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「環境ビジネスの仕組み化」に挑む社長のブログ  ~将来世代からの「ありがとう」のために~

「環境に配慮したビジネスの仕組みを創る」それが当たり前の世の中にしたい。 100年後も豊かに暮らせるように…

廃棄物処理業の6次産業化

2010-10-21 07:58:20 | Weblog
先日前原大臣が講演で「FTA(自由貿易協定)の交渉で懸案となる農業保護。この就業人口は1.5%にすぎず、その保護にその他98.5%ががまんを強いられている」旨発言されていました。

農業は今国際的にも、国内的にも大きな岐路にさしかかっています。日本の国内自給率が低い(先進国中最低の40%)ため、食料供給源としての機能や昨今の自然ブームなどで寄せられる大きな期待。

一方、農家は高齢化が進み、依然として低収入にあえぐ中、就業人口は減少傾向に歯止めがかからない…。

そんな中、今の農業に対する将来の成長可能性として「6次産業化」があります。

自分で農作物を栽培する(1次産業)に加えて、それを自ら加工(2次産業)し、さらに自ら加工食品を販売(3次産業)する。
「1+2+3次産業=6次産業」というわけです。

さて、ここから本題です(長い前置きやな~)。

昨日、定例の「廃棄物リサイクル研究会」を開催しました。これは、同分野における法律遵守やビジネスチャンスなどを通して自社と産業社会の発展を実現する「あるべき姿」を目指そうとする自主勉強会です。

ここで、参加メンバーからご紹介いただいた事例が「廃棄物処理業+堆肥製造+農業」というビジネスモデルでした。

食品リサイクル事業で食品系廃棄物を堆肥化する取組みはよくありますが、生産した堆肥が農家に利用を拒否されて流通が行き詰まり、挙句の果てには野積みされて異臭を放ち、廃棄物の不法投棄として事件になるトラブルが頻繁に発生しています。

同社は、品質管理を徹底した製品づくりを行っている自負があるため、「使えば分かる」とばかりに自社で農業へ進出、「使ってみせて」「使わせて」「評判を得て口コミが広がり」(←山本五十六の「人を動かす名言」に近い!)、いまや「需要に供給が追い付かない」くらいの反響とのこと。

とはいえ、最大のハードルは農業。

自社でやるといっても、そこには様々な壁が立ちふさがります。「栽培技術」「地域との融合」「農作物の販売ルート」などなど…。

同社の担当者は、同社本業の廃棄物処理(異業種)から農地へ乗り込み、苦節9年かかってこれらの課題を次々とクリア。農業だけで十分に独立採算が見合うところにまでたどりついてきたとのこと。

「廃棄物処理(3次産業)+堆肥製造(2次産業)+農業(1次産業)」というまさに6次産業化のビジネスモデルです。

廃棄物処理だけでは、昨今の排出減少やリサイクル志向で成長イメージを描きにくい構造となっていますが、これなら比較的簡単に成長イメージを描けます(勿論、実現にはいろいろハードルもありますが)。

「廃棄物が減っても成長発展できる処理業経営」

私が今最も力を入れて研究しているテーマに光が見えてきた気がしました。