代表 山ちゃんのブログ 

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O脚矯正

2005-10-26 | O脚矯正
今回のコラムはO脚についてです。

O脚は日本人特有の症状で、欧米人にはあまり見られないようです。これはO脚が日本人特有の生活習慣である「内股」によって起こりやすい為で、生まれつきの変形や遺伝によって起こる訳ではありません。O脚というと普通は膝の変形による「ガニ股」だと考えがちですが、実際は変形によってO脚になっている方は少なく、内股の強い人がO脚に見えてしまう場合がほとんどなのです。

日本人に内股体型が多い理由は、欧米に比べて日本の女性が内股を基本とした生活習慣を持つことです。
欧米の女性は日常、ジーンズなどのパンツルックかロングスカートでの生活が多い為、歩く時でも、椅子に座る時でも脚を意識的に閉じようとしません。
それに比べ、日本人古来の着物の習慣は内股歩きを基本とし、床に座る生活習慣では脚を開く(あぐら)こともありません。
男性同様に脚を開く生活をする欧米の女性にO脚が少ないのは、内股になるのがすくないからです。

人間の膝は、まっすぐ伸ばした時に少し反り返る構造になってます(過伸展といいます)。
この反り返りによって安定して立っていられるのです。通常まっすぐに立っている場合、膝の間はそれほど開きません。
しかし内股の強い人は膝が内側に向いているために、脚を完全に伸ばすと膝の内側は外に広がって反って行きます。
多くはこのような内股によってO脚に見えてしまうケースがほとんどです。

O脚の原因である内股を放置すると、股関節の腹側を通っている腸骨動脈、静脈が圧迫され、下半身への血流が悪くなります。
そのため血流に乗って運ばれるべき体温が末梢部位まで行き届かず、末端の冷えの原因となります。
また、静脈が圧迫されることにより心臓に戻るべき血流が阻害され、血液中の水分が血管外に漏れ出し、
むくみや静脈瘤の原因となります。

また、O脚では膝の内側の加重が大きくなるので、年齢を重ねていくうちに骨がもろくなり、
膝の内側がつぶれて「本物の」O脚(変形性膝関節症)となる危険が強まります。

さらに、股関節が内側を向いてる状態が長年続くと、骨盤の仙腸関節と呼ばれる場所に負担がかかり、骨盤が閉じてきます。
このため骨盤内の内臓が圧迫され、血流が不足し、働きに不具合が生じてきます。便秘や生理不順、重い生理痛等の原因と考えら
れています。

当院では内股を引き起こす腰~脚周りの筋肉の働きを正常に戻し、骨盤や股関節の歪みを正しい位置に矯正していきます。
施術と共に、正しい姿勢や歩き方、日常で行うことのできるエクササイズの方法等も指導していきます。





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四十肩・五十肩

2005-10-12 | 肩に関して
今回のコラムは四十肩・五十肩です。

四十肩と五十肩は別の障害ではなく同じもので、たまたま四十代にかかれば四十肩、五十代にかかれば五十肩であります。
正式には癒着性関節包炎、あるいは肩関節周囲炎と呼ばれています。

40、50代の人が、ある時肩に違和感を覚え、2~3ヶ月かけて徐々に肩が上がらなくなり(痙縮期約3ヶ月)、そのうちあらゆる方向への可動性制限が起きて、この状態が約半年ほど続きます(拘縮期約6ヶ月)。
無理に動かそうとすると激痛が走るので、整髪、着替え(背中のファスナーの上げ下げ)、電車のつり革につかまること、車の運転などが著しく制限され、日常生活に甚大な影響が出ます。
おもしろいことに、その後2~3ヶ月ほどかけてですが、可動性が回復し(回復期約3ヶ月)、そのうちすっかり元通りになってしまう。治療も何もしなくても。
全体で1年から1年半で治癒します。

原因は? 自然治癒する理由とともに、はっきりしたことは未だに分かっていないようです。

障害を起こす組織としては、棘上筋という筋肉が上腕骨に付く直前の、腱の部分が圧倒的に多い。
棘上筋は、肩峰、鎖骨、上腕骨頭によって圧迫され、非常に狭苦しい思いをしている。
狭苦しい思いをすると何がいけないのか?
・圧迫を受けるわけで、動作の際、あちこちに擦り付けられて切れる可能性がある。
・血の巡りが悪くなり、組織が栄養不足、酸素不足に陥りがちになる。その結果長い年月のうちに、組織が硬くなり、切れやすくなる。(老化現象)

一番考えられる説としては、年をとって肩付近の組織の柔軟性が失せ、切れたり、腫れたり、はたまた体がそこを補強しようとするせいで石灰(カルシウム)が沈着してしまうというものである。

カルシウムは骨の主成分なわけで、骨の強度というのはカルシウムあってこそなのである。だから補強の素材としてはカルシウムは効果的なのだ。が、これが裏目に出る。集まってきたカルシウムが、そこらへんの組織(骨、腱、関節包など)を癒着させてしまう。

通常、過剰なカルシウムは血液に回収され、体に吸収されるものである。40~50代になると、いわゆる代謝が衰える。代謝が衰え、新しい組織も作られなければ、古い組織も回収されなくなり(老化現象)、これが、40歳以降に生じやすい理由である。

では、どのように改善・治療するのか? 
これは基本的には「動かす」ということに尽きます。

自分でやるにはコドマン体操と呼ばれるものをお勧めします。肩を動かしたいのだが、それが痛いわけで、痛ければ自然と、肩周りの筋肉が動きに抵抗する。だから痛い肩をまたぐ筋肉には期待しないで、別の力を使って動かすのである。
コドマン体操は、アイロンなど、2~3kgの重しを使い、その慣性力(揺れ)を使う。
ブラブラと腕を揺らすのを際限もなく続けていればいいのです。どっちの方向に?四十肩・五十肩は「あらゆる」方向に運動制限が起きるのだから、動かすのも「あらゆる」方向に。

当院の施術においても、基本的には、いろんな方法で肩を、多少痛いのを我慢して、動かさせていただくというものになります。
既に述べたような障害の性質上(なってしまったら自然に治るまで待つ)、ある程度継続的に通院していただくことになってしまいます。
よく一発で五十肩を治すようなことも耳にしますが、残念ながらそれはできません。回復期に思いっきり動かすと、時に一発で治ったように見えるということはありますが、それはただでさえ剥がれかかっていた癒着を一気に剥がしたに過ぎなく、治る時期に来ていたものに駄目押しをしてやっただけです。

カイロプラクティックも理学療法の中の一つのアプローチに過ぎなく、どんな障害でもそうなのです。基本的な、地道な作業の積み重ねで撃退する以外にありません。何でも一発で治す、なんていう治療法や治療家には多くを期待しない方がよいと思います。