谷沢健一のニューアマチュアリズム

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社会人野球の公式戦(その3)

2008-09-16 | ニューアマチュアリズム
 YBCは、初年度の都市対抗予選でコールド負けという屈辱からスタートして、試行錯誤を繰り返しながらも、創部3年目を迎え、曲がりなりにも着実に成果をあげてきたつもりである。「落ちこぼれ選手の集団」という揶揄も耳にしたこともある。しかし、選手たちもスタッフもそんな意識はまったくない。常に上を目指す向上心の強い者たちが大半だ。初年度はトライアウトで「寄せ集まった」せいか、ギクシャクもなかったわけではない。だが、3年目の今は「雰囲気はサイコー!」と言ってくれる選手が多い(お世辞分を割り引いても、かなり高い評価分は残るだろう)。
 金銭を提供してくれるスポンサーがいなくても、選手たちから高い部費を集めなくても、合理的な倹約を旨とする知恵を絞ることで、現在のチーム力まで引き上げられることは証明できた。今年の千葉県のクラブチームは「戦国時代」と言っていいほど、実力が拮抗している。松戸(松戸TYRと千葉熱血MAKING)、東金、市原、野田、銚子、そして我々柏、どこが県代表になってもおかしくない。互いの切磋琢磨の分だけ、全体のレベルもアップしているはずだ。野田の中山監督も昨日の試合の後、「今日は敵同士でしたが、同じ千葉のクラブチーム仲間だから、ともに力を磨き合いましょう」と言い(これは好漢・中山氏の口癖である)、11月初めの練習試合を約束した。その前日には、千葉熱血の河野監督と練習試合の約束をしたし、熱血の南雲部長はYBCの加藤副部長とおなじ教科書出版業界の社長仲間ということで、立ち話ながら懇談もしていた。
 さて、県代表として出場することになった関東クラブ選手権大会だが、開催要領についてわかっているのは、主催は埼玉県野球連盟で、大宮と越谷で行われるということだけである。おそらく各県の代表が決まってから、突然、ほんとうに突然、組み合わせ表が送られてくるのだろう。抽選などによるフェアな組み合わせ決定は行われないのだろう。
 この邪推が杞憂であってくれればよいと思う。事前に組み合わせの枠組みが決まっていれば、選手・スタッフが早い時期に勤務先に休暇願も出せる。休日出勤のある職場が少なくないのは、埼玉県野球連盟のお歴々もわかっているだろう。憎まれるのを承知で書くが「オールド・アマチュアリズム」の弊害の一つが、公式戦の組み合わせの秘密性である。
 憎まれついでに言えば、今回の千葉県連盟の議題も「議題」ではなく、「伝達」に等しかったが、この上意下達も「オールド・アマチュアリズム」の表れと言わざるをえない。さてはて、「ニュー・アマチュアリズム」を唱える者としては、どういう思案を重ね、どういう私案を実行するとよいのだろうか。地道な努力を重ねるしかないのだろうなぁ・・・

社会人野球の公式戦(その2)

2008-09-16 | ニューアマチュアリズム
 残る機会は、都市対抗だけである。今年の都市対抗の千葉県代表3チームのうち、1チームはクラブチーム(松戸TYR)だった。躍進著しい松戸TYRは、都市対抗県予選でJFE東日本と延長12回で1×2で惜敗した。JFE東日本はメンバーを落としていたのかもしれないが、もしそうだとしても少しでもスキを見せれば、接戦になる力を千葉県のクラブチームは持っている。YBCも昨年、企業チームに公式戦で1度だが勝っている。
 この秋の日本選手権の千葉県代表枠は3チームだから、クラブチームにも大いに望みはある。関東クラブ選手権大会の創設と平日の試合のレベルダウンという2つの理由だけで、代表枠3を企業3チームが独占する結果になるのは、どうにも腑に落ちない。なぜ日曜祭日だけで公式戦を行えないのだろうか。平日でないと公営の球場が確保できないのだろうか。それなら企業チームの球場を借用すればいい。それも不可能だというのだろうか。
 この議案の決められた背景の一つに、クラブチーム(サウザンリーフ市原)から、議案と同一趣旨の「要望書」が県連盟理事長宛に提出されていたこともあるという。私はそれを見ていないので、具体的に言及できないが、サウザンリーフ市原は企業チームとは別個グループで活動したいということなのだろうか。残る6チームもそれに右習えしろというのだろうか。いや、そんなことはないだろう。真意がどこにあるのか、私にはよくわからない。
 ひょっとすると、平日にもレギュラーメンバーで試合が出来るのが「社会人」野球である、ということだろうか。だとすると、社会人という言葉について、私が誤解していたことになる。私の考えでは、職場で労働して給料なり報酬なりを得る日が平日であり、そうしているのがまっとうな社会人である。もちろん、企業が社員に野球をさせて、それだけで給料を支払うとしても、それに文句をつける気は全くない。それは企業の自由だからだ。
 ひょっとすると、そういう企業チームの集団が日本野球連盟(JABA)であり、平日にレギュラーメンバーで試合をできないのに、そもそもJABAに加入するのはお門違いだったのだろうか。JABAのAはamateurのAではないのか。今、私の頭の中はちょっと「混乱」している。

社会人野球の公式戦(その1)

2008-09-16 | ニューアマチュアリズム
 9月13日から15日まで開催された秋季の千葉県クラブ選手権(関東クラブ選手権の県代表権もかかっている)が終了した。既にHPに掲載したように、春に続いて優勝できた。全日本クラブ選手権の南関東大会決勝戦で、9回裏に3点差を逆転されてサヨナラ負けした後、改めてチームを整備してきた結果が吉に出ただけに、ほっと安堵した。関東クラブ選手権は第1回であるから、なににつけても最初の大会に参加できるのも、素直にうれしい。この夏の猛暑の中、練習に励んだスタッフや選手たちを労いたい。
 社会人のアマチュア野球は現在、各地で日本選手権出場(11月)の予選が行われている。JABAの公式HPに、各地の予選の進行状況が掲載中である(ただし千葉県は企業の3チームのリーグ戦しか掲載されていない。クラブの7チームは日本選手権の出場資格を喪失させられた。他県はどうなのだろう)。
 この大会に先立って、8月中旬に千葉県連盟の理事会が招集された。YBCからは川島コーチ、小松ヘッドマネに出席してもらった。緊急議題については事前に聞かされていた。その案件は、1、クラブチームだけの関東クラブ選手権が創設されたので、企業とクラブが同じ土俵で争う日本選手権の予選は、企業チームだけで行う。2、関東クラブ選手権は、県予選の1位チームが出場権を得る(千葉県の場合は、この予選の2、3位の順位が来春のクラブ大会予選の組み合わせの際に考慮される)、というものであった。
 YBCとしては断乎反対であると、川島・小松両氏に私の考えを託した。春秋の大会で企業チームと戦うことは、選手たちのモチベーションの高揚に繋がる。ただネックは試合が平日に行われる場合だ。企業チームは平日でもフルメンバーで試合ができる。だが、クラブチームはそうはいかない。それをご存知の企業チームの方々は「平日にまともにメンバーが揃わないのだから、クラブと公式戦で試合しても仕方がない」とおっしゃる。
 誤解のないように予め付け加えて言うが、今回の議題は善意から発案されているにちがいない。クラブチームが休日だけに公式試合を戦えるように、配慮してくれたのだろう。その好意はありがたい。クラブチームだけの大会が増えるのもありがたいことである。しかし、クラブチームが企業チームと公式戦で戦う機会がこれ以上減るのは困惑以外のなにものでもない。