極東アジアの真実 Truth in Far East Asia

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世界の朝食事情・朝食の意義

2017-10-13 18:21:51 | 日記

世界の人達は、どんな朝食を食べているだろうか・・・

世界には70億人以上の人がいて、毎年増え続けています。そのうち8億4千万人以上の人が満足な食事ができずに苦しんでいます。最貧国では1日に1~2回程度の食事しかすることが出来ないとも言われています。(2016・農水省資料)

昨今、朝食をほとんど食べていない日本人男性は20才代で21.0%、30才代で21.4%と、2割を超えています。女性の方は、20代で14.3%、30代で10.6%と低めですが、朝食をとらない人は増えているようです。

 

古来、日本は朝夕2回しか食事をとらず、江戸時代に入ってからもその慣習は受け継がれていたようです。1日2食の慣習が崩れ、1日3食が一般に行われるようになったのは、元禄年間(1688~1704)とも言われています

1日2食が3食になったのは、近代化により長時間の活動によるエネルギー量の増加が理由という説もあります。2食が3食になったきっかけは、発明家で有名なエジソンが、1日3食を強く勧めていた事が大きく影響したとも言われています。

パン焼きトースターの発明をきっかけとして、トースターを売る為、電気需要を高める為、1日3食を宣伝したとも言われています。エジソンはマスコミを介し、人は1日2食では不健康、3食にすべきと、もっともらしく提唱、3食にさせたそうです。おかげでトースターはバカ売れしたそうです。やはり、生活が豊かになってくると、食べものも手に入りやすくなり、時間も多くなるので2食から3食へと変化して行ったように思えます。

 

朝食に対し、以下のような研究結果もあります。

***朝食を取らないと・・・

朝食を抜くと、心臓・血液の健康に悪影響をもたらす。

朝食を食べている生徒の方が学校の成績が良い。

調査をよく読むと、殆んどは観察研究(対象とする集団に対して研究者が何の介入もしないで、健康・疾病に関するデータを集めて観察する研究手法)です。既存のデータを眺めて仮説を導き出そうとしただけとも言えそうです。

被験者グループを一定の条件下に置いて実験を行う、介入研究(疾病と因果関係があると考えられる要因に積極的に介入して、新しい治療法や予防法を試し、従来の 治療法・予防法を行うグループと比較して、その有効性を検証する研究手法)とは異なります。問題は、体内で起こっていることはどれも非常に多面的なもので、数え切れないほどの要素に左右されていると言われています。

朝食を食べている生徒の方が家庭収入が高く、その影響で学校の成績も良いのかもしれませんが、相関関係と因果関係は別物です。

古くて、今では有効でないとされている研究成果が、広く一般に根づいてしまっていることがあります。少量の食事を、1日の中で何度にも分けて摂ると、代謝が活発になると言うのもその一つです。これが時とともに変化して、朝食は健康的な食生活の大黒柱という思い込みになったと言われています。

1日の食事回数は、短期的には食物の産生熱量(TEF)に影響を及ぼすそうです。TEFとは、消化吸収や栄養素を体内に行きわたらせるのに使われるカロリー量ですが24時間のトータルで考えたら、結局は同じことです。

栄養に関する学術誌「The British Journal of Nutrition」に発表された研究で、被験者を1日3食と6食のグループに分けて追跡したところ、摂取カロリーと栄養価の総量が同じならば、代謝量も変わらないと分かったそうです。

 

***食事のタイミング

過去、臨床栄養学の学術誌「The American Journal of Clinical Nutrition」の論文では、ボランティアの被験者を朝食を食べるグループと食べないグループに分けて、食べるグループなら1日も朝食を抜かさない、食べないグループなら毎日抜かす・・・結果、普段の食習慣をそのまま続けることになった被験者と、変えることになった被験者が出ました。

16週間後に身体測定を実施したところ、有意な体重減少が見られた被験者は1人もいませんでした。全体の平均では、減量したのはわずか1ポンド程度(約0.5kg)、グループ全体では朝食を抜かそうが食べようが体重にはまったく影響しなかったそうです。

似たような研究で、期間が12週間の場合、やはり朝食を食べる、食べないに関わらず、体重の減量幅に有意差は生じませんでした。

ただし、こちらの実験では、被験者は減量自体には成功していて、普段と食習慣を変えるように指示された被験者は、特に減量が大きかったそうです。

要するに朝食なんて、「食べても食べなくてもどちらでも良い」ということになります。

朝食を抜くと、認知機能や代謝に悪影響があるという説は間違った観察研究に基づいていたことは、最近の研究で分かってきたそうです。

対し、現代社会では、心身とも酷使されており、朝食は必用不可欠との説もあります。

 

*****  

世界の朝食の一例

世界では、どのような食べ物が朝食となっているでしょうか?

*北朝鮮

豪華版では焼き魚、焼き豆腐、目玉焼き、キムチ、ミソチゲ(野菜、豆腐、キムチ、味噌等のスープ)が定番です。北朝鮮のキムチは韓国に比べ唐辛子の量が控えめで余り辛くないとも言われています。一般的家庭の朝食は、ご飯とキムチ等の質素な朝食が多いようです。

 

*パプア・ニューギニア

昨今はオーストラリア米が輸入されているものの一般家庭では、サツマイモやタロイモ、ヤムイモなどのイモ類を朝食として食ベる人達も多いようです。

 

*イラク

朝、冬にバクダット市民が好んで食べる朝食の一つが、パチャです

パチャは、牛の頭部の骨付き肉と内臓などをよく煮込んだ料理です。そのパチャをティシュリーブ(ソラマメと肉と野菜の煮込み料理)というスープに浸したパンの上にかけて、一緒に食べます。前日から作って、朝に食べる場合も多いとも言われています。

 

*台湾

若者は、洋風のサンドイッチやトーストが人気あるようです。

以下の3品は定番です。

豆漿(トウジャン・豆乳)、蛋餅(ダンピン・小麦粉の薄い皮にネギの入った溶き卵を重ねて鉄板で焼いたもの。)、飯團(ファントゥアン・台湾風おにぎり。)

 

*インドネシア

鶏粥、インスタントラーメン、ご飯とアボン(牛肉そぼろ)、目玉焼き等が一般的です。単品での質素な食事が多いようです。飲み物はジャスミンティー、紅茶、コーヒー、すべて砂糖や練乳、牛乳を入れて飲みます。

 

*タイ

定番といえば、ジョーク、お粥です。

ごはん粒の形がなくなるほどに煮込んであります。味は薄味で、自分で調味料を加えて整えます。あっさり食べることができます。屋台利用が多いようです。

 

*ブラジル
パン、ハムとチーズ、そしてコーヒーとミルクが定番ですが、パンとコーヒーのみも多いようです。

*中国
お粥、揚げパン等が定番です。

朝方、屋台が多く現れ、揚げパンみたいな食べ物が定番のようです。屋台にパジャマ姿の方も多く見かけます。

*インド
インドの朝食はイドリ(米や発酵させた黒レンズ豆を使った白いケーキのようなもの。)が伝統的な朝食ですが、実際はチャツネ(マンゴーなどの果実に 香辛料・砂糖・酢などを加えてジャム状に煮たもの。)のみ、サンバー(スパイスを使ったスープ)のみの時もあります。発酵黒レンズ豆、米で作ったケーキが添えられることもあります。質素な単品の場合が多いようです。

*韓国
ご飯に、韓国風卵焼きが比較的多いようですが、定番のキムチ、漬物等が添えられることは多いようです。家庭により種類は大きく違うようです。

*ナイジェリア
モイモイと呼ばれる豆をペースト状にして蒸したものが代表的ですが、恵まれた家庭が食べるようです。イモ類の単品を食べる家庭が多いようです。

*ポーランド
ソーセージにチーズ、バター、ジャム、チョコレートスプレッドなどを塗ったロールパン、ロールパンに残りのチーズ、ソーセージを食べる方も多いようです。

*コロンビア
落とし卵のミルクスープが有名ですが、卵が無い時はミルクスープとパンも多いようです。若者は金額は高くなりますが、欧米風の朝食に憧れるようです。

*ブラジル
パンにハムとチーズ、そしてコーヒーとミルクが定番ですが、パンとコーヒーのみも多いようです。

*中国
お粥がメインです。

大都市圏でも不思議と朝方、屋台が多く現れ、揚げパンみたいなものを揚げています。この揚げ物と、お粥が定番のようです。朝方の屋台にパジャマ姿の方も多く見かけます。

*スイス
定番はオート(オーツ)麦と果物に牛乳をかけて食べます。

優れもののオート(オーツ)麦は収穫時は細長い形をしていますが、加熱してローラーをかけて押しつぶされオートミールになります、これが押麦です。

オートミールは白米などに比べてビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富です。
各ビタミン、ミネラルは白米と比べてほぼ2倍以上含まれており、食物繊維に至っては10倍近く(オートミール100g中約9g 白米100g中約1g)です。若者は欧米風の朝食を好むようです。

*パキスタン
定番はニハリと呼ばれるマトン、ビーフをタマネギ、ニンニク、ショウガ、スパイスを煮込んだものですが、これらの朝食を食べれるのは比較的恵まれた人達と思います。肉無しの場合もあるようです。

*ドイツ
ソーセージ、チーズ、パン、コーヒーは定番中の定番、ソーセージは家庭の好みがあり家庭により違うようです。休日の朝食はワインを飲まれる方は多いようですが、さすがに朝からビールは少ないようです。大変ボリュームがあるようです。

*キューバ
カフェ・オ・レにパンとバター、比較的安く出来ます。パンも安くて量が多いのを好まれるようです。恵まれた家庭では、果物を一緒に添えられる場合もあるようです。

*イスラエル
定番はシャクシュカ(トマト、玉ねぎをスパイスソースで煮たものと目玉焼きのセット)です。

*イングランド
焼きトマト、豆、卵、ベーコン、ソーセージ、マッシュルーム、パンが典型的な朝食アイテムです。

*フランス
コーヒーとクロワッサンは定番中の定番、クロワッサンに代わる普通のパンが使われる場合もあるようです。ジュース飲まれる方も多いようです。休日にはワインを飲まれる方もいるそうです。

*ロシア
一般的な定番は白パンです。パンケーキ、ビスケットやカッテージ・チーズにヌテラ(ヘーゼルナッツとチョコのペースト)ぬって食べる方も多いようです。飲み物はお茶やホット・コーヒー、ココア、フルーツ・ジュースが多いようです。白パンにコーヒーのみという質素なスタイルも多いようです。

*メキシコ
目玉焼き、アボカドをトッピングし、スパイシーなソースをかけたトルティーヤチップスに似たチラキレスと呼ばれるものが定番ですが、実際はトルティーヤのみとコーヒーの質素な食事も多いようです。若者は欧米風の朝食を好むようです。

*米国
場所によって大きく異なりが一般的なメニューは卵、パンケーキ、ベーコン、ハッシュド・ポテト等は定番です。パンにコーヒー、ジュース、ミルク等のみの場合も多いようです。


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