四季折々 やぶさか真佐の吉野だより

世界遺産の地 吉野から怒れるおばちゃんの四季折々をお届けします。

下市中学校入学拒否に地裁仮決定

2009年06月27日 07時31分11秒 | Weblog
 下市町に住む脳性まひの明花ちゃん(12才)が、下市中学校への入学を拒否された問題で、奈良地裁が「下市町教育委員会は、明花ちゃんの就学すべき中学校として下市中学校を仮に指定せよ」という決定を下しました。良かった良かった。

 この春、吉野山を訪れた明花ちゃんのようすをテレビで見て、「なぜ、友人たちと下市中学校へ進学できないのか」怒りに近い疑問を持っていました。番組では、阿知賀小学校で生き生きと学ぶ様子や成長発達のために涙ぐましい努力をする様子が放映され、子どもの発達の可能性の大きさに感動しました。

 担任の先生の温かいまなざしや級友の自然体の優しさなど、6年間の小学校生活が充実していたことが十二分に伝わってきました。一人の子どもの教育を受ける権利を保障し続けた教師集団や保護者の皆さんに尊敬の念でいっぱい。

 県の教育委員会への働きかけを続けた共産党の今井光子県会議員が「明花ちゃんの家を訪ねた時、赤毛のアンの第1巻を暗唱していて、すらすら話し出したのには、びっくりしたよ」と話していたのを聞いて、ますますびっくり。こんなに長い文章を・・。言葉遣いも丁寧で的確。うちの孫たちとは・・。

 女性議員たちで壷坂寺の見学に行った時、階段に簡単な電動施設があるのを見て、「下市中学校にどうかな」と盛り上がりました。介助員2名の予算化は、3月議会で承認されており、就学のための工夫や努力がされていないことを裁判所は指摘しています。

 地裁仮決定を見せてもらった時、認定に際し、
・「生徒が何ができないかとの観点からのみ判断するのではなく、どのような能力が残され、何ができるのかとの観点から将来の可能性を信じ・・」
・「中学校は、わずか3年間しかないのに既に失われた時間が3ヶ月近くに及んでいる」
・「償うことのできない損害を避けるために・・教育委員会は、下市中学校を仮に指定せよ」
等の文言に胸が熱くなりました。弱者を虐げるたり、異質なものを排除することを当たり前とする風潮になりつつある時に、なんという温かい判断だろう。裁判員制度の中でもぜひ、活かして欲しい法の精神です。

 先日のテレビで、お父さんが言っておられた言葉も印象的です。「万一、学校で事故が起きても責任追及をしようとは思っていない。」
 ひたすら子どもの夢を叶えようとするご両親のありようにも、学校教育は、どうあるべきかを考えさせられました。

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