【中国国防白書】「海上での軍事闘争への準備」中国の軍事戦略、大きな変更点など
2015年5月27日 政治備忘録
中国政府は26日、「中国の軍事戦略」と題した国防白書を公表した。中国による国防白書の公表は2年ぶり。
大きな変更点
「海上での軍事闘争」に重点的に備える方針を表明
周辺の安全保障情勢について、日米や東南アジア諸国が中国と対抗する動きを強めているとし、「外部からの阻害と挑戦が次第に増えている」と主張。今後は「海上での軍事闘争」に重点的に備える方針を表明した。
海軍=近海型から遠海型へ、空軍=領空防護型から攻防兼務型へ
中国の海軍を近海型から遠海型へ、空軍を領空防護型から攻防兼務型へ変更する必要性も指摘した。中国軍は今後、作戦範囲を広げ、先制攻撃することもありうることを示した形だ。
中国の仮想敵を明記
中国の国家安全にとっての「外部からの阻害と挑戦」として、「日本の安保政策の転換」と「地域外の国の南シナ海への介入」を明記した。
地域外の国とは明らかに米国を指している。中国政府の公式文書で中国人民解放軍の仮想敵を具体的に示すことは珍しい。自衛隊や米軍との東シナ海などでの軍事衝突に備え、中国が準備を進めていることがうかがえる。
自国への評価
全般的な国際環境を中国に「有利」と評価しながらも、中国の存立と発展にかかわる「多元的、複雑な脅威」の存在を指摘した。
防護すべき「中国の国益」について
「国家統一」や「領土保全」などに加え、「海外のエネルギー資源」「戦略交通路の安全」などを挙げ、シーレーン(海上輸送路)を含む海外権益の防護に強い関与姿勢を示した。
米国に関して
「南シナ海問題に積極的に介入し、中国に対して高い頻度で海上、空中での接近偵察を続けている」と、名指しを避けながら批判した。
ロシア軍との関係
ロシア軍との提携強化の必要性に言及した。中露両軍は「全面的・多元的・持続可能な制度的枠組みを徐々に構築し、より広い分野、より深いレベルでの発展を推進する」としている。
領域別
伝統的な陸戦重視の姿勢を離れて、「海洋、宇宙空間、サイバー空間、核」の4領域を特に取り上げて、分野別に中国の状況を説明した。
南シナ海
中国など6カ国・地域が領有権を主張する南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島では、中国の支配下にある岩礁で人工島の建設が進展。これを懸念する米国が周辺での偵察活動を活発化させ、中国がいらだちを強めている。
こうした状況を念頭に、白書は中国軍が戦争を抑止するための威嚇能力と実戦能力をともに向上させると表明。中国軍が有事即応力を常に維持するほか、戦争行為にまでは至らない準軍事行動の準備にも取り組む方針を打ち出した。
中国の軍事専門家は
「この白書は、中露が連携して日米同盟と対抗する新冷戦時代の到来を意識したものだ」と指摘している。
脱「韜光養晦」
白書は、習近平国家主席が唱える「軍事闘争の準備」を強く打ち出し、南シナ海での紛争などを念頭に「海上軍事闘争への準備」を初めて明記した。
1978年に小平主導の改革開放が始まって以降、中国は経済発展に専念するため外国との軍事的対立をなるべく避け、外交交渉で解決をはかる「韜光養晦(とうこうようかい、能力を隠して実力を蓄える)」戦略を実施してきた。
しかし近年は海洋権益の拡大を求めて外洋への拡張を推進するようになり、軍事力をバックに領土問題などで強硬姿勢を示す場面も急増した。今回の国防白書は、脱「韜光養晦」の姿勢をさらにはっきりさせた。
アメリカの反応
アメリカ国務省 ラスキ報道部長記者会見(26日)
「中国には軍事力とその目的について、より透明性を持って公表するよう求めていく」と述べ、中国に対し、地域の平和と安定のため、みずからの軍事力の透明性を確保するよう求めてけん制。
南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島で、中国が浅瀬の埋め立てを急速に拡大させていることについて、「中国は地域の緊張を高めている。埋め立てによって、現状を変更することはできない」と強調した。
南シナ海を巡り、アメリカは南沙諸島の周辺にアメリカ軍の最新鋭の艦船や哨戒機を派遣するなど偵察活動を強化し、海洋進出を加速させる中国への警戒感をあらわにしている。
参考文献:産経新聞、NHK
http://biboroku.net/china-2/
白書は、習近平国家主席が唱える「軍事闘争の準備」を強く打ち出し、南シナ海での紛争などを念頭に「海上軍事闘争への準備」を初めて明記した。
支那政府の公式文書で人民解放軍の仮想敵を具体的に示すことは珍しい。自衛隊や米軍との東シナ海などでの軍事衝突に備え、支那が準備を進めていることがうかがえる。ここに支那が日本と米国を敵として戦力を準備していることが明記された。
◆【拡散依頼】中国共産党の沖縄属領化工作文書【琉球復國運動基本綱領】
2010年09月09日 沖縄対策本部
9月8日、北京の日本大使館で、尖閣諸島海域で領海侵犯した中国漁船の船長の逮捕に対する抗議デモがありました。
抗議に参加したのは「中国民間保釣連合会」のメンバー約30名です。
この団体は民間団体を装っていますが、実際には中国共産党の工作員だと考えて間違ないと思います。
その証拠が下記の「琉球復國運動基本綱領」です。
この文書は、「中国民間保釣連合会」のホームページに掲載されていました。
http://www.cfdd.org.cn
このような文書を単なる民間団体が作成するわけがありません。
下記に訳文と原文を記載いたしました。
驚愕の文書ですので、是非じっくりお読みいただきたいと思います。
翻訳は機械翻訳に日本語になるように手を加えましたが、大意はご理解いただけると思います。
掲載日が2007年10月8日となっていますので、2007年にはこの文書が作成されていたものだと思います。
おそらく、民主党の沖縄ビジョンはこの基本綱領を実現するために作られたものだと思います。
中国共産党は国際的には合法的に沖縄を属国化する事をねらっていると思います。
つまり、沖縄県民自らが日本からの独立を求めて「琉球共和国」を建設し、独自の文化国家をつくりあげ、
それを中国共産党の支配下に置き属国化しようという狙いです。
悲しいことに現実はその道へまっしぐらに進んでいるように見えます。
すぐに思いつく点を列挙するだけで、下記の6点があります。
1.普天間基地問題という名の沖縄県民自らの「米軍追い出し運動」
2.沖縄県作成の沖縄21世紀ビジョンに記載された「基地のない平和で豊かな島」。
3.沖縄県作成の沖縄21世紀ビジョンに記載された「一国二制度」の積極導入。
4.沖縄経済の中国依存の増大、沖縄県知事自ら中国観光旅行者誘致のトップセールス。
5.中国海軍の東シナ海覇権の増大
6.尖閣諸島紛争
これらの流れの行き着く先が下記に記載された「琉球臨時憲法九条」であり、「琉球共和国」の設立です。
この憲法によると琉球共和国は、「奄美州」「沖縄州」「八重山州」の3州からなりそれぞれの州から代議士を選出し、
代議士で大統領を選出し、大統領は首相を任命するとなっています。
そして、琉球共和国の言語は琉球言、中国語、日本語の三種類あり、中国語を公用語にするとなっています。
また、兵役は志願制度ですが、国家は十分な国防体制を整え、国民に国防教育、歴史教育をしっかりする義務があると歌っています。
皮肉な事にこの国防については、琉球臨時憲法の第九条に謳われています。
沖縄の九条の会が基地のない平和な島を目指し運動している先にあるのは、人民解放軍の指導のもとで訓練を行う
「琉球共和国軍」を持つ「琉球共和国」です。
中国語が公用語ですので、出世するのは中国語を話せる中国人のみという社会が実現します。
このような悲惨な未来を回避するために、未来を下記文書を沖縄県民全員に伝えたいと思います。
この文書の拡散にご協力をお願いいたします。
<琉球復國運動基本綱領>
http://www.cfdd.org.cn/bbs/thread-69800-1-1.html (中国語)
(表示されるのに時間がかかります。)
2007年10月8日
一、琉球古来より主権のために独立する国家、琉球の人民は日本の琉球群島に対する植民地統治を承認しません。
二、琉球国の主権の独立と領土保全を回復して、琉球共和国を創立します。
三、必要の時期その他の政治の組織あるいは団体と創立の“琉球国の臨時の政府”を協議します。
四、琉球の回復の後で採用の政治制度は広範に各政党の共通認識と民衆の願望を求めます。
五、いかなる個人、団体、党派、国家の琉球国の独立性に対する質疑に反対します。
琉球は国に回復して運動して終始一貫して琉球が独立を回復するために奮闘します!
<琉球臨時憲法九条(案)>
第一条:琉球共和国は博愛、自由、平等、民主的な基礎上のを創立して共和制の国家を建設します。
第二条: 一般に琉球共和国の公民、 年齢、人種に関わらず、 すべて憲法を獲得して憲法の規定の権利で琉球に共和国の公民権を与えます。
第三条: 琉球共和国の領土は琉球国家の歴史の上で持ったのと琉球群島の中のすべての島を含んで、 私達の精神の落ち着き先で、
すべての琉球人の生命より更に重要です。
第四条: 琉琉球共和国は3つの主要な州から:奄美州、 沖縄州、八重山州は構成して、各州の3つの列島の群を含める琉球群島のすべての島.
すべての琉球共和国の公民、人口、戸籍管理の方面の法律に合うのでさえすれ(あれ)ば、自由な選択は移っていかなる1つの州へ居住することができて、いかなる制限を受けません。
第五条: 琉球共和国の政府は議会制を実行して、国家は各州から分配の定員によって国民から代表を選出し議会を構成して、そして議会から国家の大統領を選出して、大統領は政府の首相を任命し政府を構成します。
第六条: 琉球共和国はすべての州に自治の権利を与えます。
それぞれの州は各州の発展の地方の法律の権力に適応する制定があります。ただし、連邦政府の国家憲法と国家の法律と互いに抵触することがなく、連邦政府はそれぞれのに州が適切に国家の法律の権利を変えることが無い事が条件です。それ以外は無効です。
第七条:第七条: 琉球共和国の言語は琉球言葉、中国語、日本語の三大語群があって、
琉球共和国の政府と各州政府は中国の台湾省、福建省東南の方言の語族の琉球言葉と中国語が間近なことを政府の言語にして、政府の提唱は中国語の共通語を推進します。同時に中国語、日本語、英語は民間の通用する言語です。琉球共和国の文字は漢字、日本語の2種類の文字があります。琉球共和国の政府と各州は琉球の歴史の伝統の使う漢字によって政府の文字で、すべての国家機構と国有の企業、社会の機関の文字の資料は規定の国家の政府の文字を使います。漢字、日本語、英文は琉球共和国の民間の通用する文字です。琉球の全区域は繁体の漢字を使います。
第八条: 琉球共和国の臨時国旗は赤、黒、藍の3色の旗です。臨時国章は琉球諸島の海洋の環を下に上に“万国津梁の鐘”の彫像を覆います。
第九条: 琉球共和国の国防が十分にそろってと歴史の教育は緩めて変えてはなりません。過去、琉球は戦争のため敵に占領されてしまいました。政府は琉球の国防を十分に完備し、強化に努めなければならない。琉球共和国の兵役は、公民から募集される志願制度です。国防の義務を持ちます。国家の安全・防衛の義務を持ちます。琉球共和国の政府は国防の教育の職責を導く宣言があります。国家の安全を十分に完備する義務があります。政府は国家の和平性の記念日を行うことがあります。政府は国民に対する歴史教育の職責を負います。
<原文>
http://www.cfdd.org.cn/bbs/thread-69800-1-1.html
<琉球国复国运动基本纲领!>
2007-10-08 19:02
琉球国复国运动基本纲领:
一、琉球自古为主权独立的国家,琉球人民不承认日本对琉球群岛的殖民统治;
二、恢复琉球国主权独立和领土完整,建立琉球共和国;
三、在必要时期将和其他政治组织或团体协商成立“琉球国临时政府”;
四、琉球光复后采用的政治制度要广泛征求各政党的共识和民众的意愿;
五、反对任何个人、团体、党派、国家对琉球国独立性的质疑。
琉球复国运动始终不渝地为琉球恢复独立而奋斗!
参看
琉球国
琉球群岛
<琉球臨時憲法九條(草稿)>
第一條: 琉球共和國是建立在博愛、自由、平等、民主的基礎上的實行共和制的國家.
第二條: 凡琉球共和國的公民, 無論年齡、種族, 都有獲得憲法賦予琉球共和國公民以憲法規定之權利.
第三條: 琉球共和國的領土包括琉球國家歷史上擁有的和琉球群島中的所有島嶼, 是我們的精神的歸宿, 比所有琉球人的生命更重要。
第四條: 琉球共和國由三個主要的州:奄米州, 沖繩州, 八重山州組成,各州包括了三個列島群在內的琉球群島的所有島嶼.
所有琉球共和國的公民,只要符合人口、戶籍管理方面的法律,就可以自由的選擇遷往任何一個州居住,不受任何限制.
第五條: 琉球共和國政府實行議會制,國家由各州按照分配的名額選出國民代表組成議會,並由議會選出國家的總統,由總統任命政府的總理,由總理組成政府。
第六條: 琉球共和國賦予每個州自治的權利.
各個州有制定適應各州發展的地方法律之權力,但不能和聯邦政府的國家憲法和國家法律相抵觸,除非聯邦政府賦予各個州適當改變國家法律的權利,否則無效。
第七條: 琉球共和國的語言有琉球語、漢語、日語三大語群,
琉球共和國政府和各州政府以靠近中國的臺灣省、福建省的東南方言語系的琉球語及漢語為官方語言,政府倡導推行漢語普通話。同時漢語、日語、英語為民間的通用語言。琉球共和國的文字有漢字、日文兩種文字。琉球共和國政府和各州按琉球歷史傳統使用的漢字為官方文字,所有國家機構和國有的企業、社會機構的文字資料使用規定的國家官方文字。漢字、日文、英文為琉球共和國的民間通用文字。琉球全境使用繁體漢字。
第八條: 琉球共和國的臨時國旗為紅、、藍三種顏色的豎條旗。臨時國徽為以海洋環抱的琉球群島拼圖為底,上覆蓋“萬國津梁鍾”雕像。
第九條: 琉球共和國的國防完備和歷史教育不得鬆懈和改變。歷史上琉球因為戰爭而淪陷,所以政府須強琉球的國防的完備性。琉球共和國的公民有被招募當志願兵的義務;有參與國防的義務;有參與國家安全保衛的義務。琉球共和國政府有宣導國防教育的職責,由完備國家安全的職責;政府有舉行國家和平性的紀念日,對國民進行歷史教育的職責。
来源:维基百科
http://blog.goo.ne.jp/jiritsukokka/e/a61680240cc90777d4df0f5a818986c8
◆中国トップセブンの窯変
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)5月26日(火曜日)弐
通算第4552号
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そして中国共産党最高レベルの主流派がみえてきた
習近平の常務委員会の中枢は王岐山と愈正声。これで『太子党』三人組だ
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政権の座に就いて三年、「史上最弱の皇帝」といわれた習近平は着々と権力基盤を築いている。
王岐山はどちらかと言えば金融経済のエキスパート、まだ「救急車」という渾名があるように、リスクが出現すると、たとえば北京五輪直前の北京市長というリリーフを勤める。
米国との戦略対話も、王岐山が中国側代表だった。だから王岐山は当初、首相となって経済に専念するだろうと予測された。
ところが習近平は、この頼りがいのある兄貴分を「虎退治」の責任者に充てた。
習政権の掲げる『中国の夢』は抽象的で分かりづらいが、反腐敗キャンペーンは庶民からも喝采をあびて、腐敗分子が次々と失脚していく様子に大きな期待が集まる。
すでに高層の幹部ら400名前後が失脚した。
むろん、このやり方に党内の反発と上海派、守旧派の憤懣、怨念を招くが、王岐山は強行にキャンペーンを推進している。
「蠅も虎も容赦はしない」というわけである。
反腐敗は、実際上の権力闘争であり、終局の目的は江沢民率いる上海派を追い詰め、かれらが握った「鉄道」「石油」の利権を取り上げることに成功した。次はまだ上海派が牛耳る『通信』と『金融』の利権争奪である。
また守旧派が握る『電力』の利権も、李鵬の娘、李少琳の側近等を拘束して、じわり追い込んでいる。
軍事方面では前号でも取り上げたように、副主席の氾長龍の一本釣りを試みて、軍事委員会の主流派である団派出身者と分断をはかりつつある。
また個人的に習の軍事戦略上のアドバイザーは劉源と劉亜洲で、この二人が「プライベートシンクタンク」だが、ともに太子党である。
太子党の権力基盤がしっかりと見えてきたのだ。
▼共産党最高権力は常務委員会だ
共産党の最高レベルは「政治局常務委員会」で、七人で構成されているが、この掌握である。
依然としてトップセブンのうち、四人が上海派だが、張徳江、劉雲山、張高麗をそれぞれ手なづけつつあり、張高麗をシルクロード構造の責任者に充てた。
宣伝担当の劉雲山には香港問題を担当させ、張徳江にはやっかいな北朝鮮問題を。
のこる三人のうち、明確な団派は李克強首相だが、経済政策の立案という権限を半ば奪い、AIIB、BRICS、そしてシルクロード構造の三本柱は習近平の主流派が主導する体制となった。
ならば、政治局常務委員会はいかなるパワーバランスに変化しているのか。
「太子党」がトップセブンの中枢を押さえ込んだようである。つまり愈正声と王岐山は習近平と同じく太子党であり、たよりになる兄貴分たち。愈正声は上海派と見られていたが江沢民の影響力低下の流れに沿って、いつのまにか、習近平にべったりとなっていた。
やはり「太子党」という特権階級の結びつきが想像より強いということだろう。しかし反面で、太子党は党内の見えない恨みをかっていくこともまた事実であろう。
http://melma.com/backnumber_45206_6212614/
◆暴挙止められるか、中国の南シナ海「埋め立て」…「ストップ・チャイナ」へ転換を ワシントン支局長・青木伸行
2015.5.25 産経ニュース
南シナ海で中国が埋め立てを強行する岩礁の12カイリ内とその上空に、オバマ米政権が米軍の艦船と航空機を“突入”させるか否か、判断が注目されている。
スプラトリー(中国名・南沙)諸島のファイアリークロス(永暑)礁などは今や、人工島に姿を変え、施設も形状をくっきりと現している。米政府もようやくここにきて、中国の軍事動向に関する年次報告書(国防総省)や、議会の公聴会での高官による証言などを通じ、若干のデータを交えながら現状を公式に明らかにし始めた。
例えば、埋め立ての総面積が現在、約8平方キロにのぼり、昨年12月末時点から4カ月余りで4倍に拡大していることや、ファイアリークロス礁に建設されている滑走路は3千メートル級とみられ、「2017~18年に完成するとみている」(シアー国防次官補)ことなどである。そして「国際法の下では、どんなに(岩礁を)浚渫(しゅんせつ)しようとも、領有権の主張を強化することにはならない」(ラッセル国務次官補)と、牽制(けんせい)することしきりだ。
だが、こうした政府の分析と見解は、国際軍事専門誌IHSジェーンズ・ディフェンス・ウイークリーなどが、衛星写真に基づきとっくに公表済みだ。内容も同誌などに比べると見劣りし、中国に配慮し続けてきたオバマ政権の脆弱(ぜいじゃく)性が見て取れる。
中国が人工島を「不沈空母」として軍事拠点化し、周辺海域を「領海」、その上空を「領空」と主張して、「防空識別圏」も設定することは火を見るよりも明らかだ。艦船と航空機、大型レーダー、ミサイルなどを配備し「不沈空母」の運用段階に入ることは、もはや時間の問題となっている。
こうした動きと並行し、中国海軍の呉勝利司令官は4月下旬、米海軍のグリナート作戦部長に対し、米国など第三国に将来、人工島を開放することも可能だ、と初めて打診している。クセ球である。狙いが、自らの「領有権」を米国などに事実上、認めさせることにあることは論をまたない。
2013年1月、国際法違反などでフィリピンに提訴された中国は、仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)での審理を、木で鼻をくくったかのように2年半近くにわたり無視し続けている。南シナ海での紛争回避を図るための「行動規範」の策定にも、食指をいっこうに動かさない。
オバマ政権は中国をなだめすかすことに腐心してきた。だが、中国が確固たる意図と能力に基づき、人工島を急ピッチで建設している厳然たる事実に鑑みれば、外交で中国の暴挙を止められると期待することは、もはや幻想に近い。
オバマ政権のリバランス(再均衡)戦略も現時点では、中国に対する抑止力とはなっていない。米軍艦船の6割をアジア太平洋地域に移し、フィリピン軍基地などを共用するために整備を施したうえで、運用・即応体制を構築するまでには、なお時間を要する。その前に中国は、人工島を完成させ運用に着手する腹づもりなのだろう。
「尻に火が付いた」と言わんばかりに、カーター国防長官は最近、岩礁の12カイリ内に米軍の偵察機や艦船を投入することを検討するよう、海軍などに指示した。12カイリ内は国連海洋法条約に基づく領海にほかならず、そこで米軍の艦船などを活動させることで、人工島の周辺は「中国の『領海』でも『領空』でもない」という、軍事的なメッセージを送ろうというわけだ。
それも手遅れといった観がある。それでも人工島を「砂上の楼閣」と化すべくいちるの望みをかけ、政権がリスクを覚悟し継続的な示威行動に踏み切り、中国の威圧的な行動に手をこまねき暴挙を許してきた遠慮がちな対応を、転換することに期待したい。(あおき のぶゆき)
http://www.sankei.com/column/news/150525/clm1505250007-n1.html
◆【中国の本性】ファシズムより怖い「中華主義」 日本人がまず知るべきことは…
2015.06.07 zakzak
「中国だけが外国を侵略したことがない」という主張は、中国外務省だけでなく、中国人の学者やジャーナリスト、さらに、日本の野党政治家や学者、言論人にも、同調する者が少なくない。
では、「中国は自称5000年史で、前半の2000余年にわたって中原(=黄河中下流域の平原)がホームランドではなかったのか」「満州の平原から、モンゴルやウイグル、チベットに至るまでの広大な領土は、どういう手段で手に入れたのか」という質問には、一体どう答えるのか。
中国はかつて、モンゴル人や満州人に征服されただけでなく、植民地以下の扱いを受けた。だが、その「遺産相続」をしたいという野望だけで、チンギス・ハーンもヌルハチも「中国人の祖先である」「皇帝24子の子孫」と主張している。
以前は、沖縄県・尖閣諸島は日本の領土だと認めながら、「海洋強国を目指す」という国是の変化から「中国の固有領土」だと公言し、「世論戦」「心理戦」「法律戦」などの「三戦」を貪欲に展開している。
大航海時代から400年以上の長期にわたり、南アジアと東南アジアは西洋列強の植民地だった。それに対し、大東亜戦争は数年である。中国の重慶政府は、インドとミャンマーの独立を阻止するため、孫立人の率いる「青年軍」まで送り、英米両国に加勢した。
それと比較して、日本の「東亜の解放」のどこが「侵略」になるのか。もっと危ういのは、中国の「平和の罠」である。それは中国史がずっと物語っている。チベットは人民中国と「平和協定」を結んだことで、国まで奪われてしまった。
日中戦争についても、中国は「八年抗戦」などと称するが、抗戦したのは日本であり、国民党軍も共産党軍も逃げる一方だった。20世紀の中国に対する、日本の歴史貢献の1つが「中国内戦の阻止」であるが、それだけでも、中国は日本に感謝しなければならない。
戦後日本人は、日中戦争の真実を知るべきだ。
それにはまず、戦後の歴史認識が「正しくない」ことを知ることからはじまる。戦後70年を節目に、歴史の真実については実証主義的な検証が必要である。「不誠不実の隣人」の主張に同調することは、自縄自縛というより、「歴史捏造」の共犯と見なすべきだ。
21世紀の人類は、資源や環境をはじめ、実に多くの共通の課題を抱えている。日本政府の「『力』に代わり『法』を」という主張は多くの国々の支持を得ている。だが、「力」に限っては「暴力」だけが力ではない。「魅力」なども「力」である。
日本人はまず、人類共通の課題に目を向けるべきだ。右の全体主義であるファシズムも、左の全体主義であるコミュニズムも20世紀を最後に消えた。それよりも恐ろしいのは、西洋の全体主義以上に長い歴史を持つ、東洋の極端な全体主義と個人主義を併せ持った「中華主義」である。
日本、そして世界は「人類共通の敵」と向き合わなければならない。 =おわり
■黄文雄(こう・ぶんゆう) 文明史家、評論家。1938年、台湾生まれ。64年、留学のため来日し、早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院西洋経済史学修士。現在、拓殖大学日本文化研究所客員教授。1994年、台湾ペンクラブ賞を受賞。著書に「中国人が死んでも認めない捏造だらけの中国史」(産経新聞出版)、『米中韓が仕掛ける「歴史戦」』(ビジネス社)など。
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150607/frn1506070830001-n1.htm
◆集団的自衛権の変更についての10個のウソ
by マイケル・グリーン&ジェフリー・ホーナン
●7月1日に日本の安倍首相は集団的自衛権の行使容認を閣議決定した。もちろんこの決定に関して日本の国内・国外で批判が出たが、その反対のほとんどはその変更のニュアンスや結論を理解できていない。
●よって、ここでは集団的自衛権行使容認の反対派が信じている10個のウソをそれぞれ指摘してみたい。
1, 自衛隊の役割と任務が根本的に変わった。
●実際の変更点は、自衛隊が同盟国の軍隊が攻撃されたら助けにいくということだが、「新しい三要件」を見てみると、それでも制限はかなりある。
●基本的に専守防衛の姿勢はかわっておらず、日本の自衛隊の主な役割も米軍の後方支援や防御的なもの(BMDやASW)に限定されている。
●たしかに米軍とのさらなる一体化につながるかもしれないが、それでも現在の自衛隊の行っていることを根本的に変えるというわけではない。
2,自衛隊が外国での戦争に巻き込まれる
●まず安倍氏自身がこれを否定。批判的な人々が見逃しているのは、この変更が日本と日本人の命を守ることに焦点を当てているところ。結局は専守防衛の域を出ないものだ。
●これはつまり日本はまだ外国の土地で他国を守るために戦うということを禁じられているということであり、状況が日本の安全保障を脅かすものでなければ、いまだに憲法第九条に則ったものであるということだ。
3,朝鮮半島で緊急事態が発生した際に、自衛隊が派遣される
●韓国政府は自分たちが要請しないかぎり集団的自衛権を行使せず、自衛隊を朝鮮半島に派遣しないよう要求しているが、これは日本政府の解釈と全く同じだ。
●それより重要なのは、韓国政府が朝鮮半島での有事の際に日米同盟に対してどのようなスタンスをとるのかを明確にしていないという点だ。
4,安倍首相は日本の平和憲法の精神を骨抜きにしようとしている。
●内閣法制局は国連の51条と憲法9条は矛盾しないと解釈している。いままでの内閣法制局の解釈では「最小限」の防衛に当たらないために集団的自衛権は不適切であるとされてきた。
●ところが今回変わったのは、同盟国の重要性とパートナーシップが日本自身の安全と生き残りに関わるという点や、また脅威環境やテクノロジーが変化したという点から、この「最小限」に当てはまるということことだ。
●またこの決定はいわゆる「積極的平和主義」による非軍事分野などでの貢献にも当てはまるということだ。
●安倍氏が国民に訴えたのは、有事の時に自衛隊が必要なサポートをできないために日米同盟を危機に陥れることはできないということであった。
5,閣議決定までのプロセスは透明性がなく、非民主的に決定された。
●実際のところ、閣議決定までのプロセスはきわめて透明性の高いものであり、今後数ヶ月間にわたっての決定はさらに透明性のあるものになる。
●決定までの間に与党協議は2ヶ月間にわたって11回も開催され、代議士たちも参加してさまざまなシナリオが議論されている。公明党の反対のために、自民党は閣議決定の言葉を慎重に選ばなければならなかったほどだ。
●この間のプロセスは日本のメディアで逐一報じられ、国民もその議論を十分認識できたはずだ。安倍氏も特別記者会見を開いたりしている。
●しかもこれから国会で自衛隊法などの法整備のための議論が始まるのであり、結果的に法律に制限がかかることは必至だ。
6,今回の閣議決定は憲法改正や9条の排除へと進むことになる。
●日本の法体制を知らないと、このような批判を行ってしまうことになる。解釈と改正はまったく違うのであり、それぞれ全く別のプロセスがある。
●しかも現在の日本の国内の状況や議員たちの構成などを考えると、憲法改正は当分ない。
7,日本の再軍備化の始まりだ。
●とくに中国側からこういう批判が出されており、安倍政権を1930年代の日本のイメージとかぶらせようとしている。
●ところが70年間におよぶ民主制度と、平和活動への取り組みから考えると、集団的自衛権の行使容認の変更が他国との戦争を開始できるようにするとは考えられない。
●もちろん解釈変更によって自衛隊がアメリカやオーストラリアなどと軍事的な分野で協力できる範囲が広がるかもしれないが、それでもそのような任務には厳しい制限がかけられたままであろう。
●重要なのは、集団的自衛権の変更は兵器や部隊態勢の拡大を必要とするわけではないという点だ。
8、今回の決定で地域を不安定化させて平和をそこねる。
●これは特に中国や安倍氏に批判的な人々から出される批判だが、たしかにさらに深化した日米同盟が地域の平和を乱すと信じきっている人々からすれば、これは正しいだろう。
●ところが実際は、深化した日米同盟のほうが平和と安定に対する本物の挑戦に対して解決法を出すことになる。
●ソ連崩壊後にアジア・太平洋地域も大きな変化を経験しており、中国の台頭などによって軍事面を強化する動きが出てきている。
●とくに中国は海洋面で独断的になってきており、 南シナ海で大きく領海を主張しているだけでなく、公海でもアメリカに挑戦し、東シナ海では日本の尖閣諸島の実効支配に対抗しようとしている。
●北朝鮮はここ二十年間で核兵器や弾道ミサイルの開発に動いている。
●このような不安定な見通しの中で、閣議決定は今年後半のガイドライン改正にもつながるものであり、日米同盟の強化は将来の抑止、安定、そしてエスカレーションのコントロールにおける大きな力となる。
9,日本の世論は圧倒的に反対している。
●メディアなどではそのような印象を受けるが、全般的にいえば日本国民は、自衛隊の制限を排除することや憲法解釈の変更について質問した意識調査では、あまりはっきりした態度をとっていない。
●ところが自衛隊と米軍のさらなる協力の深化という点にからめて質問すると、50%以上の人々が今回の閣議決定を支持している。
●いいかえれば、日本国民は過去との決別に不安を抱きつつも、将来への備えも望んでいるということだ。
10,アジアは反対している。
●これは不正確だ。反対を表明しているのは中国であり、韓国も懸念を表明している。地域をひとまとめにするのは間違い。
●ただし中国は日米同盟の強化を嫌っているのに対して、韓国は歴史問題がありながらもその重要性を認識している点で違う。
●この二カ国以外では、その反応は支援的なものから控えめなものまで様々だ。オーストラリアはあからさまに支持を表明。PKOや技術面でも日本との協力関係を模索している
●フィリピンは大統領が最近来日しているが、これも公式に支持を表明しており、シンガポールの外相も変更を支持。
●インドネシア、マレーシア、タイ、ミャンマー、ベトナム、インドなどの東南・南アジア諸国もプライベートな場では賛成を表明しているが公式にはより微妙な立場を示している。
● もちろん彼らは前世紀に日本と歴史的に色々とあった国だが、それでも日米同盟の深化や日本との協力関係の強化は歓迎している。