中年オヤジNY留学!

NYでの就職、永住権取得いずれも不成功、しかし、しかし意味ある自分探しに。

バブルと旅行ブームが街(NYC)を破壊する

2020-08-12 06:32:20 | オヤジ留学
中年オヤジ留学



バブルと旅行ブームが街(NYC)を破壊する 2016/9/7 投稿

ニューヨークの変わりよう
 ニューヨークがつまらなくなった。
90年初頭、気の抜けない街の緊張感、ホームレスと共生する街。
落書き、ゴミの散乱、物乞いの地下鉄。
それら全てネガティブな事も当時のニューヨークの魅力の一つだった。

そして今、例えるなら上等な肉を料理する前に水洗いし、何か間の抜けた味になったと言おうか、ニューヨークが変貌しました、何か?・・・以前より物足り無い。
私の知っている、もしくは好きだった時代は、映画”タクシー・ドライバー(ロバート・デニーロ主演)“のニューヨーク子が、大人でもチョロットと”泣き“を入れるところ物騒な街だろうが、それでも皆が生きている強さに喝采といった、正に”LIFE GOES ON”の街。

童話、浦島太郎のように私には時間が変貌すると、馴染(なじみ)知った土地でも自分に語り掛けてくる過去の記憶との開きに驚かされた経験はありませんでした。
 私は2013年9月、20数年振りにニューヨークを訪れました。 その間のサラリーマン時代は長期休暇は取れませんでした、今回は何時か行かねばの”夢“をかなえる旅でした。

ニューヨークの目ぼしき道々のコーナーは日本でもお馴染の“STARBUCKS COFFEE”で占領され、夜間やけに灯りを”コウコウ“と照らしひと際目立っているのは何か?と思いきや”APPLE STORE”。
マンハッタンのWESTのクルーズ船の発着桟橋近く、昔は倉庫街で暗くなると、とても物騒なところでしたが、再開発されて目新しいマンション群(COND)が乱立、有難い事に(若干皮肉を込めて)警察署を付近に従え、警察官やパトカーがヤケに目立ち、安全なエリアに変貌



(快適で安全、高価なニューヨークは如何―いかが?)
街のそこらに居たホームレス達は何処へ?
地下鉄に乗れば、必ず車両を移動しながら、ホームレス達は時には自己紹介し金を要求したものだ、だから昔は、地下鉄がホームに入ってくると、特に夜間は乗客は混んだ車両を目がけて乗り込みました。 とりわけ深夜は、多くの乗客は目を半目にし、夜は特に威圧的なホームレスと視線を合わせず反らしたものだった(寝たふり)。
また場末のレストランやマクドナルドでは昼夜かまわず、ホームレスが店に入り込み、紙コップを片手に小銭を要求したものだ。
一種の恐喝に近い、知らんぷりしてやり過ごす、店員らはもめ事を避け彼らを店外へ追い出すこともしなかった。 
多くのニューヨーカーは否応なしにこれらの犯罪とすれすれの“ストレス”と闘ってきた

現在、HOTEL価格の常識外れの高騰、おいしい個人レストランの衰退、味の分からない中国人経営による焼肉屋、お買い得品のなくなった“MODELERS(スポーツ関連チェーン)。

街を歩けば、五番街だろうが、NYU(ニューヨーク大学)近くだろうが、観光客で溢れ、特に東欧、南アメリカからの旅行者が多い感じがするが、多分東南アジアを含めた世界中。

(勝ち馬に乗らなければ、勝ち馬に乗りたい!)
さて目を日本に向けても浅草や京都が外国人旅行者に占領されて、街が旅行者とお金の濁流に巻き込まれ、忙しさの余り地元のサービス業が理性を失いつつあるに似ている。
中には日本人客より会話して面白い外国人客を優先している店も(気持ちは分かるが)。

そして外食産業の、価格の値上げと、それをカモフラージュするためのメニューのいじり方が一度や二度どころではなく“半端ではない”。
大手外食チェーンでさえ、当分“強気でいける”とばかり自分の羅針盤を見失っている。

ランチタイムでもセットメニューに目が行けば1200~1500円? 何か無理やり一品付けて、高いものを食べさせられる感じだ。

(失業・貧困と札束の乱舞の共存)
私の好きな小説“SISTER CARRIE(キャリー)” (BY THEODORE DREISER 1900年作品)の美しい年若き女性主人公はシカゴの町工場の低賃金の職さえ、ちょっとした病気で休んだ事をキッカケにクビに“。
一方物語の舞台、シカゴの高級クラブ(FITZGERALD)では夜な夜な富裕層による宴が繰り広げられる。
作者はその小説の中で年若きボーイに“(贅を尽くす金持ちが)とてつもない高級ボトル(酒)を開ける宴、普通の酒でも十分なのに、散財することがそれ程の意味の有ることなのか?”と懐疑的なセリフを吐かせている
その後キャリーとクラブ支配人はニューヨークへ恋の逃避行、彼女は下積みから人気ショーダンサーの道を駆け上がる。
一方、男性主人公は羽振りの良かったこのクラブの支配人から転落人生、最後にはニューヨークでホームレスへと身を落とし男としては哀愁を感じさせる悲しい結末となる

個人も、国の盛衰も“平家物語”を師と仰がなければいけないと思う。
“おごれる人も久しからず”・・・人も国も浮き沈みがある、調子に乗らず時には冬の時代も受け入れる覚悟が必要だ。
日銀、政府とも現状、今回の日本のバブルは世界水準で無いとの読みは正しい。
ただ、これをして日本の経済成長力、耐久力の余力として温存ないし、ブレーキをこまめにかけ性急にしてはいけない。
インフレ助長に年金を大量に株式などへ投入するのは考えものです。
また今回の経済政策に失敗すれば、中高年層を含む中間層、同じく非正規などのマイノリティに“つけ”が回るだろう。

(全てを欲しがるな、そして相手・状況に合わせ過ぎるな!)
一時流行した、”お・も・て・な・し“と言うフレーズ、しかし度が過ぎると役に立たない事がある。 人(客)は時にサービス提供側が相当無理している事を理解していない
そしてビジネスはピークに合わせてはいけない。 ピークを越える客が来たら“低調にお断り”したらいい。  いわゆる”客を切る(断る)“はプロの分別だ。 燃え上った市場を取り込むために、支店や新規増築、企業の拡大、時にはギャンブルと化す。 景気下降では同じ業態であれば、市場のなかでは身内同士の支店がライバル化する。

インバウンドで内需押し上げ、現在でも相当キテイルと思われるのに、政府は“もっと”と言うことらしい。 とりわけ有名な観光地でもない、日本の普通の街中をリーダーと思われる外国人が印刷物を片手にグループを引き連れて徘徊、こんな事は何時まで続くだろうか? 

日本はアメリカのように国土が広く、観光資源の絶対量が多いわけではない。
いずれ壁にぶち当たるが、その前にお金の為とは言えキャパ(能力)を超えて外国人旅行者の取り込みに焦るのは、どうか?




ニューヨークも京都も大挙して押し寄せる旅行者で、街の文化を失ってほしくない

この旅行ブームがEASY COME, EASY GO – “楽して得たものは、失いやすい”にならぬように。

(続きます)