横須賀市 米川歯科医院の米川です。
前回お話しましたように統計結果通りに考えると、タービン類の滅菌を患者さん毎に行っている歯科医院は10軒中、多くて3軒、少なければ1軒しかない、ということになります。
歯科医師のほぼ全員(たまに無関心な人もいたりします^^; )が、滅菌は大切で院内感染予防のためにやらなくてはいけないことと思っているでしょう。
にもかかわらず、現状は…。
ではどうしてそんなに滅菌をしていないのか…?
幾つかの理由があると思いますが、主にはこれらでしょう。
・コストがかかる
・労力がかかる
・それに対する報酬がない
・滅菌するとタービン類は傷みが早くなり壊れやすくなる
・滅菌しなくても院内感染はしないのでは?と考えている
とりわけコスト面と労力面はかなりツライです。
米川歯科医院でもタービン類の滅菌を患者さん毎に100%行っていますが、まぁ本当に大変です。
まずコスト面のお話を簡単にしましょう。
例えばアルコール清拭のみでよければタービン類の付け替えは必要なく、予備もいりません。
ですから、3台の診察台であればタービン類が10本もあれば診療に支障をきたすことはないでしょう。
ところが患者さん毎に滅菌をするとなると、滅菌中は他の患者さんの治療で使うことが出来ませんので、同じものが数本必要になります。
(滅菌をどのようにするのかは後々お話します)
写真は滅菌前のタービン類で、ほんの一部です。
米川歯科医院ではこのようなタービン類が全部で40~50本あります(診察台は3台ですが)。
これだけあっても同じ内容の治療が重なる時には足りなくなるタービン類がありまして、先週末も久しぶりにやや焦りました。^^;
つまりタービンの数がなければ滅菌システムは組めないんですね。
タービンは1本数十万円しますから、滅菌するために余分に40本買い揃えて…、となると数百万円単位のお話になってきます。
残念ながら数百万円の出費をパッと即決できる歯科医院はそうそうないでしょう(みなさんが思っているより今の歯科医院経営は儲かりませんので… ^^; )。
またその他に滅菌するには必要な器械類が幾つかあり、それらも買い揃える必要があります。
やっぱりそれらも数十万円します…。
まぁとにかく滅菌するには設備投資の面でかなりコストが掛かるのが現実です。
そして先にも書いた通り、滅菌したからその分の報酬を幾ら貰える、というのがありません。
ですから滅菌をやればやるほどコストはかかるが、収入は増えない、そして目で見て効果があるのかどうかは分かりにくい。
患者さん毎のタービン類滅菌をしない歯科医院が多い理由の1つがその辺りにあるのではないかな?と思う訳です。
次回は滅菌をどのようにして行うのか?をお話したいと思います。
コストだけでなく労力も結構掛かるんです。
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