午後は奈良県などが主催の「不法投棄ゼロ作戦」推進大会。
当町での開催となり、各自治会から3名の出席を要請されていた。
「風姿花伝」による和太鼓、ウエルカムコンサート。
3曲演奏された。
主催者・来賓の挨拶、啓蒙ポスター優秀作品表彰式と続く。
最後は講演
黛 まどか 氏 主催者発行の本日のプログラムから
演題 「 引き算の美学 」 ~ 俳句を通して見る日本人の美意識と美徳 ~
講師 黛 まどか 氏
講演中は撮影、録音禁止。
黛 まどか さんといえば「十二支をめぐる詩歌」
( 2008/05/26 キトラ古墳の寅像は左前か、右前か )
で 中西進氏との対談を聴講したことがある。
私のメモ書き。
講演のメモ
〇 先日、東京に11月としては昭和37年以来の雪が降った。当時は高度成長期。
バブル期を経て、今は抱えきれない廃棄物、不法投棄が氾濫している。
本来の日本人はそうではなかった。
〇 俳句は世界的にブームになってきた
・ EUでもさかん 花鳥風月、小さな命を詠む
・ ジョンレノン 「イマジン」は俳句に刺激されて作った
〇 2010年春 フランスに拠点を置き、俳句を広める活動をした。
・ フランスでは教科書に俳句・短歌・川柳が載っている
・ その時の句会でのフランス人の作品
Neige sur mes gants
Reverrais-je a Kyoto
Notre cerisier?
手袋に雪
京都でまたみられるのだろうか
私たちの桜
・ 俳句の教え子が福島へ帰った。その後、2011年東日本大震災が発生。
寡黙な教え子から「町がもえてる」の簡単なメールをもらった。テレビをつけると
大変なことが発生していた。
フランスのタクシー運転手は「あの状況で秩序正しい行動をする。日本人の美徳だ」と。
〇 20年前ニューヨークタイムスのインタビューを受けた
記者は日本は経済大国以上に「詩の大国だ」と言った。
〇 変わる? 日本
・ ドナルド・キーン氏
70年間日本で住んだ。最近日本人の美徳がうすれてきた。
日本語の乱れ、 自然が汚れてきた、 新しいものへの好奇心
・ 新宮の宮司さん
豊かになり、そのことはいいが、和歌山のこの地でさえ星空を観測する「闇」が
なくなってきた。
〇 自然、小動物への愛情
・ モネの「睡蓮池」 あれほど広い場所で蜻蛉一匹いない
・ 日本人は 古池や蛙飛びこむ水の音(松尾芭蕉)のように人と動物は同じ
高さにおく。人と自然とが一体化している。
俳句について
〇 有季定型
日本の四季は「行きつ戻りつ」しながらゆっくり変わる。
その間に「今の季節を惜しみ、次の季節を待つ」。
細やかな観察で多くの言葉がうまれた。
桜 初花、花吹雪、花屑、花筏
月 待宵(十四夜)、十五夜、十六夜、立待月、居待月、寝待月( 2010/08/28 風情のある名前 )
雨 440くらいある
山 山笑ふ(春) 山滴る(夏) 山粧ふ(秋) 山眠る(冬)
〇 型
俳句の命。型がなければ俳句でない。定形であることの自由度。
体操競技の「床」を思い浮かべればいい。「床」からはみ出したら減点、
枠いっぱい使って演技を美しくする。
〇 余白
花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ(杉田久女)
「紐」は単に和服の紐をさすのではなく、当時の女性たちを縛っていた多くの「枷(かせ)」。
まだまだ女性の地位が低かった時代、久女のような才能ある女性が台頭していくのが、よほど
困難だったことがこの句からも窺える。悲しい、苦しいは言わず、物に語らせる。
俳句の作者は感情を出さない。
また、作品をあえて説明はせず、鑑賞者に委ねる。
ふれないことでイメージが広がる。
華道家は花を生ける空間を見ている。書道家は書いていない白いところが
美しければいいと。みな同じこと。
引き算の中の表現に真の美学がある。
俳句の理念
・ 自然を尊ぶ
・ 小さな命を思いやる
最後に
身一つとなりて薫風ありしかな(佐藤勲)
「思いも寄らない、大津波に遭い、家と半生で積み上げた形あるものを悉く
流失した。 呆然自失の日々から覚めた時かけがえの無い家族がいて、今年も
生まれたばかりの薫風が吹いていた」
もう1週間たったのか・・・ の日課
2016/11/26 朝日新聞
目の体操、「漢字抜け熟語」と「数独」。
今週の成果。
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