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DOCOMORO100

モダニズムだけじゃない建築ブログ

超えろ限界!台風粉砕’10東京・熱海・横浜建築探訪 その31「関内にも・・・」

2010年12月06日 23時29分01秒 | 建築
 実はどうしても苦手な建築が有って、何とここ関内でも出会ってしまった。それは…東京都23区内でよく見かける、歴史的建築物の上に高層棟を乗せたような建築である。そのような建築を見る度に違和感をおぼえる。個人的に“四天王に踏みつけられた邪鬼建築”と呼んでいる。建築に罪は無いが…。「横浜地方裁判所」も1929年に建てられた歴史的価値有る建築だったのに、見事に踏みつけられていた。「ヨコハマ建築・都市物語」の写真ではまだ高層棟は写っていない。調べてみると2001年頃にこうなったらしい。歴史的建築物風の低層は復元されたものだそうで、アンモナイトに似た袖壁もオリジナルではないとのことだ。はたして復元の必要性は有ったのだろうか。

「横浜地方裁判所」
設計者:大蔵省営繕管財局(旧建物) 竣工:1929年(旧建物)
横浜市中区日本大通9

超えろ限界!台風粉砕’10東京・熱海・横浜建築探訪 その30「逆光のキング」

2010年12月05日 10時22分11秒 | 建築
 mさんに長期貸与(笑)をお願いしている「ヨコハマ建築・都市物語」によると、「神奈川県庁舎」は何と4代目であるとのこと。1928年の竣工であるが、その前に3代も代替わりしている。さすが横浜。
 さてその神奈川県庁舎の塔が“キングの塔”であるが、写真を撮影したのは丁度逆光となる時刻であった。
 外装の質感を確認するには、新庁舎との通路が架かる裏側の写真が良い。

 スクラッチタイルやハチマキ部分のイボイボ装飾が強く印象に残る建築だ。

「神奈川県庁舎」
設計者:小尾嘉郎/神奈川県内務部 竣工:1928年 横浜市中区日本大通1

超えろ限界!台風粉砕’10東京・熱海・横浜建築探訪 その29「キングじゃないよ」

2010年12月04日 15時18分15秒 | 建築
 「ジャックときたら次はキングだろう。」と思われる向きも多いであろうが、先に「神奈川県新庁舎」をアップする。この青系外壁タイルは、札幌では同じ坂倉建築の「パークホテル」が在る。近寄ってみると以下の写真のように、単なる真っ青なタイルだけのデザインではないのが分かる。茶系も混ぜてあの微妙な色合いを作り出していた。

 新庁舎とは言え1966年の竣工であるから、もう44年も経っている。モダニズム建築の大作だ。

「神奈川県新庁舎」
設計者:坂倉準三 竣工:1966年 横浜市中区元浜町1

超えろ限界!台風粉砕’10東京・熱海・横浜建築探訪 その28「豆の木じゃないよ」

2010年12月03日 14時51分01秒 | 建築
 以前「ジャックと言うと、豆の木ですか?」そんなことを言ってmさんを驚かせた。「いや、他にキングとクイーンも在って…。」横浜に関してあまりにも無知だった為、とんでもないエピソードを作ってしまった。今回の横浜探訪でやっと豆の木ではないジャックの塔を見ることが出来た。
 さてそのキング、クイーン、ジャックのなかで私はこの“ジャック”「横浜市開港記念会館」が一番好きである。辰野式の外観もそうだが、もっと気に入った点は例えば下の写真のようなアールヌーヴォー調のステンドグラスなどである。

鉄骨の螺旋階段の手すり子内にもアールヌーヴォー調のデザインが施されている。

「私はアールヌーヴォーが結構好きだったのだ。」と気付かされた建築である。

「横浜市開港記念会館」
設計者:福田重義 竣工:1917年 横浜市中区本町1-6
国指定重要文化財

超えろ限界!台風粉砕’10東京・熱海・横浜建築探訪 その27「素晴らしき仕上げ」

2010年12月02日 12時33分04秒 | 建築
 トップの写真は「旧横浜商工奨励館/横浜情報文化センター」の入り口ではなく、1階に入っているカフェの入り口である。格好良かったのでこちらの写真を使ってしまった。
 勿論情報文化センターの入り口も良い雰囲気だし、内部に入るといきなり以下の写真のような素晴らしい意匠の階段を見る事が出来る。

 「上は見なくて良いのかい?」というpenkou師匠の言葉に促され、penkou師匠とmさんを1階に残し1人で上部階まで登って行った。そこには貴賓室などが有る。
 また、隣接の新しい建築内部には巨大な輪転機が設置されていた。嘗て新聞を印刷していたものである。

 勿論現在は新聞を印刷していないが、電光の掲示板が付属してあって、核兵器の廃絶を訴えていた。

「旧横浜商工奨励館/横浜情報文化センター」
設計者:木村龍雄・横浜市建築課 竣工:1929年 横浜市中区日本大通11

超えろ限界!台風粉砕’10東京・熱海・横浜建築探訪 その26「ザガ-ト対決」

2010年12月01日 11時35分47秒 | 建築
 タイトルが?マークの方は大勢いらっしゃることだろう。「三井物産横浜ビル」とくれば、“日本初の全躯体鉄筋コンクリート造”と誰もが思う。その日本初RCの躯体を、今も光輝くタイルが覆っている。
 裏に繋がる倉庫も、同じく遠藤於菟氏の設計である。こちらのタイルは少し風合いが違うが、倉庫らしくて良い。

 さて、では何故「ザガ-ト対決」なのかと言うと…。倉庫の横にアルファロメオの1600ジュニアザガ-トが停まっていたのである。こちらに反応してしまうのは悲しき性。それで「何で対決なのか?」と言うと…。

 下の写真は札幌のザガ-トである。ロータス乗り(ロータス持ち?…情けない)の小生の愛車であるはずはないが、とても格好良いので以前撮影しておいた写真である。

 横浜のザガ-トも綺麗だった。さてどちらが光っているか?

「三井物産横浜ビル」
設計者:遠藤於菟 竣工:1910年 横浜市中区日本大通14

超えろ限界!台風粉砕’10東京・熱海・横浜建築探訪 その25「網の中」

2010年11月30日 17時07分00秒 | 建築
 トップの写真は手前から「旧日本綿花横浜支店・同倉庫」で、その後そのまま「旧関東財務局・旧労働基準局」となった。
 RC造の建築の外装をスクラッチタイルで飾っているのだが、何かひっかっかる。近くに寄ってみると両館共亀甲網で覆われていた。タイル剥落の危険でも有るのだろうか。mさんに理由を聞いたかもしれないのだが、忘れてしまいました。済みません。mさん何ででしょう?
 スクラッチタイルの色合いは両館で違う。これも不思議である。設計者は関西で有名な渡辺節氏だ。横浜にも渡辺節建築が在ったのだと帰宅し調べて驚いた。

 網間のエントランスのレリーフが印象に残った。

 上の写真が1927年竣工を示す刻印である。網の中からど根性な雑草が飛び出していた。
 今年の3月まで「ZAIM」というアーティスト、クリエーターの活動拠点であったそうだが、閉館してしまったのは残念である。

「旧日本綿花横浜支店・同倉庫/旧関東財務局・旧労働基準局/旧ZAIMU」
設計者:渡辺節 竣工:1927年 横浜市中区日本大通34

エコノミー症候群寸前!福岡は遠かった’10福岡建築探訪 その15「これもデコン系?」

2010年11月29日 18時34分38秒 | 建築
 融合した量塊に波打つ屋根。ここにもデコン系が在った!と思わせる建築だ。

 ただ内部はオーソドックスに設計されている。実は前の記事の「西日本総合展示場」と軸線が合っている。一体の計画なのだろう。デザインは全く違うのだが。
 JIAの大会で朝から夕方まで居たので、様々な場所を覗くことが出来た。今回の福岡探訪では磯崎新建築を5つも見ることとなった。

「北九州国際会議場」
設計者:磯崎新 竣工:1990年 北九州市小倉北区浅野3-9-30

超えろ限界!台風粉砕’10東京・熱海・横浜建築探訪 その24「逆三角形」

2010年11月28日 11時15分45秒 | 建築
 竣工年数を見て「もう30年以上も経っているんだ!」と驚いた。オレンジのユニホーム“マルは”大洋ホエールズが川崎球場から横浜球場に本拠地を移した際、スタジアムが洗練されたデザインだったので子供心に感心した。特に逆三角形のナイター照明設備はとても格好良く見えたものだ。

 この日は中日ドラゴンズとのデーゲームであったが、まさか試合観戦などするはずもなく横を素通りした。いつかセパ交流戦の横浜VS日ハム戦で来たいなと思う。

「横浜スタジアム」
設計者:創和設計 竣工:1978年 横浜市中区横浜公園

エコノミー症候群寸前!福岡は遠かった’10福岡建築探訪 その14「吊ってます」

2010年11月27日 19時00分45秒 | 建築
 北九州市には磯崎新建築がいくつも在って、その一つ「西日本総合展示場」は駅から高架通路を通って行ける。16本のマストから出たワイヤーに吊られた屋根が見えてくる。下から見上げると巨大な帆船のようだ。竣工は1977年ということで結構時間が経過しているが、竣工当時はとても斬新な構造だったと思う。

 内部はとても巨大な空間なのだが、この日は囲碁の大会が開かれていた。物凄く広い会場にこれまた凄い数の棋士が熱戦を繰り広げていた。

「西日本総合展示場」
設計者:磯崎新 竣工:1977年 北九州市小倉北区浅野3-8-1

超えろ限界!台風粉砕’10東京・熱海・横浜建築探訪 その23「謎のモダニズム建築」

2010年11月26日 09時39分48秒 | 建築
 嘗てmさんのブログでも設計者が不明ということで話題になった「神奈川県警察本部尾上町分庁舎」である。横浜スタジアム近くの、なかなか良い場所に建っている。

 何やら不思議な魅力を発するモダニズム建築なのだが、正直「よく残っているなー…」とも思った。使われていないようで、実はまだ現役らしい。謎が謎を呼ぶ不思議建築である。本当に一体誰が設計したのだろう。
 オランダのモダニズム建築並みに大きな開口が連続していて、是非内部に入ってみたいと思わせる。プロポーションも魅力的な建築である。

「神奈川県警察本部尾上町分庁舎」
設計者:? 竣工:?年 横浜市中区尾上町1-1

エコノミー症候群寸前!福岡は遠かった’10福岡建築探訪 その13「ちょっとデコン」

2010年11月25日 08時52分10秒 | 建築
 まだ記事にしていないのだが、博多にジョン・ジャーディ設計の「キャナルシティ博多」が在る。北九州市の小倉にはこの「リバーウォーク北九州」が在る。小樽の「ウイングベイ小樽/旧マイカル小樽」もそうだ。他にも日本各地にジョン・ジャーディの商業施設が在る。その中でリバーウォーク北九州は良く計画されているのではなかろうか。形状はちょっとデコンぽい。5市が合併して出来た北九州市を表わすように、5つの建築物の集合体となっている。その間を縫って歩くのは結構楽しい。建築内に球体が存在するのもお得意の手法だ。

 ウイングベイ小樽などはジョン・ジャーデイにしては地味な感じだが、リバーウォーク北九州は丁度良い規模で、丁度良い頑張り具合に思える。

「リバーウォーク北九州」
設計者:ジョン・ジャーディ/ザ・ジャーディパートナーシップ、日本設計
竣工:2003年 北九州市小倉北区室町1-1-1

超えろ限界!台風粉砕’10東京・熱海・横浜建築探訪 その22「次は市庁舎」

2010年11月24日 18時34分05秒 | 建築
 巨大な「旭川市庁舎」!ではない。村野藤吾氏設計の「横浜市庁舎」である。RCの柱、梁の間を埋めるレンガタイルが旭川市庁舎にも似ている。竣工も同時期で、旭川が1958年なので一年早い。同じく1958年竣工の「弘前市庁舎」の低層棟も、RCの柱梁とレンガタイルの外観を持つ。村野藤吾氏(横浜)、佐藤武夫氏(旭川)、前川國男氏(弘前)と設計者はみな違うのだが。
 弘前市庁舎などは休日でも入館出来たりしたのだが、横浜市庁舎は入れなかった。残念である。エントランスへの動線の、外部床タイルの貼り方がデザインされていた。恐らく内部でも目を引くディテールが沢山有るのだろう。


 トップの写真の右下にほんの少し“APEC開催”の横断幕が写っている。APEC開催中はこの近辺をニュースでよく見た。探訪した時のことを思い出しながら、あまりの警官の人数にちょっと苦笑いしてしまった。

「横浜市庁舎」
設計者:村野藤吾 竣工:1959年 横浜市中区港町1-1

エコノミー症候群寸前!福岡は遠かった’10福岡建築探訪 その12「良い外装材」

2010年11月23日 17時39分47秒 | 建築
 この建築の外装が面白い。図書館側から歩を進めると、まず生垣と瓦屋根が見えてくる。

 この生垣と瓦屋根との高さが絶妙で、しかも屋根が長いので格好良い。エントランスまで行くと陶板や石垣などが用いられていて独特の雰囲気だ。内部には松本清張の書斎が再現されている。
 そう言えば昔ツーリング仲間のK君と、「太宰治と松本清張が同い歳」という話をしたことがある。太宰治は少し古く松本清張は現代作家というイメージだったので「意外だなあ」と驚いた。もっとも松本清張がデビューしたのは太宰治が亡くなった後なのだが。

「北九州市立松本清張記念館」
設計者:宮本忠長 竣工:1998年 北九州市小倉区城内2-3

超えろ限界!台風粉砕’10東京・熱海・横浜建築探訪 その21「怒涛の横浜編開始!」

2010年11月22日 09時55分04秒 | 建築
 まさに“怒涛”と呼ぶにふさわしい建築探訪が今開始されようとしている。熱海から横浜、関内へと移動し、まずはmさんと合流した。目の前には前川建築「横浜市教育文化センター」が逆光の中そびえ立っていた。
 外装材はお得意の打ち込みレンガ調タイルである。目地の一部に充填材が見られたので、PC板に打ち込んだタイプであろう。これも「国立西洋美術館新館」をはじめよく見られる前川事務所の手法だ。

 外灯のブラケットは中世ヨーロッパの教会建築の装飾の様に突き出している。ガーゴイルでも彫られていたら面白いが…。

 エントランスから中に入ると、見覚えの有る作風の彫刻が設置されていた。流政之氏の「ワ―グマン像」であった。説明文によるとイギリスから来た特派員ワ―グマンのお祭りが、毎年2月8日に山手外国人墓地で開かれているという。

 エントランスホール吹き抜け部分の手摺などを触っていたら、penkou師匠がいらっしゃった。いよいよ本格的な“一気呵成”怒涛の建築探訪が始まるのであった。

「横浜市教育文化センター」
設計者:前川國男 竣工:1974年 横浜市中区万代町1-1