山さんぽ花さんぽ

奥秩父や奥多摩周辺の山と花の風景を楽しんでいるデジカメ日記です

紅葉にはびっくりの大源太山から七ツ小屋山と蓬峠

2014年09月28日 | さんぽ


2014年9月27日(土) 晴れ

林道終点→渡渉点→大源太山→縦走路→猫池→七ツ小屋山→シシゴヤ分岐→蓬峠→シシゴヤノ頭→林道終点

兼ねてから考えていた大源太山、紅葉が始まったということと、土曜日は移動性の高気圧におおわれるということで行ってみることにした。群馬と新潟の県境をなす上越国境には谷川連峰の南西端にも同じ名前の大源太山がある。以前、三国峠から三国山を経由して訪れたことがあるが、こちらも山頂からの展望に恵まれていた。今回登るこちらの大源太山は上越のマッターホルンとの異名が付けられているだけあって、クサリやロープの場所もあるらしい。それに、渡渉するところもあって、いささか気が小さくなっていた。というか、それほど目的もなかったので、そのままズルズルと先延ばしになってしまっていた格好だ。毎度のことだが、大源太山と決めたのは前日であり、天気と費用と目的で選定した。大金をはたいても、雨や曇りではガッカリするのが関の山だから。特に関越トンネルを抜けると高速料金もいっきに跳ね上がるので、そこんところだけは天気の読みは念には念を入れて出発する必要があった。しかし、今回は天気図を見ただけで、その辺は当然にして晴れだと予想していた。いつもなら確認するはずの雨雲の動きはノーチェックで家を出てしまう。すると群馬県は沼田辺りで小雨らしきものがパラパラ降り出した。空を見上げても星は見えず、ただただ真黒い暗闇が広がっているだけだった。そして、関越トンネルを抜けて土樽PAで朝食をしながら夜明けを迎えた。谷川の山の斜面に低く白い雲が垂れこんでいて、ここではじめて天気が悪いことを確認する。先々週の三宝山ではシャリバテに見舞われたので、今日は手弁当を用意する。ご飯を詰め込んだ弁当箱には、大盛りでどんぶり一杯の分量にお新香、昆布、等々のおかずを押し込み、満足のいく朝食を食べた。まぁ、しっかり食べて、しっかり遊ぶことの準備をしたわけである。


<渡渉してからは急登>
登山口へは湯沢ICを降りて大源太キャニオンキャンプ場方面へ向かう。キャンプ場手前にある左カーブのところの大源太山登山口の案内板を見ながら細い林道に入り、その林道を直進する。すると林道終点が駐車場と登山口になっていた。暗いうちから頑張って来たが、既に車は5台程駐車されていて、直ぐに後続の車が2台ほど入って来た。土樽PAで朝ごはんを食べ、トイレも済ませているので身支度はサッサと終わる。登山口にある登山届に記入し、渡渉時の水量を気にしながら歩き出す。そして、歩き出してまもなく、沢を一回渡った。水量は少なく別に気に掛けるほどでもなかった。沢沿いにしばらく進むと再び渡渉ポイントに到達する。ここも何もなく、すんなりと飛び越えられる水量だった。


<湯沢>
最後の渡渉ポイントからは急登になった。小刻みに九十九折を登りつめるが、感じとしては直登ぽい感じに標高を稼いだ。そして、しばらく登り続ける。木々の間から時々視界が開け、周りの山々が見渡せる位置まで登ると、苗場山が遠望できた。しかし、谷川岳方向はまだまだ雲が低く垂れ込めてガスが中々切れない。山頂へ到達する頃には晴れて欲しいもんだと願いながら登り続ける。


<登って来た弥助尾根>
大源太山の山頂に手の届く位置まで登って来た。意外とすんなり着いてしまうと感じる。この先は時間を気にせず歩けるような時間だった。このあたりになると山頂直下の岩壁も紅葉が見頃になっていた。上がれば上がるほど色付きも鮮やかになる。苗場山辺りは雲一つない快晴のようだが、この先の県境辺りは相変わらず大量にガスが流れていた。


<大源太山の山頂>
大源太山の山頂へ着いて思わず考えたことが、このままピストンで下ろうか、だった。これから向かう七ツ小屋山への縦走路は群馬県側から新潟県側へ勢いよくガスが流れ込んでいる。これではこの先へ進んでも雲の中を歩くようなもんだ。ならばピストンで下山しようかと悩んでいた。まぁ、せっかく来たのだから、ここでのんびりとパンでも食べて、時間をつぶせばいいだろうと、山頂からの展望を楽しみ、特に焦らず腰を下ろした。


<七ツ小屋山への道>


<仙ノ倉、平標、苗場、シシゴヤノ頭、クロガネノ頭>


<飯士山>


<七ツ小屋山>


<巻機山、柄沢山>


<万太郎山>
山頂からの展望を眺めながらおにぎりを食べていればガスが徐々に消え、願ったり叶ったりとなった。先程の状況とは打って変わって青空が見る見るうちに広がる。丁度タイミングよく雲がなくなったという感じだ。山頂をウロチョロしながら展望を満喫し、早目の昼食を済ませて七ツ小屋山へ進むことにした。時間の都合によっては清水峠と蓬峠へも立ち寄ってみたい、そんな事を考えている。



<東面を下って大源太山>



<また振り返って大源太山>


<巻機山>


<柄沢山>



<七ツ小屋山>
ここまで大源太山から見晴の良い尾根を歩いて来たが、色付いた木々と青空に圧倒されながらの道のりだった。ちょっと進んでは立ち止まり、また進んでは立ち止まるという感じでなかなか前に進むことができなかった。そして、谷川岳馬蹄形縦走路と合わさり、一気に景色は一変した。目の前には懐かしい笠ヶ岳から朝日岳、そしてジャンクションピークの風景が広がる。そこから落ち込んだ稜線をたどると清水峠である。その峠まで行く時間的な余裕はなくなってしまったが、ほんの少し清水峠方向へ行ってみることにした。


<猫池、冬路ノ頭>


<朝日岳、大烏帽子、笠ヶ岳>


<谷川岳>
清水峠まで往復すると2時間ほど要するので、途中の景色の良いところで立ち止まり、馬蹄形の風景を眺めた。すると前方から単独の男性がやって来るのが分かった。そして、挨拶を交わした途端に、何時頃出発しましたか?、と訪ねられた。え?、どうして私の出発時間が知りたいのか意味不明の質問に答えられず言葉が出ない。すると、私は3時半です、という話しで、その単独の方の質問内容の意味が理解できた。要するに私も馬蹄形の日帰り縦走をしていると勘違いしていた。日帰りですが、馬蹄形ではありませんよ、と説明すれば小走りに蓬峠の方向へ消えて行く。何でもない出会いとしばらく景色を眺めていた。すると冷え込んできたのか、ここで模様してきた為、用足しをすることにした。用足しをするにしても風向きを考慮しなければならない。立った方向は風下を向いたが、うまくできず四苦八苦する。風が強く、放水するにも地表に届かず、全て巻き上がってしまった。おかげでこちらは自分のもので濡れてしまう始末だ。稜線は風が物凄く強く、帽子もかぶっていられない程だった。日差しが強いので頭にタオルを巻き、戻ることにした。


<縦走路>


<縦走路と万太郎山>


<七ツ小屋山>


<清水峠>


<朝日岳、笠ヶ岳>


<大源太山>


<下山路の謙信ゆかりの道>
ほんの少しだけ馬蹄形縦走路を歩いたが、これほど気持ちの良い稜線であるとは思ってもいなかった。これこそ翼があればどこまでも飛んで行きたい気持ちになってしまう感じだ。大源太山を周回する方々はだいたい下山路の分岐で休憩するらしい。下る尾根の紅葉を見ながら数人が食事中であった。ここから蓬峠までは直ぐそこなので、こちらは蓬ヒュッテまで行き、テント場を確認しようと思う。


<蓬峠>
小屋は営業している様子だったが、人影はなかった。フカフカのテント場だと聞いていたが、そこは草紅葉がはじまっていた。ぶらぶらしていれば、またまた前方から単独の日帰り縦走の方がやって来た。姿からしてトレランの方だ。谷川岳の方角からやって来たので時計回りに朝日岳方向へ向かっている。時間的にちょっと遅い感じだが、きっと俊足のランナーなのだろう。物凄い軽装で背中の荷物もそれほど大きくないスタイルだった。こちらはせっかくの天気なので、のんびりと山の空気を味わい、紅葉見物をして下山する。


<ウメバチソウ>


<コゴメグサ>


<笠ヶ岳、白毛門、土合>
いよいよ馬蹄形の縦走路ともお別れだ。いつも朝日岳、笠ヶ岳辺りから、こちらの稜線を眺めていたが、違った角度からの山容に新鮮味を感じる。軽く食べて下山しよう。これから下るという地元は六日町の方と二言三言会話して、一人静かに下山することの気持ちを整理した。しばらくぶりの快晴に色鮮やかな紅葉の世界、それに上越国境の絶景が足を重くさせていた。


<大源太山>


<下山時の紅葉>


<武能岳、茂倉岳>


<七ツ小屋山>


<シシゴヤノ頭>


<万太郎山、エビス大黒、仙ノ倉、平標山>
シシゴヤノ頭で尾根歩きは終わり、いよいよ本格的な下山だ。ここから万太郎山とエビス大黒、仙ノ倉を眺め樹林帯へ突入する。意外と紅葉が進んでいたのには驚きだった。それに馬蹄形の縦走路がこれほど綺麗だとは…。いつしか訪れてみたいと考えていた大源太山、秋の展望に大満足だった。稜線から外れると風もなくなり、いささか暑い。カメラをザックへしまい込んで、いっきに下る。


<飯士山、岩原スキー場>



<ダイモンジソウ>
今日は見慣れない風景と出合い、久しぶりにワクワク感を味わった。眺める角度が違うと同じ山でも新鮮味を感じる。それに、予想以上の紅葉に季節の移り変わりの速さを感じた。一時は心配したが、晴天に恵まれ、益々山の魅力に感謝だ。下山後は高速道路の渋滞もなくスムーズに帰宅することが出来た。そして、運転中にラジオから流れる御嶽山の噴火のニュースを知ることになる。自然を愛する同じ者として、胸が熱くなる思いだった。いまだに山頂付近には心肺停止の多くの方がいるという。負傷された方もたくさんいる。テレビの映像を見つめながら思うことは、ただただご冥福を祈ることが精一杯だった。


8 コメント

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Unknown (風花爺さん)
2014-10-01 13:51:27
いつもながら山の選択眼にうならされます。
私はもう少し秋が深まったころ登りました。
ただ、駐車場からのピストンで、七つ小屋山への周回はしていません。
それだけに普段はなかなか目にすることができない谷川連峰の北からの眺めは新鮮です。
見事な写真で、自分が果たせなかった眺望をたのしませていただきました。
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風花爺さん (あんぱん)
2014-10-01 20:51:29
こんばんは、いつもお世話になります。
谷川は予想以上に紅葉が進んでいました。朝は雲が多かったのですが、日中は快晴になり、気持ちの良い山々の眺めを楽しむことができました。でも、風は強く、写真を撮るのにも体が風でふらつき、ブレブレです。
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お近くだったのですねぇ~ ()
2014-10-01 21:51:10
あんぱんさん、こんばんは(^^)/

土曜日は私も谷川方面でしたよ~
事前チェックでこのあたりの紅葉が当たりなのを知って、絶対ここだ!!!って。

そうそう朝は谷川方面だけ雲、万太郎に着いた時は、ガスと強風でどうなることかと思ったら、アッと言う間に青空になりましたね。同じ状況を稜線を繋いで、反対側からご覧になっていたのですね。

茂倉岳からは大源太の尖がりが良く見えてましたよ~あんぱんさんがいらしたなら手を振ればよかったです
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大源太山 (たそがれオヤジ)
2014-10-02 08:58:21
いいところ歩かれましたね。
私も2年前の真夏に歩いておりますが、その時期でもすこぶる気持ちの良い稜線歩きを満喫いたしました。
紅葉の時期はこうですか。新潟側だからこそなのでしょうが、すごい紅葉ですね。
「翼があれば…」確かに、そんな気分にひたれるところです。
大源太からの下り、あんぱんさんは何も記されていませんが、私には、ちょっくらの恐怖でした。あんぱんさんにはあっさりでした?
馬蹄形歩きの方、随分といらっしゃるようですが、やはり時間を気にしながらのお歩きなのでしょうが、他人様の出発時間まで気になるとはねぇ…。やったことはありませんが、そんなものなのでしょうね。
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彩さん (あんぱん)
2014-10-02 20:47:23
こんばんは、彩さん。
実は彩さんとまったく同じコースを考えていました。そして、コースタイムを全部計算したら、とんでもない数字になっちゃって、あっさり諦めました。これで本格的に復帰ですね。紅葉も好きなので週末が待ち遠しいです。彩さんのレポ参考にさせて頂きますね。紅葉の具合が気になりますから。
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たそがれオヤジさん (あんぱん)
2014-10-02 20:54:30
たそがれオヤジさん、槍ヶ岳、お疲れ様でした。
というか、紅葉も丁度、見頃だったようですね。大源太よりも、そちらの絶壁の方が長くて、ちょっくら恐怖心をくすぐられたのではないでしょうか。お天気も良かったようですね。馬蹄形は意外と歩けるかもしれませんよ。たそがれオヤジさんなら。私はテントで夢を見ています。ありがとうございました。
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大源太山 (HIDEJI)
2014-10-02 23:43:11
あんぱんさん、こんばんは。
いつもながら良い時期に、いいルートを歩かれますね。
あまり土地感のないエリアですが、壮大なスケール感といい、記事を拝見していると、歩いてみたくなります。
馬蹄形縦走って、大変そうなイメージしかありませんが、こんな山域に深く入り込んで、歩き続けると気持ちがいいのでしょうね。
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HIDEJIさん (あんぱん)
2014-10-03 05:21:21
おはようございます、HIDEJIさん。
若いHIDEJIさんなら問題なく日帰り縦走は可能だと思いますよ。あの長い長い皇海山を往復したのですから…。これからはつるべ落ちで日が暮れてきますから、お気を付けて下さいね。エスケープもありますから大丈夫だと思いますが。
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