山本武と市民の四季

市民の生活と市政について、四季折々の風を感じ・考えたことの報告。ぜひお気軽にコメントをお寄せください。

天下分け目の選挙は終わった

2007年08月08日 22時49分18秒 | 日々の出来事
参議院選挙が終わって一週間が過ぎました。
参議院で過半数を割った自民、公明は「さまよえる航海」に出航したようです。
民主党は、事態を慎重に見極めながら、この国の進路を、これまでの「航跡」の延長ではない方角に、生活者の海へ方向を定めなければなりません。
当面、菅代表代行は記者会見で「しっかりとした方向性」をさし示しました。

昨年のアメリカの中間選挙といい、今回のわが国の参議院選挙といい、一応、民主主義の、又は「主権在民」の制度が機能した、と言うべきでしょう。

参議院の議長には、江田五月氏が就任しました。
彼の父親である、江田三郎さんの生誕100年を祈念するセレモニーが、今秋に予定されています。
私は、五月さんよりも、江田三郎先生の信奉者でしたから、安倍総理が曾祖父を信奉してい言われる、今日的情況を鑑みる時、言いようのない感慨に襲われます。まさに、時代錯誤も甚だしい「懐旧趣味」でしかありません。江田三郎の「構造改革」と小泉、安倍内閣が主唱する「構造改革」とでは、言葉は同じでも全く内容を異にするのです。
 江田三郎先生は、全体主義者・ムッソリーニによって「投獄」されていた、アントニオ・グラムシの思想を受け継いだ政治家トリアッテイの構造改革論を真っ先に取り入れて「提唱した」社会民主主義者でした。日本社会党の書記長、委員長を歴任しながら、硬直的、官僚的社会主義から脱皮し、市民自治を基本とする「社会市民連合」を結成しました。私は、その時、社会党を離党しました。若き「菅直人さん」もこの時、参加しました。

 私は、1987年頃、共産党員も多く参加する旅行団でイタリー、スイス、フランスなどを旅したことがあります。ローマ近郊の「チルコロ」(仲間の家)を訪問した時、同行の共産党の連中がグラムシについて、何も知らない事が解り、日本共産党シンパ、又は党員(労組党員)の知識レベルを知ることができました。当時、民主集中性とやらで、共産党中央の決定がすべてであった(今でもそうだが)ため、知識人ぶっている輩が多かったのです。チルコロ、即ち小さな「コミュニテイ」の思想はグラムシによって理論化され、トリアッテイによって実践されました。いわゆる「ユーロ、コミュニズム」の始まりです。日本共産党は「議会制民主主義」を提唱し、構造改革によって未来社会を築くという方向を示していました。にも関わらず、党内議論は「排他的な」党益中心の党中央主義(議論しても意味がないから)で、ちょっとでも「位の上の人」は偉そうにしていました。(実際はアカハタを勉強=読むだけ。グラムシなんて知らない。)
 
この度の選挙は、兎に角、多くの国民から民主党が支持された現実に、今までになかった「高揚」を覚えます。
きびしかった選挙を顧みながら、私は、これからの「民主党」を考えています。