山口屋~活動日誌~

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電線 H PH 硬銅より線 高速シンプル架線 高速ヘビーシンプル架線

2016-05-11 20:57:36 | 工学
直流抵抗[ohm/m]から導電率[S/m]、抵抗率[ohm*m]に換算する際は公称半径ではなく計算断面積を用いるので注意。

<H,PH>

硬銅より線を指し、Hが一般用(1種)硬銅より線、PHが架空送電線用(2種)硬銅より線で、JIS規格にも定められている(JIS C 3105:素線数/素線径、計算断面積、公称外径、直流抵抗)。
素線は電気用硬銅線(JIS C 3101:導電率)。

例えば、「H38」は以下の諸元である。
・素線数/素線径:7/2.6[mm]
・計算断面積:37.16[mm^2]
・公称外径:7.8[mm]
・直流抵抗:0.484[ohm/km]
(素線導電率:素線径2.0mm未満で96.0[%]以上、素線径2.0mm以上で97.0[%]以上)

東海道新幹線では、ヘビーコンパウンド架線に代わって、高速ヘビーシンプル架線が導入されるとのこと(1)。吊架線は硬銅より線200mm^2とあり(2)、使用されると思われる「PH200」は以下の諸元である。
・素線数/素線径:37/2.6[mm]
・計算断面積:196.4[mm^2]
・公称外径:18.2[mm]
・直流抵抗:0.0920[ohm/km]
トロリ線も、硬銅トロリ線に代わって、銅合金トロリ線が使用される(2)。

参考
(1) JR東海ニュースリリース 2014.09.26 【社長会見】東海道新幹線における次世代架線の導入について
(2) 小西 弘:JR東海 東海道新幹線向け高速シンプル架線の開発、JRガゼット、Vol.73, No.10, pp.13-16、2015
・小西 弘, 小峯 裕史, 安藤 元, 寺田 泰隆:東海道新幹線向け高速シンプル架線の開発、JREA、Vol.58, No.1、2015
・鉄道・運輸機構:高速(CS)シンプルカテナリ式

<用語>

より減り率:ロープのよりに基ずいて生じる効率の低下、すなわち集合破断荷重に対するロープの破断荷重の差(%)をいう。
Ls=(1-B/Bw)×100
Ls:より減り率
B:ロープの実際破断荷重
Bw:素線の集合破断荷重

より込み率:ロープの長さとそれに使用された素線1本の長さとの差を百分率で表わしたものをいう。(距離が長くなる割合なので、直流抵抗もこの割合で大きくなる。)

参考
ワイヤロープ【ロープファクトリー】:用語集

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