政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

検察の無法を助長する裁判所…小沢一郎の次なる敵は裁判所である

2010-10-22 08:53:53 | 小沢一郎

有罪率99.9%!
こんな数字は裁判所の協力がなければ絶対にあり得ない。
これは検察と裁判所の協力の結果なのである。

裁判は、有罪を前提にした量刑のネゴシエーションに過ぎない。
裁判官は検察の提出する供述調書を最大の判断基準にする。
自分の面前での被告人の証言より、検察の調書を重視する。
被告人が、その調書は恫喝・脅迫・拷問のもとに検事がこしらえ上げたものと叫んでも、裁判官は検事の言うことを信じる。
嘘と分かっていても信じた振りをする。

その典型的な例が、前福島県知事・佐藤栄佐久氏の汚職事件裁判であろう。

福島県汚職判決要旨/東京地裁 (四国新聞社 2008/08/08 )
東京地裁で8日に言い渡された、前福島県知事佐藤栄佐久被告と実弟祐二被告の判決理由要旨は次の通り。
 【罪となるべき事実】
 一、栄佐久被告と祐二被告は共謀、木戸ダム工事受注に便宜を図った謝礼として、祐二被告が経営する郡山三東スーツの時価8億円相当の所有地を約8億7300万円で前田建設工業の指示を受けた水谷建設に買い取らせ、差額約7300万円のわいろを受け取った。
【収賄の共謀】
 栄佐久被告と祐二被告の検察官調書は信用できるから、祐二被告は2002年5月か6月ごろ、前田建設工業の紹介で水谷建設に土地を売却したことを栄佐久被告に報告したことが認められる。
【土地売却の利益】
 売却した土地の相当価格は高くても8億円を超えない。水谷建設から追加して支払われた1億円は、土地の売却代金に含まれると認定できない。祐二被告は栄佐久被告に報告していない。


検察の主張した賄賂額は一億七千万円であったが、裁判所はこれを七千万円に減額している。
この金額について佐藤栄佐久氏は後に語っている。

「事件後に水谷建設は購入価格を上回る9億6000万円で土地を手放し、さらにファンドに転売された時の価格は12億円を超えました」

実際には時価相当額より低い金額で売却されていたのである。

検察は時価と売却額との差額を賄賂として起訴したはずだった。
その根拠が消え失せたのだ。
これで検察側の論理は完全に崩れ去ったものと思われた。
しかし第2審の東京高裁の判決は奇妙きてれつなものだった。

懲役2年、執行猶予4年!

一審判決より少し値下げしたが、有罪は有罪である。

その判決理由というものが驚く。
土地売却の利益金額はゼロだが、「換金の利益」つまり土地を売れるようにしてやった利益があった。そしてそれを「無形の賄賂」と無理矢理こじつけたのである。

裁判所は何とか有罪の線だけは守ってやろうとしているのが一目瞭然である。
検察は、供述調書だけ取れれば、あとは裁判所がいいようにしてくれると思っている。
それが拷問によるものだろうが、脅迫だろうが、詐術だろうが、裁判所は検察の言うことを信じてくれる。

検察が好き放題のことをやれるのも、裁判所がこんな検察のやり方を容認・応援しているからである。
これから小沢一郎が戦うのはこういう検察・裁判所の連合軍である。

多くの人が、小沢無罪を主張し、精密な論証を展開している。
しかし、佐藤栄佐久判決に見るとおり、そんな正論が通る連中ではない。
闘いの行方は決して楽観はできない。

小沢一郎の強制起訴を決めた検察審査会なるものはすべて裁判所の直営店である。
運営は裁判所事務官が担当し、検察が共同出資者となっている。
政府や自治体の各種諮問会議とか委員会とかいうものも、事務局が1から10までお膳立てをして、委員となった学識経験者とか専門家とかいう連中は黙って事務局の敷いたレールに乗るだけというのが実態である。
まして検察審査会はシロート相手である。
事務局にとっては赤子の手を捻るようなものであろう。

今回の起訴にあたり検事役の弁護士候補の名前が取り沙汰されている。
当然、裁判所・検察・審査会事務局の意に沿うような人物が弁護士会から推薦されてくるのだろう。
検察審査会は、各地域の弁護士会にとっては優良顧客でもある。

敵の出方は目に見えている。
まず公判開始の引き延ばしである。
そして公判が始まってもダラダラといつまでも引き延ばしを図る。
一審判決までにマスコミを使って出来るだけ小沢一郎を痛めつける。
できれば一審でどんな形でもいいから有罪判決をとる。
さらに控訴審でまた引き延ばす。
そして最高裁まで引き延ばす。
あとは最高裁がうまいことやってくれる。

まあ最終的に小沢一郎が無罪になっても仕方がない。
そのころには小沢の力はまったく削がれているだろう。
こちらは別にだれが責任を問われるというわけでもない。

それもこれも最高裁判所がだめだからこんなことになる。
最高裁判所が堕落したわけではない。
最初からそうだったのだ。

今後展開されるであろう小沢裁判に何か意義を見いだすとすれば、この国の司法のデタラメな実態が少しでも明らかになり、何らかの改善のきっかけになるかもしれないということであろうか。

最高裁判所については言いたいことが多々あるのだが……。
とりあえず今日のところは、最高裁判所の改革と司法修習制度の廃止を提案するだけにする。
これについてはまた次の機会に書くことにしたい。





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13 コメント

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Unknown (信用0)
2010-10-22 09:30:29
最高裁裁判官の×式の国民審査は果たして採用されているのか?も不可解である。

選挙法の不明確さは地方選挙管理委員会と中央選挙管理委員会、メディアの速報も底に堕ち信用はまっく0。
返信する
Unknown (らむちゃのパパ)
2010-10-22 10:01:15
最近、粘着質の人が一人で本文とは無関係なコメントを連続しておられるようでつれて亭主さんの返信がなくなり、連れて亭主さんの本文投稿も少なくなって残念な気持ちでおりました。連続コメント投稿者は、自身でブログを書くとか、なんとかなりませんかねぇ。
村木さんが無罪になって、ようやく司法改革も端緒についたばかりですが、あれは被害者が官僚だったからであり、小沢さんは相当苦労しそうですね。村木さんの無罪は良かったですが、部下の不正についての監督責任はあり、民間なら辞職かもしれないのになぁと今の政権でちやほやされていることに何か違和感を覚えます。また、事件以降、障害郵便が激減しているそうで第二第三の凜の会があったのではないかとも思えます。
返信する
Unknown (トカゲの尻尾切りでは駄目。)
2010-10-22 10:51:18
>漆間巌は東シナ海不審船事件の処理で安倍晋三(当時の政務の官房副長官)に気に入られ、安倍晋三の政治力で警察庁長官に出世したと言われている。

>西松事件の捜査と小沢秘書逮捕の一件は、官邸の漆間巌と検察の大林宏の二人の連携作業なのではないか。

>大林宏の最初の職歴である「在中華人民共和国日本大使館一等書記官」、これは一体何だったのか。

>大林宏の名前を聞いて思い出すのは、3年前のあの共謀罪騒動の一件である。2006年の春、共謀罪を新設する組織犯罪処罰法の改正案が国会で審議された経緯は誰でもよく覚えている。


>その国会審議で、政府答弁の責任者として立ち、野党議員を相手に共謀罪導入の正当性を主張したのが法務省刑事局長の大林宏だった。その詳細はあらためて述べるまでもない。

>この大林宏は、在中国一等書記官だった若き日に、何とあの北京から帰国した伊藤律を尋問していたのだ。そこには伊藤律の回想録が引用されて以下の証言がある。「大林は威圧的で、時
には旧特高式の睨みをきかせ、時には日本料理を食べないかとか、日本のえらい医師に私の病気をみさせようとか硬軟両方の手を使う。少しでも多く喋らせようとの魂胆がありありだ。
帰国後に判明したのだが、大林は法務省刑事局の幹部検察官で、当時『外務省出仕』となっていたのである。つまり本物の公安検察官だったのだ」。大林宏は、法務省刑事局から何かの怪
しげな目的で中国の日本大使館に赴任し、帰国した伊藤律の取調を担当していた。大林宏が単なる法務官僚ではない真相がよく分かる。この男は、漆間巌と同じく、(現憲法下の戦後日本
では消滅させられたはずの)「内務省」の「特高」であり、イデオロギー関係の任務すなわち思想警察の国策実務を担当する人生を歩んできた人間だ。日本の「思想警察」の長なのである

>この大林宏は1947年生まれの61歳。漆間巌は1945年生まれの63歳。年齢がとても近い。年齢が近く、二人に共通するのは、全共闘闘争の時代に学生生活を送っていることである。
団塊の世代だ。ほぼ同じ世代で同じ学生時代の経験を持っている政治家に、1944年生まれの町村信孝や1943年生まれの中山成彬がいる。どちらも強烈な反共イデオロギーの闘士である点は
同じで、生い立ちや学生時代の経験が政治思想に色濃く影響を及ぼしていることが推察される。漆間巌と大林宏の大学時代はどのようなものだっただろう。この団塊の世代で、反日本国憲法のイデオロギー的国策実務に従事して権力の階梯を登りつめた人間がもう一人いる。1948年生まれで61歳の田母神俊雄である。この男も安倍晋三に引き立てられ、航空自衛隊の幕僚長という最高権力者の立場だった。漆間巌、大林宏、田母神俊雄。

警察と検察と軍(自衛隊)の頂点の人間たち。こうして見ると、現在の日本がどういう国であるかがよく分かる。この現在の日本国と日本国憲法がどのような関係であるかがよく分かる。

>今の日本は、外形は違うが中身は戦前の大日本帝国と同じになっていて、過激な右翼のイデオロギーを内面化した人格が権力機構の頂点に立ち、彼らの理想と目標に従って統治が行われて
いる国家である。そう言わざるを得ず、その恐怖の事実に震え上がらざるを得ない。こうしてネットで自由に言論できているのが不思議に感じられるほどだ。
返信する
Unknown (SN)
2010-10-22 13:13:14
特捜部ー政治的意図(2008~2010年ーキヤノン、カンポの宿一括ゴールドマンサックスグループへの不正セール、大多数の真っ黒自民党議員へ一切の捜査無し)

偏向逮捕ー偏向起訴ー偏向捜査ー恫喝作文調書(作家検事)ー作文調書偏重判決(判検法務省一体構造)ー検事総長以下検察幹部の絢爛たる上場企業への天下りの梯子。

なんとかならないか。

村木裁判の判決主文→「何々の事実はない」としながらも調書を破棄したり、調書作成過程の検察の在り方に一切の文言がなかった→無罪としながらも検察の捜査と調書の瑕疵に全く言及しなかった明らかな偏向判決主文は上級裁判官組織から何らかの圧力あったとしか思えない。

官僚体制を保護する政治勢力ー法務省一法務官僚たる上級検察幹部(政治的意図を持って特捜部長から末端検事に出世させるから何でも起訴しろと尻を叩く)ー税務官僚(変則技師)

そして、おかしすぎる第五検察審査会の議事録すら開示しない超隠匿主義はまるで小沢氏を起訴するための不正ワンポイントリリーフのようだ。
マスコミも知らん顔。
小沢氏の不正リリーフが終われば検察審査会の在り方と透明性もいくらでも変えていいですよと言わんばかりだ。

法務経験のない癒着最高裁判官、捜査権限のない印をオスだけの癒着無能判事組織、意図を持って税金つかいまくり、天下りしまくりの癒着検察赤レンガ組法務官僚→はいはい、このような人間のクズ集団は即刻消えていただきたい。
返信する
国民主権は憲法上三権(立法行政司法)の上位である。 (通りがけ)
2010-10-22 17:37:50
最高裁裁判官を罷免(当然退職金なし)できるのは国民審査で不信任された時だけ。そして最高裁は裁判官三人の合議制を取っており、一人一人の責任が問えないようにしてある。ならば冤罪確定判決や憲法違反の判検癒着が疑われる最高裁裁定が国民審査期間中(総選挙と総選挙の間の4年間以内)にひとつでもみられたら(足利事件のように過去の冤罪が明らかになったものも含める:なぜならば最高裁の審理判決過程は昔から変わらないから過去の過誤過失憲法違反の責任も現職に連帯責任がある)、現職の裁判官すべてに連帯責任を負ってもらい、国民審査では自動的に全員を不信任とする投票をするよう全国民に広く周知して、政党に投票しなくてもいいから国民審査にだけは投票所へ行って最高裁裁判官全員に不信任投票するように呼びかければよい。

これは特定の政党を応援する宣伝ではなく、国民の憲法上の権利を行使するやり方を憲法に従って合法的に広報する行為に過ぎないから、何の選挙違反にもならない事だからね。

そしてなんびともこの最高裁裁判官を国民審査で罷免できる事実を知る権利を阻害されない。
返信する
Unknown (不気味)
2010-10-23 10:14:04
>信頼筋からの情報によれば、田母神幕僚長更迭の本当の理由は、昨年末、自衛隊各務原基地において警務隊がある文書を発見したことによるとされる。
 
>それには、麻生政権が崩壊し、民主党政権が誕生した場合、自衛隊有志が決起し、各務原から空自ヘリで幕張メッセに飛んで、幕張のあるホテルに首都圏制圧軍事拠点を構築し、国会周辺を実力で制圧しながら安倍晋三を臨時の軍事政権首相として擁立するという計画であったとされる。
 
>これを計画したのは、漆間巌や田母神俊雄、大林宏らの国粋主義政治グループであり、各務原基地の空自・陸自1034名がこれに賛同したとされる。他にも、岐阜など各地の右翼団体などに賛同者がいる模様。かつて活発な街宣活動を行っていて、このところ右翼としての活動を休止しているグループが組織されているようだ。
 
>漆間巌らは統一教会、国際勝共連合とも関係を持っている。アメリカCIAの工作員として活動した前歴もあり、日本における諜報工作の事実上の指揮官である。中曽根政権の登場した1980年代以降の、日本の右傾化、統制社会化を目指し、謀略を重ねてきた人物だ。

> 今回の小沢民主党破壊も、彼等の謀略であることは確実で、民主党政権誕生によって天下り利権を奪われる高級官僚たちの大規模な支持を受けている。

>漆間巌について
戦前型警察国家の謀略官僚人脈 - 漆間巌、大林宏、田母神俊雄麻生首相は漆間巌を更迭せず、問題の発言については「記憶にない」の一点張りで逃げ切らせようとしている。

>先週末、騒動が大きくなった時点の報道では、引責辞任必至の見方が示され、河村建夫や与党幹部の発言も辞任での決着を示唆していたが、蓋を開ければ、意外にもシラを切って開き直る強行策で突破してきた。

>いつもながら国民無視の政権と政府の姿勢に唖然とする。この不敵な開き直りの方針を決めたのは麻生首相だろう。身内でなく他人である二階俊博の首は簡単に差し出せるが、自分が抜擢した腹心の漆間巌は自分自身の分身であり、世論がどう反発しようが世論の言うとおりには従わないのだ。週末の段階の政府側の言い訳は、「発言は一般論で、実際に捜査に影響を及ぼしていない」とするもので、発言そのものを否定してはいなかった。

>「自民党議員には捜査は及ばない」と記者団を前にして述べた発言の事実は認めていたのである。おそらくこの釈明は、更迭も念頭に置いて名前を公表した河村建夫の収拾の線だろう。それが週末を挟んで覆され、「記憶にない」の強行突破に一転した。

>麻生首相の性格による強引な方針転換としか考えられない。「テープレコーダーの録音の証拠を出せ」と開き直っているのである。「一般論だった」という言い訳は、これが普通の自民党の政治家のケースなら聞き流せるが、官僚機構の頂点に立つ官房副長官の場合は問題なしには済まされない。

>政府の全ての情報が入る政府責任者が「自民党議員には捜査は波及しない」と言明したのだから、当然、それは政府組織内部の判断と動向の示唆になる。オフレコであれ、20人の記者団と3人の秘書官を前にして総理官邸で政府実務トップの官房副長官が発言したことであり、何も根拠のない憶測や妄言が口から出たということはないだろう。

>憶測や妄言であったとすれば、立場からしてあまりに無責任で不心得な発言であり、即解任されるのが当然の処分となる。「一般論」の釈明では辞任の結論だったから、それを麻生首相がひっくり返して、「記憶にない」の線で発言の物理的抹殺に出たのである。

>いずれにしても、漆間巌が検察の捜査方針の情報を知っていたのは間違いなく、それを堂々と記者団に開陳して得意になっていた事実は疑いようがない。

>この漆間巌について、人物の詳細情報がネットに出て物議が醸されている。国民が注視する中で飄々とシラを切る不敵な面構えを見て、これは並の官僚ではないなと誰もが推測するけれど、やはり経歴が不気味であり、それを見ると、いわゆる霞ヶ関の官僚の一般的な範疇の人物ではなく、諜報と謀略の工作畑を一貫して歩いてきた恐るべき諜報官僚の実像が鮮明に浮かび上がる。

>亀井静香のような単なる警察官僚ではない。もっと自衛隊に近く、警察官と言うよりもグロテスクな軍務官の実体である。経歴はこうなっている。

>1969年警察庁に入庁、1980年在ソ連日本大使館の一等書記官、1987年防衛庁陸幕調査部調査第2課調査別室長、1989年奈良県警本部長、2001年警察庁警備局長、2004年警察庁長官。産経新聞に警察庁長官を退官した後の2007年に寄せた記事があり、これは言わば日経の「私の履歴書」の右翼方面版のような回顧録のコラムだが、そこに警察庁に入庁した漆間巌がモスクワの日本大使館に赴任した当時の経緯が書かれている。

>漆間巌は警察庁が初めて送り込んだソ連駐在官であり、この男は大学でロシア語を学んでいた。漆間巌が何の目的で警察庁からソ連の日本大使館に派遣されたのか 、後の経歴を見るだけでそれを想像するのに難くない。

>スパイだったのだ。諜報工作のためにソ連に潜入した工作員だったのだ。ここ数日の新聞報道には、漆間巌の警察官僚としての経歴が賑々しく紹介されているが、防衛庁陸幕調査部第2課に所属していた過去について触れている記事はない。

>昔で言えば、陸軍参謀本部謀略課である。要するに漆間巌は、(憲法9条下の戦後日本では消滅したはずの)「特務機関」の生粋のエリートであり、その組織の最高幹部に登りつめた人間だった言うことができる。

>警察庁警備局長のときの2001年12月、漆間巌は東シナ海不審船事件の処理で安倍晋三(当時の政務の官房副長官)に気に入られ、安倍晋三の政治力で警察庁長官に出世したと言われている。これは事実だろう。

>実は、この漆間巌と非常によく似た経歴の人間が検察の最高幹部の中にいる。東京高検検事長の大林宏である。先週の3/6だったが、民放のテレビニュースの中で、小沢一郎本人の事情聴取を検察が検討しているという情報が流れ、その検討メンバーの報道が、地検特捜部長と高検検事長と検事総長の3人を挙げていた。

>それを聞いて、私はオヤと思ったのである。東京高検検事長は確かに検察のNo.2だが、わざわざ報道でそこまで言う必要があるかなと 不審に感じたのだ。そこで調べてみた。

>調べてみて愕然とした。今度の西松事件の捜査と小沢秘書逮捕の一件は、官邸の漆間巌と検察の大林宏の二人の連携作業なのではないか。

>その疑念を現在は濃くしている。果たして、大林宏の経歴は次のようになっている。1970年司法修習生、法務省刑事局、(時期は明確でないが)在中華人民共和国日本大使館一等書記官、1994年法務総合研究所教官、 1996年札幌地検次席検事、 1996年東京高検検事、1997年法務大臣官房審議官、1999年最高検検事、2002年法務省大臣官房長、2004年法務省刑事局長、2006年法務事務次官、2008年東京検検事長。検察の組織の序列では、1.検事総長、2.東京高検検事長、3.大阪高検検事長、4.最高検次長、5.法務省事務次官となっていて、法務省の事務次官などより東京高検の検事長がずっと上であり、通常、東京高検検事長が検事総長に就任する。

>漆間巌は国家公務員上級職から警察官僚、大林宏は司法試験に合格して検察官僚と出身に若干の違いはあるが、二人の歩んだ人生と職業のコースはよく似ている。

>大林宏の最初の職歴である「在中華人民共和国日本大使館一等書記官」、これは一体何だったのか。その真相を探る前に、まずわれわれが大林宏の名前を聞いて思い出すのは、3年前のあの共謀罪騒動の一件である。2006年の春、共謀罪を新設する組織犯罪処罰法の改正案が国会で審議された経緯は誰でもよく覚えている。

>その国会審議で、政府答弁の責任者として立ち、野党議員を相手に共謀罪導入の正当性を主張したのが法務省刑事局長の大林宏だった。その詳細はあらためて述べるまでもない。私が注目させられたのは、ネットの検索エンジンから出てきた一個の情報の切れ端で、そこには驚愕する内容が記されている。

>この大林宏は、在中国一等書記官だった若き日に、何とあの北京から帰国した伊藤律を尋問していたのだ。そこには伊藤律の回想録が引用されて以下の証言がある。「大林は威圧的で、時には旧特高式の睨みをきかせ、時には日本料理を食べないかとか、日本のえらい医師に私の病気をみさせようとか硬軟両方の手を使う。少しでも多く喋らせようとの魂胆がありありだ。

>帰国後に判明したのだが、大林は法務省刑事局の幹部検察官で、当時『外務省出仕』となっていたのである。つまり本物の公安検察官だったのだ」。大林宏は、法務省刑事局から何かの怪しげな目的で中国の日本大使館に赴任し、帰国した伊藤律の取調を担当していた。

>大林宏が単なる法務官僚ではない真相がよく分かる。この男は、漆間巌と同じく、(現憲法下の戦後日本では消滅させられたはずの)「内務省」の「特高」であり、イ デオロギー関係の任務すなわち思想警察の国策実務を担当する人生を歩んできた人間だ。日本の「思想警察」の長なのである。

>この大林宏は1947年生まれの61歳。漆間巌は1945年生まれの63歳。年齢がとても近い。年齢が近く、二人に共通するのは、全共闘闘争の時代に学生生活を送っていることである。団塊の世代だ。ほぼ同じ世代で同じ学生時代の経験を持っている政治家に、1944年生まれの町村信孝や1943年生まれの中山成彬がいる。

>どちらも強烈な反共イデオロギーの闘士である点は同じで、生い立ちや学生時代の経験が政治思想に色濃く影響を及ぼしていることが推察される。漆間巌と大林宏の大学時代はどのようなものだっただろう。

>この団塊の世代で、反日本国憲法のイデオロギー的国策実務に従事して権力の階梯を登りつめた人間がもう一人いる。1948年生まれで61歳の田母神俊雄である。この男も安倍晋三に引き立てられ、航空自衛隊の幕僚長という最高権力者の立場だった。

>漆間巌、大林宏、田母神俊雄。警察と検察と軍(自衛隊)の頂点の人間たち。こうして見ると、現在の日本がどういう国であるかがよく分かる。この現在の日本国と日本国憲法がどのような関係であるかがよく分かる。

>今の日本は、外形は違うが中身は戦前の大日本帝国と同じになっていて、過激な右翼のイデオロギーを内面化した人格が権力 機構の頂点に立ち、彼らの理想と目標に従って統治が行われている国家である。そう言わざるを得ず、その恐怖の事実に震え上がらざるを得ない。こうしてネットで自由に言論できているのが不思議に感じられるほどだ。


返信する
内通弁護士 (Unknown)
2010-10-23 13:14:13
城山タワー法律事務所(東京)の吉田繁美は、いつまでも逃げ隠れしないで自らが先導した第五検察審査会の数々の重大な瑕疵の責任をとらなければならない。
1.起訴事実にないことを起訴議決の強制訴因に追加して瑕疵的議決を先導している。

2. 暗黒の審査会の実質的にあった時間は数時間である。2000ページに及ぶ捜査書類を吉田は読んですらいない確率が極めて高いうえ結論ありきで、数時間の審査会を先導したか、あるいは会議すら行われていない可能性が高い。

3. 本来、この一連の案件の発端は、大問題が噴出している同時期、同体制の検察により逮捕、起訴が極めて恣意的に行われたことが平成21年12月の公判ではっきりしているにも関わらず、議論案件の判断材料を公平公正に説明する側であるべき補助弁護士が偏見の塊のような見解で議決を先導している「暴力団云々…」。
4.たった5日間のさらに限られた日数と時間、即ち数時間での偏見弁護士による偏見先導というより、そもそも議会は本当に正当な手続きで存在したのか?

5.議会録すら公開できない幻の会議は小沢氏代表選出馬に慌てた畜生道を突き進む連中による、慌てふためいた出来レースのズサンな結果だ。

6.その片棒を担いでいるとしか考えられない吉田繁美は、事実とするなら人間として絶対にやってはいけないことをした。
反省のカケラもない男には亡くなってから相応しい場所が待っている。
返信する
Unknown (Unknown)
2010-10-23 15:41:16
石川議員の「起訴事実にない訴因を捏造」して小沢議員の起訴議決を強行した吉田繁美は即刻に逮捕起訴されるべきだ。

人間を起訴するか不起訴にするかという極めて重大な準司法手続きを愚弄して、意義とプロセスの捏造そのものである。

村木事件で罪を捏造した検察と同罪の罪を捏造する補助弁護士が吉田繁美である。
返信する
Unknown (通りがけ)
2010-10-23 19:27:19
>村木事件で罪を捏造した検察と同罪の罪を捏造する補助弁護士が吉田繁美である。

それでは検察庁に告発して大林検事総長に起訴していただけばよいな。検察庁の威信回復になる。
東京地裁や高裁が行政法でなく刑訴法で争えというならお望みどおり刑事告発で争えばよい。却下裁定した裁判官も浮かれてはいられなくなるが、身から出た錆だから致し方なかろう。

吉田弁護士については不起訴になれば被害者小沢氏自身が検察審査会開催を請求できる。その審査のなかで第五検察審査会の実態が明らかになるだろう。
返信する
Unknown (Unknown)
2010-10-24 18:06:25
検察・検審を糾弾するデモ

http://www.ustream.tv/recorded/10387695
返信する