昨日の「Education2・0」でカリキというWebのサービスが紹介されていました。
Curriki
カリキはcurricula+wiki=Currikiということだそうで、カリキュラムのWikiですね。こちらにカリキについて紹介しているページがあります。
カリキという教師のためのSNS-ツカサネット新聞
記事によると、「全世界で22万6千人が参加し、15000の都市の教師を結んでいる」そうです。日本以外のさまざまな国で話題になっているとのことです。
NHKの番組でも「カリキュラムをウェブで投稿するシステム」として、「孤立しがちな教員の情報交換ができるようになっている」と紹介されていました。
教材を作る場合、自分の知恵や工夫だけでは限界があります。これは領域による得意不得意といった面もあるのですが、違う観点からいろいろな人が見ていくことで,教材は練り上げられることが多いからです。
また、人に見せるために、他人にわかるように説明しますが、説明している中で自分自身で気づくことも多いものです。
私が研究会に参加するのも、Webで教材を公開しているのも、自分のやっていることを他の人にもわかるように整理しようということや、いろいろと意見をもらうことで自分の授業を良くしようという、人のためというより自分のためだったりするのです。
情報科-授業ネタ帳というWikiを作ったのも、教材を使ってくれた人やご覧になった方から、意見をもらえないかと思ったからです。
まぁ、ダウンロード数はかなりあるのですが、なかなかご意見はいただけないものですね。投稿してもらえるようにWikiにしたのですが、投稿していただけないものです。個人サイトの限界を感じたりもします。
何人かの先生方でクローズドの情報共有サイトを作ったこともあるのですが、なかなかうまく盛り上がらないものです。
そんな経験のある私にとって、カリキは魅力的ですよね。サイトを見てみましたが、やはり一番の障害となるのは「英語」。まったく読めないわけではないのですが、実用的な速度じゃありません。また、情報を発信することはかなり難しいですよね。
日本語版ができたらいいとは思うのですが、盛んになるには条件が必要です。
まずは電子黒板などが教室に整備されることです。従来の黒板とチョークだけでおこなわれる授業は、Web上での共有のために一度作り直す必要があります。電子黒板での授業は、そのままファイルとして保存してWebで公開することが可能になります。
次に教員へのコンピュータの配布です。共有のコンピュータはどうしても使いにくいものです。コンピュータを活用した授業をするためには、教材作成や研究のために一人一台のコンピュータが不可欠です。
もう一つは著作権法上の処理です。授業の中で教科書に含まれる図版を利用することは、当然よくあることです。でも、これをそのまま公開すると、著作権法上の問題があるのです。副教材やWeb上の画像なども、自分で授業に使う分には「著作権法上の特例」がありますので、その枠の中であれば問題ないのですが、指導事例として公開するには問題があるのです。
この3つをクリアできれば、日本でも使う人が出てくると思います。電子黒板やコンピュータの整備は,少しずつですが進んでいます。環境は整いつつあると思います。
そう考えると、3~5年は遅れているんでしょうか。日本は。
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