都:全都立高に手書きパソコン 最下位クラス返上へ--08、09年度 /東京 - 毎日jp(毎日新聞)
41台買って、教室に持ち込んで生徒に使わせろということですね。このような導入の仕方では無理です。
都立高校(普通科)の学級定員は40名。1台は教員用ってことなんでしょうね。でも、41名のクラスも一般的に存在します。教員はどうやって説明したらいいんでしょうね。
また、41台のPCが41台とも調子よく動く様子は、あまり期待しない方がいいのではないでしょうか?まったく余裕のない台数では、機器の不具合があれば、予定していた授業はできなくなります。
40人が不具合なく安定した環境で利用するためには、50台ぐらい必要なのです。
教員が使い勝手や授業で利用するための研究に使う台数もありませんよね。教員1人に1台のパソコンとありますが、それは授業で使うタブレットPCではないですからね。
また、まさかタブレットPCに有線LAN接続で利用するわけではないでしょうから、無線LANが入るのでしょう。一教室で40台を1アクセスポイントで接続できると思っているのでしょうか?
府中西高校で、さんざん無線に泣かされて、いろいろ勉強させられました。成果報告書の形で公表しているにもかかわらず、みんなでまた泣かされることになるんでしょうか。
他にも、「普通教室で生徒1人に1台のパソコン保有を実現するためで、学級ごとに移動して使う。」とありますが、購入当初はスペック通り3時間ほどバッテリー駆動ができても、1年も使えば2時間程度しか持たなくなります。
午前中のクラスは使えても、午後のクラスは使えなかったりするわけです。
高校生はキーボードを使いこなせるのに、なぜタブレットなんでしょう?タブレットPCの教育実践はほとんどが小学校です。
タブレットPCを使って「文献を批判的に読む訓練」,東大が授業を公開
なんて記事もありますが、キーボードとマウスでもできそうですよね。
他にも問題点はたくさんあるのですが、一番大きな問題は「どう使うか」なんです。三重大学の奥村先生も『ただ,こういうのを学校あたり41台入れて,普通教室に持っていって使えといわれても,どうするんだろう。』と心配されています。
「物は買ったから使え!」といわれても、使いようがありません。
府中西でも、使い方を模索するところから始まりました。ドリルコンテンツをつくったり、情報共有の仕組みを作ったり、いろいろ取り組んでみました。
考える授業のためにWikiを活用し、生徒にPCを積極的に使わせていた先生の授業には、「コンピュータを使った授業をしないで受験につながる授業をしてほしい」という生徒や保護者からの意見がついていました。
高校に求められていることは、そんなもんです。学び方や学ぶ楽しさを学んでもらおうとすると、こういった意見がつくのです。中堅校の府中西でこうですから、上位の学校では使わないことが望まれているのではないでしょうか。
こういった保護者や生徒の考え方に迎合しようということではありません。信念を持って、個人でなく学校として使っていけばよいのですが、教員間にも考え方の違いがあって、なかなか難しいのです。
コンピュータを使うか、使わないかは、高校生にもなれば自分で適切に判断すべき段階に来ているのではないでしょうか。クラスに持ち込んで「使いなさい」ではなく、各自が持っているコンピュータを適宜使ったり、使わなかったりすべきだと思います。
学校でPCを用意するより、リースやレンタルの形で生徒に貸し出して使わせる方法ではダメなんでしょうかね。2~3万円の電子辞書を買うぐらいですから、ある程度の負担はお願いできるのではないかと思います。
でも個人に持たせたら、教育用コンピュータの整備率は向上しないからダメなんでしょうね。目的は整備率という数値を上げることなんでしょうね。
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