公設学童の、保育内容の充実、6年生までの対象の拡大は、保護者の切実な願いです。
市の考えを問いました。
大項目の2 真に「生活の場」としての放課後児童クラブの充実について、質問します。
学童クラブは、親にとっては、安心して働き続けることができる施設として、子どもにとっては「安心できる生活の場」「仲間と共に成長できる場」としてつくられてきた施設です。放課後児童クラブとして、H24年4月に制定された「子ども子育て支援法」に位置付けられ、制度的にも財政的にもようやく光が当たるようになりました。
施設、運営、指導員の処遇、保育の質などの点で目指すべき指針として示された「放課後児童クラブ運営指針」に基づき、本市放課後児童クラブをさらに充実させていくことが求められます。
そこで(1)障がいのある子への支援体制について、質問します。
障がいのある子どもの受け入れは、適切な配慮及び環境整備をおこない、可能な限り受け入れに努めるよう、運営指針に示されました。
障がいのある子の受け入れに対して加配した指導員の人件費に補助もつくことになり、受け入れはすすんできています。
しかし、特別の支援を必要とする子どもには、単に人を一人配置すれば済むというだけではすみません。一人一人の状況に応じた対応が必要となます。そこで、以下の点について伺います。
①適切な環境整備について
運営指針には適切な環境整備が必要だとあります。子どもによっては、大きな集団の中では、落ち着いて過ごせないこともあります。一人で、あるいは少人数で過ごせるような部屋なりスペースなども必要ではないかと思いますが、そのような環境整備は行われているのか伺います。
② 学校・家庭・学童クラブ相互の連携の仕組みについて、伺います。
学校・家庭・学童クラブが相互に連携し、情報共有・情報交換することで、指導員にとっては子どもの状態をより正確に把握することができ、適切な対応につながります。障がいのある子が学童クラブで安心して生活していくためにはとりわけ重要です。
そこで、学校・家庭・学童クラブ間の相互の連携が、指導員や先生の個人的な関係や努力としてではなく、組織としての共通認識としてしっかり位置付けられている必要があると思いますが、いかがでしょうか。
次に(2)必要とする子に、安定した生活の場の提供を求めることについて、質問します。
学童クラブは、働く保護者の子どものための施設として出発したものではありますが、ひとたび学童での生活が始まれば、そこに通う子どもにとって安心して生活できる場として運営していかなければなりません。そこで、以下の点について質問します。
① 本市公設学童クラブでは、「5~6年生は、自立と社会性を育む時期」として、対象学年を4年生までとしていますが、5~6年生になっても学童クラブを必要とする子どもはいます。児童福祉法も改正され、学童クラブの対象は6年生までとなっています。安心して働き続けたいという保護者の要望をしっかり受け止め、6年生までの拡充を求めますが、いかがでしょうか。
②本市公設学童クラブは、母親の育児休暇中は退所しなければなりません。学童クラブで仲間との生活の場を持ち過ごしている子どもにとって、親の都合で退所しなければならないということは、子どもの立場からすれば、急に仲間との生活の場がなくなってしまうということです。育児休暇が終わればまた入所が必要になるとわかっている場合、継続を希望する子どもには在籍を認めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
答弁 教育次長
集団生活の中で、時として不安定な状態になるなど特に配慮を必要とする児童への対応として、事前に学校と調整し、子どもに応じた落ち着かせる場所、いわゆるクールダウンスペースを確保しています。
学校・家庭・学童クラブの相互の連携については、障害などにより、特に配慮を必要とする児童については、放課後児童支援員と青少年課職員が学童クラブ入会・申請書の記載内容により事前にその対応方法について確認しています。また、学童クラブ入会後の状況で課題が生じた場合は、速やかに担任教諭や保護者を交えた情報交換などを行うなどして対応しています。今後もこれらの対応について、支援員同士の共通理解をはかり、学童クラブでの支援内容の充実に努めてまいります。
本市では小学1年生から4年生までの低学年中学年は、周囲の見守りや指導により自主性や自立性が育つ時期であり、高学年の5・6年生は放課後を自ら律し生活することで自立性と社会性を育む時期であるとしています。今のところ5・6年生の受け入れの予定はありません。
学童クラブは保護者の就労支援や核家族化に対し、放課後の児童の居場所を確保するために運営しています。一方で、放課後は親と一緒にいたいと思う子どもの自然な感情にも配慮が必要です。こうした状況をふまえ本市においては育児休暇などのように、比較的長期にわたり保護者が家庭にいる場合には、病気や家族の介護などで児童の面倒をみることができないなどの特別な事情を除き原則として育児休暇中の利用は受け入れないこととしています。
再質問
あくまでも学童クラブは学校が終わって「ただいま」と帰ってから始まる放課後の自由な生活の場です。発達障害のある子どもの中には、学校生活とは、異なる姿を見せることもあります。そのような子どもの行動を理解し適切に対応していくためには、学童クラブとしても、特別支援教育の専門家からの具体的なアドバイスが必要になることもあると思います。そういうときに指導員を支援する体制も含めて、それぞれの場所で子どもにかかわる大人たちの連携がうまく進むように、教育委員会がしっかりとイニシアチブをとってほしいと思います。