバーバーチよりもっと優れたものがある、シルバーバーチの霊訓は間違いではないが、最高の真理ではないと言う人々もいます。霊的真理の価値の実感は霊的直観によるものである以上、そのように思う人がいても仕方ありません。霊性の問題があるからです。
シルバーバーチの霊訓が最高だと思える人の中で、「霊的真理普及」を自分のライフワークにしようと決心できる人は、最も幸せな人間です。なぜなら限られた地上人生を、最高に価値あるものにすることができるからです。
スピリチュアリズムのために人生を捧げようとの決心に至るまでには――「霊界からの導き→スピリチュアリズムの霊的真理との出会い→霊的真理の価値の実感→スピリチュアリズムのために人生を捧げる決心」というプロセスを踏むことになります。今、シルバーバーチを深く理解し、スピリチュアリズムの霊的真理普及のために人生を捧げる決心をした人は、地球人として最も崇高な生き方を始めようとしていることになります。
霊的人生の第一歩を、どのようにしたらよいのか?
霊界の導きによってシルバーバーチの霊訓と出会った方々から、私達のところに、たびたび次のような質問が寄せられます――「シルバーバーチの霊訓や霊的真理を、一人でも多くの人々に伝えたいと思います。そのために人生を捧げようと決心しましたが、具体的に今、何を始めたらよいのでしょうか?」
火がついたように燃え上がる人達
一方、シルバーバーチの霊訓と出会って感激した人達の中には、突如、火がついたように燃え上がり、ホームページを開設したり、読書会を始める人もいます。あちらこちらの知人にと、手当たりしだいにシルバーバーチの霊訓を配り始める人もいます。なかには「イギリスに行ってスピリチュアリズム・チャーチを見てきたいのですが、紹介していただけませんか」といった手紙を送ってくる人もいます。
そうした方々に対して私達は、その純粋さと熱意は理解できるものの、「ちょっと待ってください」と言わなければなりません。そして、次のようなシルバーバーチの言葉をお伝えすることにしています。
「地上には、自分を変えようとせずに世の中を変えようとする人が多すぎます。他人を変えようと欲するのですが、すべての発展、すべての改革はまず自分から始めなくてはなりません。(中略)地上人類の霊的新生という大変な事業に携わっていることは事実ですが、それにはまず自分を霊的に新生させなければなりません。真の自我を発見しなければなりません。心を入れ替え、考えを改め、人生観を変えて、魂の内奥(ないおう)の神性を存分に発揮しなければなりません。」
『シルバーバーチの霊訓(1)』(潮文社) p.164
まずは、自分自身を「霊的新生」させることから
ここでシルバーバーチは、きわめて重要なことを述べています――「情熱に駆られてすぐに行動しないように」ということです。人々に働きかける前に、社会を変革しようとする前に、まず自分の心や考えを根本から徹底的に入れ替えなさいと言っているのです。スピリチュアリズムの霊的真理を一刻も早く人々に伝えたいという思いは素晴らしい利他愛ですが、伝道に走る前に、まず自分自身を確立しなさいと言っているのです。
※自分の中の「物質中心」「利己的」「欲」などの内面を変えていくことが大切なのです。
自分を「霊的真理」でしっかりつくり替えないうちに伝道や読書会などの働きかけに奔走(ほんそう)すると、いつの間にか単なる“活動家”になってしまいます。この世のボランティアと同じようになってしまいます。それどころか「人のため」という純粋な思いは、やがて自分自身の実績を真っ先に追い求める“利己心”になってしまいます。
これでは、スピリチュアリズムを自己満足のために利用するのと同じことです。人々の救いのためと言いながら、結局は自分のためだけの利己的行為になってしまいます。当然、霊的成長とは無関係な歩みをすることになります。
2.伝道を始める前の大切な準備――スピリチュアリズムの伝道は、単なる活動ではありません
「霊的新生」のためにすべき3つのこと
自分を霊的新生させるためにすべきことは3つあります――「祈り」「徹底した真理の学習」「スピリチュアリストとしての基本的な心がまえの確立」です。3つ目の基本的な心がまえとは、スピリチュアリズムに導かれたことへの感謝・守護霊への信頼、そしてスピリチュアリズム人生への決意です。
これらは「霊的新生」のための重要な実践項目であると同時に、自らを神の道具・霊界の道具とするための「霊的訓練」の内容ともなっています。外部に向けて働きかけ(伝道)を始める前に、一定の準備期間が必要です。この3つの内容は、霊界の道具として伝道に携わるための準備の条件なのです。1~3年は、一人でじっくりとこのために時間をかけなければなりません。自らをしっかりと確立しなければなりません。
次に、その一つ一つの内容について見ていきます。
『祈り』
まず初めに「祈り」を覚えましょう。神に語りかける祈りは、最も神聖な霊的実践です。どのように語るのかは、ニューズレターや続スピリチュアリズム入門、シルバーバーチの祈りを参考にしてください。祈りは皆さんの心を深め、霊的世界との交わりを確立するために不可欠な行為なのです。
瞑想だけでなく声に出して、神に語りかけましょう。瞑想だけでは意識を集中できないまま終わってしまいがちです。あらかじめ祈りの言葉を準備してもかまいません。部屋を薄暗くして目を閉じ、神と守護霊と3人だけの静寂な時間を持ちましょう。毎日わずか10分でも続けることが大切です。
神の前に一人で出るとき、人間は自分のありのままの姿をさらけ出すことになります。それによって自分の心を浄化することができるのです。本当の祈りをする者は、決して人を騙したりするようなことはできません。祈りは人間を徹底して謙虚にし、物質欲を超越した純粋な霊的心を養います。私達は祈りを通じて“魂”を裸にし、最も深い安らぎとリラックスの時間を持てるようになります。日常生活での思い煩い、人間関係のストレスを一瞬にして取り除き、心の底からほっとする一時(ひととき)を持てるようになるのです。
『徹底した真理の学習』
スピリチュアリストであることの第一条件は「スピリチュアリズムの霊的真理を正しく理解している」ということです。これは当たり前のことなのですが、実際には多くの人々が中途半端な理解しかできないうちに、他人にそれを伝えようとします。
もちろん真理の細部に至るまで、すべてを理解しなければならないということではありません。霊的真理の核心部分、ポイントと全体像(アウトライン)を正しく理解しておくということです。この基本的で重要な内容を理解していないと、人々にスピリチュアリズムの素晴らしさを伝えることはできません。人々に語り教える前に、自分自身がまず正しく理解しておくということは最低限の義務なのです。それができないうちに伝道に走るなら、単なる“軽率な人間”ということになってしまいます。
「教えを説く者には深刻な責任があることは、ここにおいでの皆さんがご存知ないはずはありません。知識には責任が伴うことを何度申し上げたことでしょう。自分を他の人たちより高め、人を教え導きたいと思うのであれば、まずは自分自身が拠って立つ足場をしっかりと固めないといけません。
徹底的に探求し試してみることを怠り、批判に身をさらすこともせずに自己満足し、本当かどうかの確信もないまま人に教えを説くようなことをしていると、その怠慢と軽率さに大きな代償を払わされる時が必ず来ます。」
『古代霊シルバーバーチ 不滅の真理』(ハート出版) p.69~70
「真理をしっかり学ぶ」ということは、人に伝えるためばかりでなく、何よりも自分自身のためになることなのです。真理は困難や誘惑から皆さんの魂を守り、心を支えてくれます。心を高め、清らかにし、パワーアップしてくれます。心を強くし、忍耐力をつけ、広い霊的視野を与えてくれます。そして心を明るく楽天的にしてくれます。まさに「霊的真理」は、魂にとっての最強の原動力であり武具なのです。
もちろん初めから真理のすべてを理解するということはできません。何度も何度も繰り返し読み、まとめたり書き出したりすることを通じて理解は深まっていきます。率直なところ「シルバーバーチを読んだ」と言っても、せいぜい1~2回というのが大半の人達の実情ではないでしょうか。
スピリチュアリズム関連の本はあまりにも多く、一通り読むだけでも5年、10年とかかってしまうかも知れません。したがって霊的人生を歩み始めた初期には、良い本を選び、効率よく、集中的に学ぶことが必要となります。(*スピリチュアリズム普及会ではそのための指針を提示していますので、参考にしてください。→初めて霊訓を読まれる方へ)
今述べたように霊的真理を学ぶのは、単に知識を増やすためではありません。また伝道という活動の手段として身につけるのでもありません。何よりも真理を知った本人が、それを実践して霊的成長をなすことが重要です。そのために霊界の人々は、苦労して私達に真理を伝えてくれたのです。
したがって真理を学ぶについては、常に実践の観点を忘れてはなりません。実生活の中での実践を通じて、真理の深い世界をさらに知ることができるようになります。「何を行うべきか」ということを意識した読み方が必要です。そして自分の置かれた環境の中で、それを実行に移していくことです。実践こそ真理の学びの現場であり、真理を深く体得する効果的な道なのです。(*当サークルではその助けとなるように、スピリチュアリズム入門・続スピリチュアリズム入門・ニューズレターを発行しています。)
<続く…>
参考資料;スピリチュアリズム普及会より『ニューズレター30号…良きスピリチュアリストになるためには、まず何から始めたらよいのか』