槍平小屋ニュース 

槍ヶ岳・飛騨側登山ルートの要衝、槍平小屋から日々の出来事や最新登山道情報をお届けします。

槍平小屋ニュース 20200601

2020年06月01日 | 日記

(ブログ記事を引用・抜粋される方へのお願い・・・このブログ記事全文が確認出来る形式での引用・抜粋のみを許可させて頂きます)

槍平小屋ホームページ /facebook/instagram


「眠っている間に、目には見えない夏の隕石が音もなく降ってきて、槍平の冬を終わらせていったのかな?」

雪渓にポッカリ開いた穴からは、飛騨沢の雪解け水が勢いよく流れてゆくのが見えます。今はまだ寒々しいダケカンバの仄白い樹皮からも、新緑の芽吹きを生み出すエネルギーがじんわりと伝わって来るかのよう(2020年5月11日撮影)。

新型コロナウイルスの感染拡大がなければ、緊急事態宣言がなければ、さらには、緊急事態宣言の延長がなければ、今年の小屋ブログはこんな感じで更新スタート出来るはずでした。そして、今も続く群発地震・・・。

難題が次々に押し寄せるシーズンではありますが、ただ悩むだけでは悔しいので、この状況から何かしら学べることはないだろうか、と。そこで、平常時のシーズンでも珍しくない台風接近時や前線の活動による大雨、登山道上の沢の増水について考えてみました。コロナや地震と一番違う点は、”始まりと終わりが高精度で予測出来る自然現象”だということです。台風進路も前線活発化の予測も、数日前から発表されています。その該当期間を避けるだけで、事故につながる登山はせずに済みます。しかしながら、それが意外に難しいようなのです。「台風来てるけど、とりあえず入山口まで行ってみて・・・」、「せっかくの連休だし・・・」、「SNSで『アタックします!』って、何日も前から言っちゃってるしな。『ヤバかったけど、登りました!』って言うのもカッコいいかな・・・」などなど、ご自身でも心当たりがある方、いらっしゃるかもしれません。事故や遭難につながる原因が自然現象そのものではなく、登山者自身の内面に少なくない割合で存在していることに気づきます。

毎シーズン、槍平小屋ニュースにおいて、特に登山道情報をお伝えする中で「ただ待つだけで手に入る安全があります」という言葉を口が酸っぱくなるほど、というか、キーボードがすり減るほど!?繰り返しお伝えしています。2020年初夏、世界的に困難を抱えた状況には違いないのですが、安全な登山についてもう一度考えるきっかけをもらった、と受け止めることが出来れば、無駄な時間ではないのかもしれません。

昨日更新させてもらった登山道の落石情報、多くの皆様にご覧頂いたようです。これまでもそうだったのですが事故や災害がトピックの場合、閲覧数は猛烈な勢いで伸びて行きます。けれども、これは山小屋ブログの理想的な形からは程遠いものです。あふれる山の魅力をいつもお届け出来れば、閲覧数が少なくともココロ穏やかな更新が出来ます。そして何より、皆様にはスマホやパソコンの画面越しにこの風景をご覧頂くのではなく、ここ、で体感して頂きたいと願っています。山の仕事は”手でワーク”、リモート不可の仕事場です。いましばらくお時間を頂きますが、皆様をお迎え出来るための努力を続けて参りますのでよろしくお願いいたします。


新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた登山について(登山者の皆様へ)・・・岐阜県公式ホームページ

山岳4団体声明(5月27日更新)


※ ヤマップさん(YAMAP)の”山小屋支援プロジェクト”に参加させて頂きました。

  山小屋支援プロジェクト

※ 山と渓谷社さんの”山小屋エイド基金”に参加させて頂きました。

  山小屋エイド基金

 


(お知らせ)今シーズンの営業詳細は6月末発表になります

2020年06月01日 | 日記

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毎シーズン槍平小屋をご利用頂きまして誠にありがとうございます。

4月初旬に今季の営業形態・営業開始日時について6月1日にお知らせする旨の情報更新をさせて頂きました。新型コロナウイルス対策を可能な限り行い、お客様をお迎え出来るように準備を進めているところではありますが、皆様もご存知のように飛騨地方、長野県中部地方における群発地震の影響が飛騨側登山道の広範囲に及んでいます。そのため、登山道の整備にかかる時間が新たに必要となってきました。2020年シーズンについては昨シーズンまでとは違い、お客様数も制限させて頂き、完全予約制を軸とした営業形態を模索しております。その方向性のなかで、今季は夏山スタッフさんの入山もお願い出来ない状況にもなっています。限られた人員で、小屋営業と登山道整備を行うにあたっては、再度、今季の営業形態・営業開始時期を見直す必要が出てきました。特に登山道整備については雪解けを待つだけではなく、現在続いている群発地震が落ち着くことも作業の安全上、必要な条件になってきます。

槍平小屋のご利用を心待ちにして頂いている皆様には大変申し訳ありません。上記のような理由から、今季の営業形態・営業開始日時のお知らせは6月末時点へと延期させて頂く事となりました。ご予約、お問い合わせにつきましても7月以降の対応となります。皆様のご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。


新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた登山について(登山者の皆様へ)・・・岐阜県公式ホームページ

山岳4団体声明(5月27日更新)


※ ヤマップさん(YAMAP)の”山小屋支援プロジェクト”に参加させて頂きました。

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※ 山と渓谷社さんの”山小屋エイド基金”に参加させて頂きました。

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