今日の商店会長 (早稲田商店会相談役 安井潤一郎)

日本でただ一人、商店会の会長現職で衆議院議員になった、早稲田商店会前会長日記。公式ホームページは左下ブックマークから。

8月18日・大は小を兼ねない

2006-08-18 23:33:51 | 商店会長のコメント
昨日NHK「首都圏ネットワーク」と「ニュースウォッチ9」に東京都食肉組合渋谷支部の活動が取り上げられました。

渋谷区内の3支部(渋谷支部、代々木支部、原宿支部)が統合したことをきっかけに、渋谷区が支援して「渋谷区生鮮食品特販事業」を立ち上げました。渋谷支部では区からの助成を受けて毎月2回特販日を設定し、500円以上お買上げのお客様にカレー用野菜セットだったり、すき焼き用にお砂糖をプレゼントする、いわゆる景品付販売を実施している事が放送されました。

まちのお肉屋さんが小さなお店で可哀想だから区役所が支援したのではありません。地域の商業者が元気にならないと治安が守れない、という事にみんなが気が付いてきたのだと思います。大手量販店の存在を否定はしません。それ以上に、品揃え、価格等、お買い物の便利さはこの国の消費行動に根付いたと思います。

我々まち場の小売業者はコンサルタントの先生からさんざん「品揃え」とか「絞り込み」という言葉を聞かされてきました。「品揃え」は売り場の大きな所にはかないませんし、「絞り込み」というのは売れる物だけを陳列しろ、という事で、競合状態になった店はまたまたスケールでの勝負になります。大きな店が在れば小さな店はいらない。そう思って商売してきました。大きいところが出てくれば小さいところは淘汰される、これが資本主義経済、自由主義経済だと思ってきました。ところが小さいところが淘汰されると地域から元気がなくなり、住んでいる人がまちに愛着と誇りを感じなくなりました。自分の地域を大切にしなくなりました。

小さな、肉屋や八百屋や魚屋が大切なのではありません。物を売ったり買ったり、サービスを提供する事だけが商売ではない、このまちに元気を取り戻させる事も我々にとっては物を売る以上に大切な仕事なんだという事を理解したお店が大切なんだ、という事にみんなが徐々に気付いてきた、そんな風に感じます。
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