夕日と海

日々の感動を載せて

CD BALADA Premium Best ATSUKO TEMMA に恋をして 続き

2016-07-18 22:16:53 | 金沢にて ー徒然にー
 芸術家の表現が聞き手(観客)に届くというのは、例えば、フィギュアスケートの羽入選手のダンス、しなやかに伸ばした腕から指先まで、全てが一体となって流れるように伝わる踊り手の感情、その先の空間にまで届く今の気持ち。これはスピードに負けない身体全体の動きがあって初めて出来る技。音楽にのせた身体と感情と技術が一致している瞬間。
 上記のCDは、収録された14曲の編集の素晴らしさも特筆しなければなりません。その上、このCDには、カッチーニの「アベマリア」が収録されています。恩師の奥様がアルトで独唱されたのをお聴きしてから、いつか私も歌えたら、と思ったのが3年前でした。その時は、金沢に来るなどとは思っていなかった。
 そして今、バイオリンの切ない音色に心が震えてしまうことを知りました。
 作曲家の想いをバイオリンで伝える、自分の気持ちが表現される。収録されている「望郷のバラード」は、音楽、人、国、歴史、紛争、涙、全てを天満敦子がバイオリンで伝えます。
 芸術というものを説明する言葉を持ち合わせなかった私ですが、1歩だけ理解したように思うのです。音楽という大きくて不思議な存在を。

CD BALADA Premium Best ATSUKO TEMMA に恋をして

2016-07-17 23:37:24 | 金沢にて ー徒然にー
同時期にシェア金沢に引っ越しされた方から教えていただいたのが、ヴァイオリニスト天満敦子のCD『 BALADA Premium Best ATSUKO TEMMA』です。私は、今日も、朝起きてから就寝後まで、毎日毎日、TVも点けることなく、ニュースも見ないで聴いています。虜になってしまいました。魅了されてしまいました。
天満敦子がバイオリンで奏でる音は、ある時は細く何処までも細く繋がって、時には風のように、木立の中で啜り泣くように、音色の消えそうな一瞬、待って、待って、待たされて聞こえてくるバイオリンの音。かと思えば、太く大きくはっきりとした大木の葉を揺らすかのよう。音と音、伴奏との間、メロディーの展開の切ないまでの緊張感、今、そして、この瞬間、持ち応えるギリギリのその瞬間、胸が締め付けられるようなその間合い、緊張を解きほぐすかのような優しく響く音。引き絞られる絃、私の心はその音色に翻弄されて、切ない想いのまま現実の世界に戻ります。かすかな音も高音も低音もどのように太い音も、天満敦子の感性で彩られているようです。遠くへ遠くへと何処までも伸びていくように思われる音色に心が共鳴し涙となります。続く

海という柴犬 続き

2016-07-16 13:41:38 | 金沢にて
「フォロー・ミー**」
 カウンセリングの勉強中、ある研修で上嶋先生の講義を拝聴する機会がありました。静かな声でお話しを始められましたが、直ぐに、暖かさに加えて、強さ、ゆるがない信念を感じることができ、感動したことを思い出します。講義で配布された資料の中に上記の表題のA41枚のレジメ*がありました。先生は看護学校の定時制講師をしていた時、学生の授業態度に腹を立てていました。が、寝てばかりいる学生の向こうに、過酷な現実とその生き方を知ることになります。
 表題の映画は、自分の人生の中に一生懸命意味を見つけようとしている女性を浮気をしていると疑う夫、夫に雇われた探偵は調査のために彼女の後をついて歩く、一定の距離を置いて。そして、彼女のひた向きさに惹かれていく探偵。報告の時、雇い主の夫に彼女の後ろを歩くようにと提案をする探偵。 その後の展開は省略しますが、ご興味があればネットでお調べください 
 上嶋先生は、定時制の学生たちのことを想うとき、いつもこの映画が心に浮かんでくる、もっと早く彼らの後をついて歩いていたら、と書かれています。
 さて、今、私が金沢で出会った柴犬の「海」ですが、2度ほど散歩にお付き合いさせていただきました。「海」が早朝の散歩時には、私は畑で作業中のことも多く、飼い主さんから声をかけていただきますので、「海」にご挨拶をします。首をなぜながら名前を呼びます、道端に座り込んで。最近は、鼻先を私に向けて見てくれているかな、ちょっと頷いてくれたかな、という感じ。それだけです。まだ、尻尾は振ってくれません。が、つい最近、飼い主さんは、「もう仲良くなっとるけぇ~」と私に言ってくださったのです。
 嬉しい。

*「筑波大学臨床心理学会会報」1996年No.11 、p2
**キャロル・リード監督の映画「フォロー・ミー」、http://white-knight.blog.sonet.ne.jp/2007-05-18

「海」という柴犬

2016-07-15 11:10:55 | 金沢にて
 金沢に移住して3か月、ブログデビューに再挑戦です。
 早朝、畑に出かけます。畑の傍の道を、柴犬と一緒に散歩されている方が声をかけてくださいます。その犬は、名前を呼んでも、もうそれこそ1㎜か2㎜位、顔を動かし、こちらを見たような感じで俯いています。ご主人様のお話によると、「我が家に来た時からこんな風、もしかするとそれ以前に苛められていたのかもしれない」と話してくださいました。入居早々の私はそのようなことを知る由もなく当時下記のように友人にメールをしていました。
 「私が住んでいる“シェア金沢”に犬を連れて散歩している方が大勢います。飼い主さんに犬の名前を教えていただいて、名前で呼びかけると一応こちらを向いてくれます。でも、いかにもかったるそう、「あなたと過ごす暇などないよ」と言っているようで、笑顔もなく、つれない態度です。金沢に来て1日目の出来事でした」その時の私の心境で物事をとらえている様子がよくわかります。
 反省。そこで、柴犬のご主人様にお願いして、朝の散歩にご一緒させていただくことにしました。そのお約束は明日の朝です。果たして私はこの柴犬君に受け入れてもらえるでしょうか。
 移住して2ヶ月目の最も気になることの一つでした。