谷沢健一のニューアマチュアリズム

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今年の野村監督の思考(その1)

2007-02-22 | プロ野球への独白
 2月20日、那覇から早朝の便で久米島に渡った。話題の新人・田中将大投手を見るためだけではない。野村監督のキャンプ練習法を改めて取材するためでもある。
 しかし、小池パリーグ会長が視察に訪れたせいもあってか、監督の周辺は慌ただしくて、挨拶に伺うのも遠慮することにした。それでネット越しに、選手たちのゆったりとした練習をみていると、野村監督がやってきて隣の空いていた椅子にどっしりと腰を下ろした。「いやー、キャンプの序盤に階段を踏み外してなー、左太股で支えたのはいいが、持ちこたえられなくて、ブチって音がしたよ。遠近両用はこわいな」
 知人の話では、遠近両用の眼鏡は手前・足元を見る時に遠近感が狂いがちだという。さすがの知将もそれで致傷とは……(ダジャレです)。そういえば、遠近両用眼鏡が初めて売り出された時、CMに起用されたのはタレントではなく、大打者・別当薫さんで、知性派監督の代表だった。野村監督の鼈甲縁と違って、別当さんは細い洒落たメタルフレームだったのを覚えている。
 その肉離れも、ようやく2,3日前からは歩ける程度になったそうだ。「まだ支える力があったとは、お元気ですね」といった具合の雑談から始まって、ボヤキやら、精神訓話やら、IT野球論やら、お得意の話術を発揮していただいた。
 それにしても、こんなにざっくばらんに、かつ和やか話してくれる野村監督は最近になってである。これまでは、「キャンプ地巡りは、ウチが最後か」「評論家は儲かるか」「講演料はいくらとっとるんや」等々、けっこうキツい言葉が浴びせられたものだ。